「認知も養育費も拒否したくせに!」子どもとの面会を要求する元彼に悩む45歳シングルマザー【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
45歳シングルマザー。突然の「子どもに会いたい」に困惑
45歳の由香子さん(仮名)は、10年前に5歳年上の男性・ダイスケさん(仮名)の子どもを身ごもり、シングルマザーとして出産。
由香子さんは認知や養育費についてダイスケさんに再三の話し合いを求めたものの、ダイスケさんは終始不誠実な対応だったそう。結局、認知も養育費も受けずにひとりで子どもを育ててきました。
しかしつい先日、ダイスケさんから「子どもに会いたい」と連絡がきたのだとか…。由香子さんは、その対応に悩んでいます。
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別の女と結婚したくせに
「今さら、何? って感じですよね。
私が妊娠をしたとき、彼には私のほかにも恋人がいて、結局は私の出産後半年くらいしてその女性と結婚をしているんですよ。
私が彼に認知や養育費を求めたときに『俺もこれから家族をつくるから、よその子どもまで面倒を見る余裕はない』と言われて、とても頭に来たのを今でも忘れられません」
由香子さんは携帯電話の番号を10年間変えていなかったため、ダイスケさんからの電話に驚き、思わず出てしまったと言います。
「考えておく」とは言ったけれど
「当時から、調子のいいオトコでしたけどね、そういうところはまったく変わっていないなって気がしました。
子どもは男の子なんですけど、パパの存在について一切説明していません。
だから彼が息子に会いたいって言ってきたとき、私からは『それは無理』と一度は断ったのですが…。
しつこいくらい何度も食い下がり、なかなか電話を切らせてくれないので、最終的には『考えておく』と言ってしまいました。
だけど…すでに別の女性と家庭を築いている上に、養育費だって1円ももらっていないのに『父親なんだから、会わせろ』って言うなんて…。ムシがよすぎると思いませんか?」
一方で、息子に対していつまでも父親の存在を隠すのは良くないのかもしれないと由香子さんは考えています。
息子のための最適解は?
しかし突如として目の前に現れた父親に息子はどんな思いを抱くのか、せっかく穏やかにスクスクと成長しているのに、父親のせいで悪影響が及ぶのではと話します。
「もともと未婚で産んでいますから、彼が父親役を担うとは思えませんし、期待もしていません。
もし今後、息子がグレたり問題を起こしたりすれば、父親に出てきてほしいって思う日もあるのかもしれない。でも、今のところそんな未来は想像できないし…。
それに、私にこれから彼氏ができればその人と結婚する可能性だってあります。
変に実の父親が出てこないほうが息子にとってもいいんじゃないかって思うんです。
でも…、そうは言ってもやっぱり息子にとっては生物学上の父親だし…。だからダイスケさんが会いたいと言っている今こそ、息子に会わせるべきなのか? っていう気持ちもあるんですよね」
これまで10年もの間、ダイスケさんからはっきりと「息子に会いたい」と言われたことがなかった由香子さん。
突然の申し出に対して、どう決断をするのか悩みは深まるばかりだとため息をつきます。
◇ ◇ ◇
では、息子の父親であるダイスケさんは、どんな考えを抱いているのでしょうか。実はダイスケさんは、親しい仲間たちに今の状況や気持ちを吐露していました。
次回に続きます。
(並木まき/ライター・エディター)