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【働くママの労働問題】「103万円の壁 結局どうなったの?」扶養内パートで働く場合・働かない場合の話[社労士が回答]

コクリコ

【働くママの労働問題】「103万円の壁 結局どうなったの?」扶養内パートで働く場合・働かない場合の話[社労士が回答]

「103万円の壁」は「160万円の壁」になったけれど、所得税も社会保険料も住民税も発生しない年収のボーダーラインはいくらなのか。主にパート・アルバイトで働く方に向けて、どのような働き方があるか、社会保険労務士の小西道代先生が解説します。

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正社員で働いているママだけでなく、派遣や契約、パート、アルバイトなど、どんな形態でも家庭と仕事の両立は大変。そこには問題や困りごとが生じます。社会保険労務士であり、行政書士でもある小西道代先生が、ママたちが持つ仕事周りの疑問や働き方に関する悩みに回答。第6回は、「103万円の壁 結局どうなったの?(後編)」と題し、所得税も社会保険料も住民税も発生しない扶養内パートの働き方などについて解説します。

─働くママの声─

「103万円の壁」は「160万円の壁」になり、所得税の非課税枠は広がりましたが、社会保険料と住民税の支払いも避けた働き方をしたいです……。
扶養内パートで働いた場合の、年収のボーダーラインはいくらでしょうか?

まるきり扶養内で働くなら約106万円がボーダーライン

これまでパートナーの扶養に入り、扶養内パートで働いていた場合は、今までのスタイルを変えたくない方もいるでしょう。

その場合は、年収約106万円がボーダーラインです。

所得税の壁は、年収200万円以下の壁は最大160万円まで引き上げられましたが(前回参照)、社会保険料と住民税の要件は変更されていないため、扶養内パートで働く場合は、これらを踏まえて境界線を見極める必要があります。

社会保険の加入要件は、従業員51人以上の企業の場合、現在のところ次のような条件があります。また、住民税は110万円が境界線です

社会保険の加入要件

・従業員数が51人以上
・労働時間が週20時間以上(残業時間などは含まない)
・賃金が月8万8000円以上(残業代、賞与、通勤手当などは含まない)
・学生ではない(夜間学生などは対象)
・2ヵ月を超える雇用が見込まれる

賃金月8万8000円×12ヵ月≒106万円になるため、社会保険料と住民税のどちらも発生しないボーダーラインは、今のところ年収約106万円になります。

─働くママの声への回答─

従業員51人以上の企業で週20時間以上を勤務する場合は、扶養内パートで働くボーダーラインは年収約106万円。

扶養内パートなら知っておきたい「130万円の壁」

壁には「130万円の壁」もあります。こちらは、従業員数が50名以下の会社で働いているなど、「106万円のボーダーライン」に該当しなかった方が対象になる壁です。

年収130万円を超えると扶養から外れて社会保険料が発生するわけですが、扶養内パートの立場を踏まえた場合、社会保険料と住民税のどちらも発生しない年収のボーダーラインは、住民税の非課税枠を上限とした110万円以下になります。

扶養から外れて社会保険に加入すると、思ったよりも収入が増えないというイメージが先行しがちですが、社会保険料を支払うことで将来の年金が増えたり、万が一の病気やケガに備えることができるなどのメリットもあります。

壁を意識した働き方を選べる一方で、思い切って壁を乗り越えて、ワークライフバランスに配慮しながら本格的に働くという選択肢もあります。これからどのような働き方をするか、未来を踏まえてパートナーとしっかり話し合う機会がきたのではないでしょうか。

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