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知的障害の息子と定型発達の3姉妹。きょうだい児への接し方に反省…母が始めた4つのこと

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知的障害の息子と定型発達の3姉妹。きょうだい児への接し方に反省…母が始めた4つのこと

息子が診断された時

現在、特別支援学校に通う息子「とつお」が知的障害(知的発達症)と診断されたのは3歳を過ぎた頃でした。第3子である彼は当時すでに姉2人と妹1人に囲まれ、発達の遅れがありつつも賑やかに楽しく暮らしていました。母である私も慌ただしい毎日の中でとつおの障害に関してそれほどネガティブに捉えることはありませんでした。とつおは言葉に遅れがあったもののコミュニケーションは取れており、問題行動と感じられるような困りごとがないタイプだったのも大きいかもしれません。

実際に知能検査をし診断された帰りの車中では息子の未来に対して得体の知れない不安に襲われましたが、夫の「これまで通り家族で楽しく過ごしたらいい。とつおはこんなに可愛いんだから」という言葉にはとても救われたのを今でも覚えています。その後、長女次女にはとつおの障害について日常の中で話してきました。

手のかかる息子……姉たちにばかり我慢をさせてしまうことも

何ごとものんびりで優しい性格のとつおに対し障害はあれど、さほど大変さを感じていなかった私。姉たちからもかわいがられ、2歳下の妹は保育園でもいつも一緒でした。

状況が変わったのは、とつおが年長さんの頃、発熱で倒れ脳症と診断され、それまでできていたことが難しくなった頃でした。思うようにコミュニケーションが取れないことでイライラしやすくなり、きょうだい喧嘩をした際に姉妹たちの髪の毛を引っ張ったり押してしまったりするようになったのです。家族でお出かけした際にも、長く手を繋いでいられず走り出してしまいそうになるとつおを制御せねばならず、姉妹には我慢してもらうことが多くなっていきました。家事で忙しいとついつい「(TV番組は)とつおの好きなの見せといてちょうだい!」などと言ってしまったり……。我慢ができる姉たちに甘えてしまった私がいました。

きょうだい児たちそれぞれとの時間を大切に

反省した私は次のようなことを意識して子どもたちと向き合うことにしました。

1、きょうだいそれぞれ1対1の時間をつくる夫婦ともに子どもと1対1で出かけたり、散歩やちょっとした買い出しなどに1対1で連れて行くなどしています。

2、夕食のメニューはきょうだい児のリクエストをなるべく反映する◯◯が好きな唐揚げにしたよ、などと言葉を添えるようにしています。「私の好きなのにしてくれたんだね!」と嬉しそうにしています。

3、意識的にスキンシップをとるこれは子ども全員ですが、気づいた時にハグをするようにしています。中1長女、小4次女もまだまだ嬉しそうにしてくれ、嫌がられるまでは続けようと思います。言葉以上に通じ合えるものが大きいです。

4、「元気で帰って来てくれてありがとう」と言う「◯◯してくれてありがとう」も、もちろん言いますが、意識しているのは、子どもがそれぞれ生きていてくれることそのものへの感謝です。子どもの性格によっては、大人を助けたい気持ちで頑張り過ぎてしまうので、そんな時は「ありがとう。でも頑張り過ぎないでいいからね」と伝えるようにしています。

私たちだけの家族の形を共に作っていく

ほかにもたくさん気にかけていることはありますが、まだまだ足りないなと反省することは多いです。それでも、子どもも親も助け合いながらともに家族として成長していく過程にあるはず。いい親にならなければ、と子どもに遠慮し過ぎなくてもいいのかなとも思います。

現在、反抗期でぶつかることも多くなった中1の長女に先日、「弟のことをどう思う?」と聞いてみました。「別にどうとも思わない。かわいい時もあればムカつく時もある。ただの弟だよ」と言ってくれた彼女の言葉にどれほど嬉しく勇気づけられたかわかりません。

現在息子は特別支援学校に通い日々成長してくれています。年中さんの妹の方がしっかり者で、時ににいにをいじめていたりするところを小4の次女が助けたり、一緒になって仕返ししたり。中1長女はスマートフォンに夢中……とバタバタと暮らしている私たち家族です。
息子だけでなく、きょうだい児である娘たちが、少しでも自分らしく逞しく成長していってほしいと願っています。障害は人それぞれ程度があり困難さは違うでしょう。わが家もこれから成長に伴い悩みは形を変えて付きまとうと思います。日頃から1人で悩まずいろいろな人や物に頼って助け合って生きることを家族みんなで学んでいきたいです。

執筆/マミー・マウス子ビッツ

(監修:初川先生より)
障害のあるお子さんのきょうだいの子たちへの接し方について、マミーさんが決意され実践されていることのシェアをありがとうございます。お子さんに障害や病気があると、どうしてもそのお子さんにかかりきりになったり、あるいはいつもそのお子さんにまつわることを考えていたりして、どうしてもきょうだい児のお子さんに対してそうした注意の向け方や手のかけ方、あるいはそのお子さんを考えている時間も短くなってしまい、もちろん仕方のない面もありますが、そこに関して保護者の方はご苦労されたり、悩まれたりすることが多いですね。きょうだい児さんらからのサイン(もっとパパやママと遊びたいなど)も出ていたりすると、ますます悩ましいところだと思います。

今回マミーさんが紹介してくださった4つの実践は、取り組みやすいものが多く、またすでにされている人もいるかもしれません。「きょうだいそれぞれと1対1の時間を作る」は障害の有無によらずとも、きょうだいのいるご家庭では意識的に取り組んでいる方も多いと思いますし、なかなかそれが思うようにはいかなくて悩ましく感じる方も多いように感じます。ただ、感じるのは、実際の時間の長さによってそこが満たされるというよりも、「あなたのための時間」と特別なものであり、その時間はそのお子さんにたっぷり注意を向けることができればよいのだろうということです。メニューへの声かけもそうですが、「お母さんお父さんはあなたを大事に思っているよ!」というメッセージが伝わることが大事なんだろうと感じます。何かができたから(特に、障害のあるきょうだいを助けたからなど)でなく、あなたはあなたでそのままでかわいくて大好きだよ・大切な存在だよ、という意味で「元気に帰ってきてくれてありがとう」も素敵な言葉かけだと感じました。

長女さんのとつおくんへの思い(「ただの弟だよ」)、素敵ですね。マミーさんの最後の言葉「わが家もこれから成長に伴い悩みは形を変えて付きまとうと思います。日頃から1人で悩まずいろいろな人や物に頼って助け合って生きることを家族みんなで学んでいきたいです」も、とても素敵だと思いました。子育てや家族関係というものは、常に同じ状態であることはあまりなく、成長や変化に伴って、さまざま状況や悩みも変わってくるものです。どうなっても家族で助け合ってやっていく土台を、今回はきょうだい児への接し方という視点から、見せていただいたように感じました。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

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