社長の趣味に変化の兆し 王道のゴルフも減少傾向 伸び率高い“新トップ3”は?
■ゴルフ・読書・釣り トップ3は5年間で全て減少
社長のオフに変化が生まれつつある。全国にある約10万社を対象にした調査で、半数近い社長の趣味はゴルフだった。ただ、過去5年間の割合はゴルフを含むトップ3は減少傾向にあり、別の趣味へ移行する傾向がみられる。
製紙メーカーなのに商社!? 富士市の新橋製紙は変化を恐れない経営で生き残り
民間の調査会社「帝国データバンク」によると、2025年における社長の趣味で最も多かったのはゴルフで、調査対象となった約10万社のうち46.35%に上った。ゴルフは他社との交流やビジネスチャンス創出の場として長年定着している。国家外交でも用いられ、ビジネス漫画や企業小説にも度々登場するなど、社長にとって“基本の社交ツール”としての存在感は大きい。
ただ、2021年からは2.32ポイント減少し、若い社長を中心にゴルフ離れが進んでいる。年齢層によって割合は大きく異なり、70代では54.69%と半数を超える一方、30代以下では3割未満にとどまった。一定の支持は保っているものの、趣味の多様化が進んでいることが読み取れる。
ゴルフに続く趣味は読書で、全体の12.19%を占めた。3位は釣りで8.63%となった。トップ3は過去5年間でいずれも減少しており、社長の趣味の定番が変化している兆しが表れている。
■上昇率トップはサッカー 趣味の多様化も加速
ここ5年間で最も割合が上昇したのはサッカーで、2.37%から2.92%へ0.55ポイント上昇した。次いで野球が5.21%で0.46ポイント増加、オートバイが2.18%で0.42ポイント伸びた。サッカーや野球は若手社長に特に多く、自らプレーするだけではなく、地域クラブの指導に参加したり、スタジアム観戦したりするケースも目立つ。
年代別でみると、30代以下ではゴルフ、サッカー、野球と上位3つが全てスポーツだった。加えて、キャンプや登山などアウトドア、ジムで体を鍛えるトレーニングも人気で、若い世代は総じてアクティブな趣味が多い傾向が強い。一方、プログラミングやゲーム、アニメ、映画などインドア系の割合も高く、50代以上の社長に比べても趣味の幅広さが特徴だ。
50代以上ではゴルフ、読書、釣りが多く、年齢が上がるほど割合も上昇した。また、スキーやスノーボードといったウィンタースポーツが50代から70代で4~6位に入っており、1970〜80年代のスキーブームを経験した世代を反映した結果となった。
社長の趣味は、ビジネスの社交スタイルや価値観の変化を映す指標でもある。ゴルフが依然として最も多いものの、若手社長を中心に趣味の選択肢は広がり、スポーツ、アウトドア、インドアなど多様化が進んでいる。こうした変化は企業文化やコミュニケーションの在り方にも影響を及ぼす可能性があり、社長の趣味の動向を追うことは、今後のビジネストレンドを読み解く手がかりになりそうだ。
(SHIZUOKA Life編集部)