陸っぱりライトゲームアングラーが思う【一番美味しい釣り魚はずばりメバル!】
アングラーにとって最大の楽しみは、何より釣った魚を調理して食べる瞬間だろう。筆者も釣魚の食に無上の喜びを感じていた頃があった。今ではリリースメインとなっているが、釣った魚が何よりうまいということは知っている。喉が渇いているときのビールのようなもので、絶対的なものがある。ライトゲームアングラーで、あまり釣魚の種が豊富となりにくい私ではあるが、「何の魚が一番うまかったか」ということを語ってみたい。
釣った魚は無条件においしいが……
何はともあれ自分で釣った魚は無条件においしい、毒でもない限り。そういえば一度微妙な鮮度のサバを食って腹を下したことがあったが、その前日の刺身などは美味しすぎたと記憶している。脂ののったサバは、もうたまらないくらいうまい。たまにアジよりおいしいのではないかと思うこともある。
ライトゲームアングラーが全国的に釣りうる代表的な魚といえば、次の4種だろう。
・カサゴ
・メバル
・アジ
・サバ
地域や季節もあって、根魚ならばこの他にムラソイやアコウ、クジメやアイナメなども混じる。アイナメは最上級の味わいだ。水質がよい海ではカマスやカワハギやキスもライトゲームで釣れる。まあ平均的なところでは上の4種というところだ。
筆者の場合「ブリ」
沿岸のライトゲームのターゲットではないが、私が釣った魚の中で、一番うまかったのはブリだ。アクシデントで釣っただけだが、そのとき手先が器用な兄に調理してもらったこともあり、つくりの完成品は、視覚的にも眩しいものがあったと記憶している。
個人的に釣ってすごいうまいと思ったのはランカーのマゴチだが、これもライトゲームのターゲットではない。台所でもさすがに異様な存在感を放っていた。
しかしこのへんの大型魚は、見かけのインパクトというものが大きい。実質どうか、という味わいのリアルな話になると、私など、とんと自信を失ってしまう。あくまで自分の守備範囲の魚でいえば、メバルが最上であるとソムリエ的に断言できる。
オカッパリではメバルがぶっちぎりか
オカッパリのライトゲームで一番の食味の王は、メバルだ。特に冬季のメバルは引き締まっていておいしい。個人的な意見だがこの魚は春告魚と言われるものの、春の海水温が高い時期のメバルは身がぐずついていてあまりおいしく感じない。
こだわりがひとつある。それは、抱卵個体は食わないということだ。実際何度も食ったことがあるのだが、抱卵個体はおいしくない。恰幅がよくて見かけはいいのだが、メバルの仔を食ってもおいしくないし、肥っているからといって食いではそんなにかわらない(何しろ肥っている分のほとんどがメバルの仔なのだから)。
それよりはよく引く居着きのシロメバル25cmくらいがいい。4尾もあれば1食、おなかいっぱい食べられる。キモがついていれば言うことはない。
友人評「カサゴ」
筆者の友人には、不敬なことにアジを好かないものが多い。「ニオイが嫌い」とか吐かす連中が多いのだ。実はメバルだって居着きの根魚なので、臭いをとるのに腐心するのだが、彼らの中はそんな裏の苦労は知らない。アジだって一流の味わいだ。上の上の上だ。
ちなみに友人評を聞くと、ほとんど必ずといっていいほど「カサゴがうまい」という声が出る。なるほどカサゴくん、やはり大人気なんだね。この魚は確かに非常に風味がいい。彼らに、「大阪にカサゴの刺身を出す寿司屋があるよ」と教えると、興味を示す。味噌汁が抜群においしい魚だが、実は私もまだ食べたことのないプロの手になるカサゴを、いつか食いに行ってみたいものだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>