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晩春の里川でのルアー釣りで69cmアメマスに44cm大イワナと対面【北海道】

TSURINEWS

北海道の河川で出たアメマス69cm(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

年中、イワナを釣っている筆者ですが昨シーズンまではそれが本格化するのは初夏からで1番のお気に入りの川も6月中旬から探り始めるのが定番でした。今シーズンは2月末からその川が本流と合流するポイントでアメマスを追いかけていた事もあり、前倒しで5月のGW直後から探り始めました。この時期のこの川の状況はデータも少なく果たしてどのような感じなのか?

雪代と雨の増水のダブルパンチ

釣行前夜はまとまった雨が降り、当日早朝まで続いた様子。普通なら釣りに行くのを検討すらしない状況ですが年から年中イワナを追いかけている筆者は雨が降ればイワナが生えると考えている節があり、昼前まで家でソワソワと仕事をしながら行くかどうか思案していました。仕事がひと段落ついたところで外を見ると雨が止んでいたので川の様子を見に行って出来そうならやってみようという結論に至ります。

道中で橋を渡るたびに他の川の様子を見ると意外に濁りは無いようで意外にいけるかもとか考えているうちに目的の遡上止めの堰堤に到着しました。やや笹濁りの悪くない水色ながら大幅に増水していて堰堤上流以外で釣りが成立するポイントは皆無。雪代も出ていて水に手をつけると刺すような冷たさ、気温も7℃と前の週より10~20℃近く下がり肌寒い歓迎できる要素は笹濁りくらい、とはいえせっかく来たのでサクッと探ることにしました。

35cmイワナがヒット

濁りの状況なら、と赤金のヘビーシンキングミノーから始める事にします。アップクロスでキャスト、ラインを送って底波に乗せてトゥイッチをかけていきます。10投ほどキャストを続けても反応がなくやはり居ないのかなと思い始めた矢先、ミノーの背後で何かがギラつくのが見えました。姿はすぐに見失いましたがそのまま誘い続けてみるとようやくスイッチが入ったのか尺上クラスのイワナが興奮した様子でミノーに反応してきます。

チェイスの様子から赤金は見切られつつあると踏んで濁りでもしっかり映える白のスローシンキングミノー55mmに切り替えます。上流に向かってロングキャスト、トレースコースを長く取る事でミノーが底波に到達するまでの距離を確保して定位しているであろうかけ上がり付近のレンジまで流して縦のトゥイッチをかけます。そこで誘いをかけた瞬間、ゴンっとミノーが押さえ込まれたのですかさずフッキングを入れると中々良いサイズ。

尺上サイズのアメマス(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

低い水温とは裏腹に中々粘るイワナは目測35cm。状況を見れば上出来な結果です。雨も降ってきたのでこの時点で撤収します。

2日後に再釣行

それから2日後、そろそろ水位も落ち着いたのではと思い再び同じポイントに赴きます。水位は下がっていたものの、今度は代掻きの影響か濁りが入っている模様。

ただミノーを投げ込むとすかさず反応が複数あり、アベレージサイズに混じって尺を優に超える個体まで確認出来たので気合いが入ります。大物に狙いを定めてアプローチして連続でアベレージサイズを3尾キャッチするも狙いの大物は沈黙してしまいます。

44cm大イワナ登場

そこで今シーズンから使い始めた55mm2.6gのワーミングミノー”ゼロカロリー55S”を投入します。アクションもかけずにただゆらゆらと漂わせる事で流下してきた餌を演出します。ルアー着水後、フォールさせているとゆっくり送り込まれていたラインがいきなり引き込まれたのでアワセを入れると想定以上のパワーでグイグイとドラグを鳴らしてくれます。

アメマス44cm登場(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

ロッドをしっかり曲げ込んでダッシュをいなし魚体を寄せると40cm以上は確定の大イワナがネットの中で暴れていました。サイズを測ると44cm。口の中には大きなドバミミズがまだ残っているそのイワナはとても肥えていてかつ降海型とは異なる雰囲気のある個体でした。

堰堤を狙い撃つ

さらに2日後、前回は釣りにならなかった堰堤を攻略すべく再びあの里川を訪れました。この里川が合流する河川は3月にアメマスを狙ったポイント付近でもあり、そろそろ遡上アメマスが来ているのではないか、という淡い期待を抱いての釣行です。到着して水位をチェックしてみると少し高いものの濁りは笹濁り状態で悪くはない模様.この堰堤はとても狭く、幅は6mほどで最深部は恐らく2mくらいですが遡上魚が定位するにはちょうど良い位置にあります。

早速6gのヘビーシンキングミノーをセットして落ち込みに投入、ボトムまで落としてジャークを繰り返して底にいるかもしれない大物を煽る作戦です。対岸よりから順に探ること3投目、ジャークしてフォールさせていたミノーが不意に止まりたるんだラインがピンと伸びていくではありませんか。すかさずアワセを入れると一気に限界まで曲がるロッドにどんどん引き出されていくライン、どうやら想定以上の大物がいたようです。

66cmアメマスをキャッチ

狭い堰堤を駆け回る魚の背中にはしっかりと斑点が見えた事から狙い通りのアメマスであることが分かり喜ぶと同時にタックルの限界以上の剛力に少し慄きます。ランディングネットは小さすぎて入る訳もなくとにかく疲れさせるべくラインテンションを維持すべくロッドを立てていますがもはやこれは筋トレ状態です。

そんな中、こちらの疲れに気がついたのか一気に下流に走り瞬く間に3つの階段状の小堰堤を駆け抜けていくアメマス。急いで追いかけて浅瀬が見えたところで一か八かのハンドランディングを敢行することに。

アメマスの頭が上流に向いた瞬間、流れに腕を突っ込んで尻尾を掴みます。激しく抵抗されますが尾鰭の付け根をガッチリ掴んで一気に抜きあげ勝負あり。

アメマス66cmヒット(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

お互い息が上がった状態でしたが何とか即席の生簀に入れて落ち着かせます。サイズを測ると66cmの見事な雄で素晴らしいコンディション。その勇姿を写真に納めて元の場所に帰すと魚雷のようにすっ飛んでいきました。

同じポイントでイワナ

3日後、前日も雨でこの時期の降雨はアメマスの呼び水なのでまず確実にあのポイントにアメマスが入るはず、と考えたら行くしかないと言うことで再びチャレンジすることに。前回とは違うアプローチと言うことでスプーンの5gから始めて反応をみることにします。

アベレージサイズのイワナ(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

ボトム付近をリフト&フォールでで探ること数投、コツンと当たってきたのは前回のアメマスの三分の一のサイズのイワナ。まあ流石にそんなに調子よく行く訳ないか、とこぼしながらイワナをリリースします。アメマス、もといイワナはテリトリー意識が強い鱒族で多くの場合、そのポイントにいる1番強い=大きな魚が最初に反応することが多いので正直その日はその場所にもう大物は居ないと思い始めていました。

とりあえず今度は6gのヘビーシンキングミノーに切り替えて軽く探って上流に向うつもりでした。前回と同じルアーの色違いでフックが尺上イワナまでを想定している小さな物でしたが特に心配していませんでした。この直後、そのせいでヒヤヒヤさせられる事になります。

想定外の超大物ヒット

堰堤落ち込みにキャストしてミノーが着底するまでラインを送り込みます。その落ち込み直下は思っていたより深い部分がありそこはスプーンでは探り切れていない箇所でもありました。

着底確認後、ミノーを跳ね上げて”ブルブルッ”と波動を感じながらジャークしていきます。2回目のジャークの後3回目の跳ね上げ、のはずがいきなり”ゴンッ”とミノーが押さえつけられます。根がかりかもと思いながらも反射的にアワセを入れると途轍も無い重量感でバットの限界まで弧を描くロッドとギリギリといななくカーディナル。ボトム付近に張り付きながら走り回るアメマスのダッシュにロッドを立ててかろうじて抑え込めている状況です。

それに加えロッドが折られる可能性と細軸フックが伸ばされる2つの可能性にヒヤヒヤしながら下流に走られる事だけは阻止すべくラインテンションを保っていました。幸い大物の可能性を考慮してネットだけは本流用を用意していたのでいつでも出せるようにしていました。

69cmアメマス浮上

焦らずゆっくり、腕の疲れはとりあえず忘れてロッドワークで下流に走られないように誘導します。ドラグを微調整してあえて潜らせたり、ロッドの角度を変えることでフックが外れないようにすることおよそ10分、少し動きが鈍くなったところで魚との距離を詰めて半ば無理やりネットを突っ込んでネットインに成功します。ネットに感じるズシっとした重みを抱えながら浅瀬まで歩いて前回から残っていた石の生簀にアメマスを確保します。

堂々としたアメマス69cm(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

今年の北海道ではイワシが大量に接岸していたこともあってはち切れんばかりの超極太の胴回りはイワシを飽食していたことを示しているように見えます。また薄くピンクが乗った尾鰭と三つに割れた口はやはりイワナであることを主張しているようです。サイズを測ると69cm、今年2本目の69cmのアメマスですが本流と比べると里川小渓流でのやりとりは数段難しくかなり大変でした。フックを確認するとほとんど伸びかけていて危ないところだったようです。

今後の展望

これから初夏にかけて遡上が本格化するアメマスですが70cmクラスも大いに可能性があると考えるとやはりロマンしかありません。次からは太軸フックも用意してまたチャレンジするつもりです。

<小峠龍英/TSURINEWSライター>

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