【葉山 ショップレポ】晃士丸 - 葉山の海と向き合う漁師の想い
海からの景色が美しい葉山町一色海岸。
目の前には富士山がそびえ、すぐそこには御用邸もある、環境に恵まれた場所です。
この一色海岸で自然と向き合う漁師。晃士丸の舘野晃士さんにお話をうかがいました。
漁師になるきっかけは、子供の頃の忘れられない思い出
葉山で生まれ育った晃士さんは、学校卒業後にメディア制作関連の会社へ就職。
早朝から深夜まで、都会の荒波に揉まれる生活が続きました。
真面目に仕事へ取り組むうちに、気がつけば心も身体も消耗しきっていました。
そこで仕事を辞め、バックパッカーとして世界へ飛び出した晃士さん。
アジアやインドなど、自然豊かでエネルギッシュな国々で多くの人々と触れ合ううちに、すり減っていた心と身体が少しずつ回復していきました。
35歳で日本に戻り、生計を考えたとき、都会の仕事へ戻る気にはなれなかったといいます。
そこで思い出したのが、子供の頃に海へ潜って魚や貝を採った記憶。
海の中で自然と向き合い、獲物が取れたときの大きな喜び。
あの感動をもう一度味わいたい!
そう決意した晃士さんは、葉山の漁師に弟子入りしました。
※現在葉山の海はJF湘南漁協の「第一種共同漁業権」が設定されているため、漁業権を持たない者がアワビ、サザエ、タコ、伊勢海老、ワカメなどの海藻類を許可なく採取することは禁止されており「密漁」にあたりますのでご注意ください。
画像出典:晃士丸
弟子入り生活は簡単ではない
葉山の海は波が穏やかで美しい反面、大きな魚はほとんどおらず、夏場は主に潜り漁でアワビやサザエを、刺し網漁で伊勢海老を獲ります。
冬から春にかけてはワカメ・ヒジキなどの海藻漁が中心です。
夏は炎天下での船の準備と片付け、一日中海に潜る作業が続きます。
寒い時期は冷たい水の中から海藻を引き上げ、丁寧に洗い、ゴミを取り除き、大きな釜で茹でる準備と後片付け。
地味な重労働の連続です。
それでも都会のギスギスした環境とはかけ離れた自然の中での生活が、晃士さんを人間らしい一人前の漁師へと育てていきました。
春の訪れを感じるワカメ漁
3月初旬、まだ寒さが残る時期に葉山ではワカメ漁が解禁になります。
漁師たちはこぞってワカメを収穫し、浜の小屋にある大きな釜で茹で、干す作業を進めます。
海辺一帯が磯の香りに包まれると、葉山に春が近づいてきた合図です。
晃士さんは師匠の教えを守り、収穫後は丁寧に洗い、茹でてから均一に乾くようしっかりと広げて干します。
購入後はそのまま味噌汁に刻んで入れられる手軽さも、丁寧な下処理があってこそです。
葉山のワカメは身が厚く食べ応えがあり、一度食べると他のワカメでは物足りなくなる、という声も少なくありません。
収穫時期に一色海岸の晃士丸を訪ねると生ワカメやめかぶも購入できます。
まだ黒いワカメをお湯にくぐらせると鮮やかな緑色に変わる感動を楽しむことができる「ワカメしゃぶしゃぶ」を食卓で楽しめるのも、この時期ならではです。
生わかめ 1kg ¥1,200(税込)
乾燥わかめ 80g ¥1,200(税込)
釜揚げヒジキの美味しさに驚く人が続出
ワカメのシーズンが終わると、4月末頃からヒジキ漁が解禁になります。
晃士さんは収穫したヒジキのゴミや不純物を丁寧に取り除いたあと、時間をかけて大きな釜で蒸し上げます。
この工程がふっくらとした仕上がりの秘訣で、一度食べるとヒジキへの印象が変わる方が多いといいます。
ぜひ収穫時期に一色海岸の晃士丸を訪ねて釜揚げヒジキを買って食べてみていただきたいです。
煮物のイメージが強いヒジキですが、私のオススメは同じ時期に出回る新玉ねぎのスライスと合わせてサラダにすることです。
たっぷりのヒジキに新玉ねぎスライスとおかかを合わせて、ポン酢で食べれば、さっぱりといくらでもモリモリと食べられる美味しさです。
ヒジキはなんと牛乳の約9倍ものカルシウムだけでなく、食物繊維にマグネシウム、鉄分などのミネラルを豊富に含んでいますので、美容にも健康にも非常に良い食べ物ですし、低カロリーなのでダイエットの強い味方にもなってくれます。
晃士さんのヒジキは芽の部分と茎の部分が満遍なく入っているのも特徴です。
それぞれ異なる食感と風味を楽しむことができます。
釜揚げひじき 1kg¥1,200(税込)
乾燥ひじき 100g¥1,200(税込)
漁師だから感じる、環境の変化
毎日海に潜り続けているからこそ、晃士さんは海の中の変化を肌で感じています。
漁師になって16年。
この葉山の海からアワビやサザエが年々減少しているといいます。
その深刻さは数字ではなく実感として積み重なります。
「このままだと食っていけなくなっちゃうよ」と笑いながら話してくれましたが、漁師の生活にとっては切実な問題です。
海の恩恵を受けて暮らす湘南の私たちにとっても、決して他人事ではありません。
いつまでもこの豊かな海の幸を味わい続けられるよう、できることから環境保護を考えていきたいものです。
晃士丸
一色海岸での販売の他、ご近所への配達、クール便配送可(詳細はInstagramより)
アクセス
JR横須賀線 逗子駅/京浜急行線 逗子・葉山駅よりバス約15分バス停葉山下車徒歩約5分
住所:葉山一色海岸
駐車場:なし