【例文付き】介護職の面接対策15問|面接官が見ているポイントも徹底解説!
執筆者
ささえるラボ編集部
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/3
面接ではさまざまな質問に答える必要があります。
回答内容によっては採用担当者に好印象を与えることができるため、キャリアや資格に自信がなくても転職成功率をグッと上げることも可能です。
そこで今回は介護職の転職における面接で、よくある質問を面接の流れに沿って解説します。
面接は答え方が大事!結論ファーストで聞かれたことに答えよう!
まず初めに、面接においてどの質問にも共通する面接での答え方から確認していきましょう。
それは結論ファーストで聞かれたことに答えるということです。
社会人経験のある方は、「そんなの当たり前」と思うかもしれませんが、意外と意識しないと抜けてしまうことが多いのです。
結論ファースト
まず、結論ファーストから解説します。これは名前の通り、聞かれたことに対して結論から述べるというものです。
日常会話でも、何か質問をした際に先に結論から聞きたい方は多いでしょう。
面接官も最初に結論を伝えてもらえると、何を軸に話を聞けばよいのか認識することができます。
その結果、伝えたいことやアピールしたいこと、ご自身の人となりが相手に正確に伝わると思います。
聞かれたことに対して答える
「聞かれたことに対して答える」というのは、当たり前のようで、実は難しいのです。特に面接は緊張し、これを話そう、あれも話そうと頭の中で情報が錯綜すると思います。
そうなると、最初は質問に対する答えを話していたのに、気づいたら違う話に逸れてしまったということも。
ここで「休日の過ごし方」について問われた際の、改善したほうが良い例と回答例を1つずつあげます。
◆改善したほうが良い例◆
休日は映画を観て過ごすことが多いです。
前職では平日の仕事内容が訪問営業でした。訪問営業では、歩数や訪問件数が業績に繋がります。そのため、多い日では約3万歩歩くことがあり、体力が非常に必要な業務内容でした。
しかし、訪問する中で、顧客の悩みを聞くことができたり、契約は結んでいただけなくても、顧客視点でのフィードバックをしていただけたりとやりがいを感じました。
仕事がある日と、休日でメリハリをつけるため、休日は自宅でリフレッシュを兼ねて映画を観ることが多いです。
◆回答例◆
休日は映画を観て過ごすことが多いです。
最近はサブスクリプションに入会をし、昔公開されていた映画などを観ています。特にミステリー映画が好きで、主人公と一緒に推理をしながら邦画も洋画も楽しみます。
実際、自分がその場にいないにもかかわらず、その世界観に惹きつける力にいつも驚かされています。
私も、人を楽しませることや人に何か興味を与えられるような人になりたいと思っています。
2つの何が異なるかというと「休日の過ごし方」に対し、改善したほうが良い例では、平日の業務内容がメインの話になってしまっています。このように状況を詳細に話そうと考えすぎてしまうと話が逸れる可能性が高いので、回答する際は聞かれていることに対して答えられているか意識をするようにしましょう。
介護職の面接でよく聞かれる15の質問と回答例
では早速ですが、面接でよく聞かれる質問についてカテゴリー別に、よくある質問と回答例をあわせて紹介します。
ここにある質問だけでもどのように答えるか考えてから面接に臨めると安心感や自信が変わってくると思います。
応募者の情報・経歴に関する質問
このカテゴリーでは、応募者のこれまでの職務経験や転職理由など、基本的な情報を確認する質問が中心です。面接の序盤で聞かれることが多く、第一印象を左右する重要なパートです。
質問1:自己紹介をお願いします
■面接官が見ているポイント
・応募者の職務経歴と人柄が簡潔に伝わるか
・簡潔にまとめていて話しすぎず、印象よく話せるか
■回答例
山田幸子と申します。
前職ではドラッグストアで販売係として勤務し、薬の研修やお客様対応を経験しました。
また、約5年間母の介護をしてきたことから、人の暮らしを支える仕事に強く興味を持ち、介護職への転職を決意しました。
本日はよろしくお願いいたします。
■NG例
冒頭で、趣味や前職歴、家族構成などを長々と話してしまうと本題がぼんやりしてしまうため、簡潔に前職でやっていたことや、介護業界に興味を持った理由などを話すようにしましょう。
質問2:転職理由を教えてください
■面接官が見ているポイント
・前職の不満をどう乗り越えようとしたか
・転職理由は前向きなものか
■回答例
仲間と切磋琢磨しながらスキルアップを目指したいと思い、転職を決めました。
前職は一人で仕事をすることが多く、チームでの連携が難しい環境でした。介護では他職種との連携が重要だと感じており、チームで働ける職場を希望しています。
■NG例
転職理由を伝える際に、「人間関係が悪かったのでやめました」や「給与が低かったからです」といったネガティブな要素のみを伝えるのはNGです。
転職理由は、介護観の不一致や、業務の幅を広げたい、未経験だけど介護に興味を持ったなどさまざまあると思いますが、いずれの場合も、前向きな伝え方を意識するようにしましょう。
志望理由・転職活動に関する質問
このカテゴリーでは、「なぜ介護職を選んだのか」「なぜこの施設を志望したのか」など、応募者の動機や施設とのマッチ度を確認する質問が中心です。
面接官は、応募者の価値観や意欲を見極めようとしています。
質問3:この仕事(職種)を選んだ理由は何ですか?
■面接官が見ているポイント
・介護職を選んだ理由が、価値観や経験に基づいているか
・介護職として活かせるスキルがあるか
■回答例
グループホームでなら一人ひとりに寄り添った介護ができると考えたからです。
前職では特別養護老人ホームで働いていましたが、利用者さんの人数が多く、個別対応が難しい場面もありました。その中で、少人数制のグループホームの存在を知り、より丁寧なケアができる環境に魅力を感じました。
前職で培ったスピード感やマルチタスク対応力を活かし、質の高い介護を提供したいと考えています。
■NG例
介護職は、働き方はさまざまあるものの、利用者さんの生活に責任をもって関わる仕事です。
そのため、「対応する人数が少ないから楽そうだと思った」など楽をするために転職を検討していると捉えられてしまう回答は控えるようにしましょう。
質問4:どうしてこの施設を受けようと思ったのですか?
■面接官が見ているポイント
・施設の特徴を理解しているか
・応募者の価値観と施設の方針が合っているか
■回答例
御施設では、より個々に向き合った介護ができると思ったため志望しています。
具体的には、1ユニットの人数を8名までとしている点に魅力を感じました。少人数制であるからこそ、利用者さん一人ひとりの人生に寄り添ったケアができると考えています。
前職で学んだ迅速な対応力を活かし、丁寧な介護を提供していきたいです。
■NG例
家から近いので便利だと思ったなど、施設の介護に対する魅力ではなく、立地などの魅力だけを伝えると、施設への理解や意欲は伝わりづらいです。
もちろん、通勤時間も働くうえで重要ですが、その施設ならではの魅力も見つけて伝えるようにしましょう。
質問5:他にどんなところを受けていますか?
■面接官が見ているポイント
・応募者の志望度
・転職活動の軸が明確かどうか
■回答例
現在、グループホームを中心に3施設ほど受けております。
今回の転職活動では、一人ひとりに向き合う介護を実現したいと考えており、御施設は1ユニット8名以下という少人数制の運営をされている点に強く惹かれました。そのため、御施設が第一志望です。
■NG例
転職活動では、複数の会社を受けているということは珍しいことではありません。
いくつか面接を受けているところがあるのなら、隠すよりはどのような施設を何個くらい受けているか正直に伝えた方がよいでしょう。ただし、10施設以上など多すぎると一貫性がないのではないかと疑われてしまうので、比較ができる2~5施設程度が好ましいでしょう。
また、志望度については「どこでも合格をもらえたら入ります」など曖昧な表現だと志望度が低く見られてしまいます。
応募者の特性・価値観に関する質問
このカテゴリでは、応募者の人柄や仕事への向き合い方、価値観などを確認する質問が中心です。
介護職は人との関わりが多いため、性格や考え方が、その介護施設に合うかどうかが重視されます。
質問6:ブランクの期間は何をしていたのですか?
■面接官が見ているポイント
・ブランク期間をどのように過ごしていたか
・仕事に対する意欲や準備状況の確認
■回答例
前職はデパートの販売員でしたが、退職後は介護職への転職を考え、ドラッグストアでアルバイトをしながら介護職員初任者研修を受講しました。
学びを通じて、人の生活を豊かにできる介護職に強く魅力を感じ、今はその気持ちがより一層強くなっています。
■NG例
「特に何もしていない」といった回答は、仕事に対する意欲などが感じられず、準備不足と捉えられる可能性があります。
ブランク期間の生活をもとに、今後どうしていきたいのかまで伝えられると「ここで頑張りたい」という気持ちが伝わりやすくなります。
質問7:長所や短所は?
■面接官が見ているポイント
・自己分析ができているか
・短所に対して向き合い、改善の努力をしているか
■回答例(長所)
私の長所は聞き上手であることです。
会話をするうえで、話し相手が考えていることや思っていることを引き出すのは大切であると思っています。
そのため、相手が話したことに対して「なぜ」「どうして」と深堀りをする質問をするようにし、相手が伝えたいことを最後まで引き出すよう工夫しています。
この会話術は介護施設で働くうえで利用者自身の考えを妨げることなく、潜在的なニーズや悩みを引き出せると思っています。
■回答例(短所)
短所は決断力が弱いところです。
以前、イベントの企画責任者を任されるチャンスがありましたが、迷っているうちに他の人に決まってしまい、後悔しました。
それ以来、迷ったときは紙に書き出して整理するようにし、必要に応じて周囲に相談するようにしています。
■NG例
短所は誰にでも1つはあるものです。
そのため、「短所はありません」と答えてしまうと、自己分析ができておらず、入職後もミスマッチなどで早期退職してしまうのではないかと懸念されることが多いでしょう。
質問8:趣味は?仕事以外で興味があることは?
■面接官が見ているポイント
・ストレス発散方法があるか
・人柄やコミュニケーション能力の確認
■回答例
趣味は散歩です。毎朝30分ほど歩いており、季節の変化を感じながらリフレッシュしています。
近所の方と自然に挨拶を交わすようになり、地域とのつながりも感じられるようになりました。 介護の仕事でも、利用者さんとの会話や関係づくりに活かせると思っています。
■NG例
「趣味はゲームで、休日はずっと家にこもっています」などといった回答は、コミュニケーションが苦手な印象を与えてしまいます。
趣味や興味が、間接的に仕事に活かせるということをアピールすると、印象に残りやすいでしょう。
質問9:今まで仕事のなかでつらかったことを教えてください
■面接官が見ているポイント
・困難なことへの向き合い方や乗り越え方
・そこから学びを得ることができているか
■回答例
受け持ちの利用者さんとなかなか打ち解けられなかったことです。 積極的に関わってもそっけない反応ばかりで、心が折れそうになりました。
しかし、ご家族から「あなたのことを良い職員だと言っていました」と聞き、見える態度だけで判断してはいけないと気づきました。
この経験から、信頼関係は時間をかけて築くものだと学び、今ではそれが私の介護スタイルになっています。
■NG例
一方で、「仕事をしていて辛いことが1つもない」という回答は、一見ポジティブにも見えますが、自己分析ができていない、現場経験が少ないと捉えられてしまう場合があるので、避けるようにしましょう。
質問10:今までの仕事のなかで嬉しかったことを教えてください
■面接官が見ているポイント
・仕事へのやりがいや熱意
・どんな価値観を持って働いているか
■回答例
敬老会のイベントを企画し、利用者さんやご家族、スタッフから高評価をいただいたことです。
従来の形式を変えて外部ボランティアを招いたことで、より満足度の高いイベントを実現できました。 他のスタッフの不安もありましたが、結果的に喜んでもらえたことが大きな自信になりました。
■NG例
「給与が上がったことです」など金銭面だけに注目した回答は、仕事への熱意が伝わりづらくなります。
また、ただ嬉しかったと伝えるのではなく、なぜ嬉しいと思ったのかまで伝えると、自身の価値観や考え方を理解してもらいやすくなるでしょう。
質問11:当社(当施設)で活かせるスキルは何ですか?
■面接官が見ているポイント
・どんな強みがあり、それをどのように活かせるのか
・働き始めたあとの具体的なイメージを持っているか
■回答例
私は柔軟性を活かして働くことができると思います。 前職のデパートでは、さまざまなお客様に合わせて対応する力を身につけました。
迷子や万引きなどの緊急事態にも冷静に対応してきた経験があり、介護現場でも利用者さんのタイプや状況に応じた対応に活かせると考えています。
■NG例
ここでは、自身のスキルや強みと現場でのマッチング度を確認されているため、「特にないですが、誰よりも頑張りたい気持ちがあります」などといった決意表明のみでは、具体性がなく説得力に欠けてしまいます。
具体的なエピソードとあわせて、自身のスキルを伝えるようにしましょう。
質問12:仕事をするうえで大切にしている(していた)ことは何ですか?
■面接官が見ているポイント
・仕事への価値観や姿勢が施設の方針とあっているか
・軸をもって働くことができているか
■回答例
相手の立場に立って考えることを大切にしています。
前職の営業では、相手の価値観を受け入れてから提案するようにしており、それが信頼関係の構築につながりました。 介護職でも、利用者さんや職員とのコミュニケーションにおいて、この姿勢を活かしていきたいです。
■NG例
介護の現場では、スピード感も大切ですが、利用者さんに対する思いやりや、丁寧さも重視されるため、「とにかく効率を重視しています」などといった回答は、誤解を招く可能性があります。
志望する介護施設の理念や方針を確認したうえで、自身と一致する部分をアピールしていけるとよいでしょう。
人間関係・対応力に関する質問
このカテゴリーでは、職場での人間関係や、利用者さんとのやり取りの中で起こる問題への対応力が問われます。
介護職はチームで働くことが多く、柔軟なコミュニケーション力が重視されます。
質問13:気難しい同僚とはどのように付き合いますか?
■面接官が見ているポイント
・人間関係のトラブルへの向き合い方
・冷静な対応ができるか
■回答例
気難しいと感じると嫌なところばかりに目が行きがちですが、まずは相手の良いところを探すようにしています。
また、その方が気難しくなっている理由や、自分がそう感じる背景を整理し、工夫してコミュニケーションをとるよう努めます。
それでもうまく関われず、業務に支障が出る場合は、上司に相談して対応を検討します。
■NG例
人間関係が必須の介護業界において、何かトラブルが生じた際に「関わらないようにしている」「外から静観している」などといった回答は、協調性がないと判断されてしまいます。
チームで働く介護職であるからこそ、どのように行動するのかを具体的に話すようにしましょう。
質問14:利用者さんから無茶なお願いをされた場合、どのように対応しますか
■面接官が見ているポイント
・トラブル時の判断力や対応力
・利用者さんに平等かつ誠実な対応ができるか
■回答例
判断に迷うお願いをされた場合は、その場で即答せず、上司や同僚に相談したうえで対応方法を検討します。
また、記録として残すために、口頭だけでなくメールや書類などで対応内容を整理するようにしています。 その後、同様のケースに備えて情報共有を行い、施設全体での対応力向上にもつなげています。
■NG例
無茶なお願いに対しては、「その場の状況に合わせて対応します」と回答したくなりますが、実際の介護現場で、問題解決のプロセスをしっかり考えていないその場しのぎの対応をすると、その都度変わる対応に利用者さん本人や他の利用者さんやスタッフも困ることがあります。
また、あなた自身も対応に苦慮して精神的に参ってしまう可能性もあるでしょう。
質問15:最後に何か質問はありますか?(逆質問)
逆質問とは、面接の最後に「何か質問はありますか?」と面接官側から、応募者に対して質問の機会を与えるものです。聞かれた際は最後のアピールチャンスになります。
■面接官が見ているポイント
・施設への関心度や準備状況
・積極性やコミュニケーション能力
■回答例1
本日はありがとうございました。1点質問があります。
御施設には資格取得に向けたサポートがあるとホームページで拝見しました。 具体的にどのような支援制度があるのか教えていただけますか?
■回答例2
本日はありがとうございました。1点質問があります。
御施設に入職することが決まった際、事前に準備しておくと良いことがあれば教えてください。
■回答例3(質問が思い浮かばない場合)
本日はありがとうございました。面接で詳しくお話を伺えたため、質問は特にありません。
施設見学や本日の面接を通じて、ここで働きたいという気持ちがより強くなりました。
■NG例
質問がない場合でも、「特にありません」だけでは興味がないように見えてしまいます。
そのため、面接に対する感謝の気持ちと、志望度が高まった旨を伝えるようにしましょう。
想定外の質問が出たときの対応法
面接ではさまざまな質問をされます。
そのため、事前にどれほど準備していたとしても、思わぬ質問をされることも考えられます。
上記にない質問がでたときでも、結論ファーストはぶらさず、次のことを意識して答えるようにしましょう。
*準備していないことを聞かれた際のポイント*
1.ネガティブな話をポジティブな話に変換する
2.なぜそう感じたかの理由をつける
3.他人に相談できることをアピールする
4.過去のエピソードは今や未来に繋げる
1.ネガティブな話をポジティブな話に変換する
たとえば「失敗談」や「苦手な人」など、マイナスに聞こえる話題でも、「そこから何を学んだか」「どう乗り越えたか」を伝えることで、前向きな印象に変えられます。
2.なぜそう感じたかの理由をつける
「○○が得意です」「△△が苦手です」と言うだけでは説得力に欠けます。その背景や根拠をセットで伝えることで、納得感が生まれます。
3.他人に相談できることをアピールする
介護の現場では、1人で抱え込まず、周囲と連携する力が重要です。困ったときに他者に「相談できる人」であることを伝えると、安心感を与えられます。
4.過去のエピソードは今や未来に繋げる
過去の経験を話すときは、「その経験から何を学び、今どう活かしているか」「今後どう活かしたいか」まで伝えると、成長意欲が伝わります。
面接の基本マナー
面接では、どれだけ経験や意欲があっても、第一印象が悪いと評価が下がる可能性があります。
ここでは、介護職の面接で特に見られやすい「入退室のマナー」「身だしなみ」「所作」など、基本的なポイントを解説します。
1. 入室時のマナー
● ノックは3回が基本
自分でドアを開けて入室をする形式の面接では、ドアをノックし「失礼します」と声をかけてから入室します。
その際、ノックの回数は3回です。2回は空室確認をする際に使うのでトイレなどでの確認方法となってしまいます。
また、ドアを開け入室した際はドアが閉まるまで手を添えるようにしましょう。最後までしっかり閉まったタイミングで、面接官に一礼をし、椅子の横に向かいましょう。
●椅子には指示があるまで座らない
面接室や待合室では、担当者からの「おかけください」「座ってお待ちください」などの声かけがあるまでは椅子に座らないようにしましょう。
◆入室型の面接◆
1.入室後椅子の横に立つ(ドアに近い側に立つのが理想、場所がない場合は反対でもOK)
2.簡単に挨拶をする(○○と申します。本日はよろしくお願いいたします。)
3.「おかけください」と面接官に言われたら「失礼します」と言って座る
◆面接官と一緒に入室する面接◆
1.入室後、案内される場所に向かう
2.面接官から「おかけください」と言われたら「失礼します」と言って座る
(「では先に自己紹介を」などと言われる場合もある)
◆先に入室して待っている面接◆
1.案内をしてくれた人から「おかけになってお待ちください」などと言われるので「失礼します」と言って座る
2.面接官が入ってきたら一度立ち上がり挨拶をする
3.面接官から「おかけください」と言われたら再度「失礼します」と言って座る
それぞれ若干形式は異なりますが、共通しておさえておきたいことは、「面接官からの指示がないのに座らない」「着席する際は失礼しますと一言添える」です。
また、「失礼します」と言い切ってから着席するとさらに丁寧な印象を与えられるでしょう。
2. 退室時のマナー
面接が終わったからといって、気を抜いてしまうのは禁物です。面接官の「以上で面接を終わります」という言葉のあとも、退室の所作や態度はしっかり見られています。
まず、面接官の目を見て、「ありがとうございました」と丁寧にお礼を伝えましょう。その後、椅子の横に立って一礼し、ドアの前でももう一度一礼をします。ドアを開けたら、最後まで手を添えて静かに閉めるようにしましょう。
そして、施設を出るまでは面接の一部だと意識してください。面接室を出た直後にスマートフォンを見たり、気を抜いた態度を取ってしまうと、他の職員からの印象が悪くなることもあります。 施設の玄関を出るまで、礼儀正しく、落ち着いた態度を保つことが大切です。
3.分離礼や身だしなみも意識しましょう
ここまで入退室時のポイントを解説してきました。一礼する場面が多いと感じませんか?
一礼をする際のポイントを補足しておくと、よく「ありがとうございました」と言いながらお辞儀をする人を見かけると思います。しかし、これでは言葉が床に届いてしまうので面接等の場所では相手の目を見て「ありがとうございました」と言ったあとに一礼をするようにしましょう。
これを分離礼と言います。ありがとう以外の言葉に関しても「相手に届ける」という意味では分離礼が好ましいです。
これで面接時の基本的なマナーについての解説は終わりますが、マナーができていても身だしなみが整っていないとマイナスな印象になります。面接に行く際は身だしなみもチェックしてから向かいましょう!
専門家の視点から見る面接対策
ここまで、実際の質問に対する回答例や、面接時のポイントについて説明してきました。
最後に、介護の現場に携わる専門家の視点で、「実際、面接官は何を見ているのか?」「面接の必勝法は?」などといった疑問について解説します!
コラム1:実際、介護職の面接ではどんなところを見られている?事業所側のリアルな声とは
執筆者/専門家
脇 健仁
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/22
志望動機を必ず聞く意図とは?
面接をするうえで、志望動機は必ず聞くようにしています。その理由は大きく分けて以下の2点です。
1.自分たちの会社(事業所や施設)をどのように知ったのか
2.数ある事業所の中で、入職希望者がなぜここの施設を選んだのか
情報に対してどのようにリーチしているのか、何を軸に勤務先を決めているのかなどを把握しておくことは、施設と求職者のミスマッチ防止に繋がります。
変わった質問をする意図とは?
介護職の面接では、「1=0.999…は正しいか?」のような少し難しい質問をすることがあります。これは正解を求めているのではなく、予想外の状況にどう対応するかを見るためのものです。
介護の現場では、正解がないケースが多くあります。
そのため、こうした質問を通じて、応募者の考え方・柔軟性・冷静さを観察しています。
介護の面接で見られているポイントは?
介護職の面接では、経験や資格だけでなく、人柄や姿勢、誠意が伝わるかどうかが重視されます。私が特に見ているのは以下のポイントです。
1.身だしなみは第一印象を左右する
2. 履歴書や所作も細かく見られている
3.資格より「一緒に働きたいか」を重視
■1.身だしなみは第一印象を左右する
面接ではまず、髪型や服装などの身だしなみがチェックします。 金髪や髭などの自己表現を否定するわけではありませんが、初対面の場で「相手の印象を気にしない」姿勢は、対人援助職として信頼関係を築きにくいと判断されることがあります。
大切なのは、相手に悪い印象を与えないよう努力することです。それが誠意の表れとなり、面接官との相互理解の第一歩になります。また、そのうえで、自分らしさを表現していくことは歓迎されます。
■2. 履歴書や所作も細かく見られている
履歴書の文字の丁寧さや言葉遣いはもちろん、面接中の表情、視線、手指や脚の動きなども見ています。
落ち着きのある態度や、マナーが身についているかどうかは、細かな所作から伝わるものです。
■3.資格より「一緒に働きたいか」を重視
また、資格や経歴よりも、その人と一緒に働きたいと思えるかどうかを重視しています。法人の理念に共感し、同じ熱量で仕事に向き合えるかどうかが、採用の決め手になることもあります。
人材不足の状況であっても、価値観が合わないと感じた場合は採用しないという姿勢を持つ事業所もあります。だからこそ、面接では「この職場で働きたい」という気持ちを、誠実に伝えることが大切です。
コラム2:働き始めてから「イメージと違った…」にならないためには?
執筆者/専門家
伊藤 浩一
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/14
最近は採用に関して「ミスマッチ」という言葉をよく聞きます。 これは、新規採用者が働き始めてみたら「この職場はイメージと違った」と感じすぐ離職してしまう。または、事業者が新規採用者に対し、いざ働きはじめてみたら求めていた人材と違ったと感じることを言います。
採用側も採用された側もこの状況を避けたいですよね。 ではどうすればミスマッチを防ぐことができるでしょうか?
今回は面接に焦点を当て、防止策を2点お伝えします。
1.ミスマッチ回避には、事業所側の「面接システム」構築を!
■なんとなく採用してみようかな…と言う安易な判断はNG
まず第一は、採用側の面接システムの構築です。
ミスマッチは「なんとなく」ここでいいかな…とか、「なんとなく」採用してみようかな…という安易な決断が招きます。つまり安易に決断するのでなくしっかり考え抜かれた面接システムが必要なのです。
<面接システム例>
1.組織理念をもとに求める採用者像を明確にし、質問項目を作成する(なんとなく受け答えしない)
2.複数者で面接する(私は採用するセクションの責任者と採用担当者2名で対応しています)
3.疑問に思う点などあれば、2次面接などを通してコミュニケーションを深める
4.採用条件や研修、キャリアップ支援体制、福利厚生などの労働条件を明確に伝える
5.試用期間を設ける(お互いのため)
■なんとなく面接されてる感じがしたら、要注意!
逆にいえば、面接を受ける側として上記のようなシステムが面接で見えてこない「なんとなく面接されてるな」と感じたときは、この事業所大丈夫かな?と疑問に思った方が良いかもしれません。
2.「なぜ介護の仕事をしようと思ったのか?」に答えられるか
この動機の確認は非常に深いです。
なぜなら、「介護」とはなにか?を自分の中で言語化できていないと話せないからです。
■「なぜ介護の仕事をしようと思ったか」に対するよくある回答
例えば、よくある回答としては、以下のようなものがあげられます。
1.お金のため
2.自分の祖父母によくしてもらったから
3.自分の祖父母が介護される姿をみてきたから
4.高齢者社会に貢献したい
■それに対する面接官の印象は?
前述した4つについて考えてみると、1は、それはそうだけど、介護をお金としか捉えてないのかな?と感じてしまいますね。
2、3に関しては、実体験を(話せる範囲で構いませんが)具体的にお話しいただけると好感が得られると思います。
4に関しては社会貢献まで意識がいっていると感じられるので好感度は高いでしょう。しかし、これも上辺だけにならないように2、3の実体験などがあれば、併せてお伝えいただけると、なお良いと思います。
■面接の質問を通じてミスマッチを防いでいる
ということでお分かりでしょうか?
この質問の意図は「介護って思ってた仕事と違うな」「自分が目指している介護とこの職場は違うな」というミスマッチングを防ぐことです。
面接官はこの質問を通じて自事業所の理念(目指す介護)を行動に移してくれる人物かどうかをみているのです。 金儲けのために介護をしてますという理念の事業所はないですよね。
面接は「自分が働く先を選ぶ」という意識でのぞむとGOOD
今回は「ミスマッチ防止」をテーマに面接を考えてみました。
提案です。面接は、採用されるかどうか?を気にするより、自分が働く先を選ぶために面接を活用するぐらいの気持ちで臨んでも良いのではないでしょうか?
ある有名な世界の五つ星ホテルの面接では、不採用であっても将来のお客様になるかもしれないという意識で丁寧対応するそうです。面接にも企業の姿勢が行き届いているんですね。
今回お伝えしたポイントを参考に「自分が働き先を選ぶ面接」の意識で臨んでください。その姿勢が面接官の心を動かすとともにミスマッチを防ぐでしょう。
コラム3:コミュニケーションが苦手…介護職の面接の必勝法は?
執筆者/専門家
後藤 晴紀
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/9
きれいにまとまらなくても、自分の言葉で伝えれば大丈夫!
まず、大切なのは面接官に、「なぜこの職業に就こうと思ったのか?」「なぜこの事業所を選んだのか」を具体的に伝えることです。
この職業に就こうと考えたきっかけや想いは、既に持っていると思うので、自分の言葉で伝えられるように紙に書き出してまとめておくようにしましょう。
きれいにまとめようとする必要はありません。お父様の介護で感じたこと、経験したこと、そして転職を思い立ったときの感情などをそのまま紙に書き出し、まとめてみてください。
面接中は緊張して頭が真っ白になる方も少なくありませんが、ご自身の経験や想いには感情が伴っています。頭が真っ白になっても、その感情まで忘れてしまうことは少ないと思いますので、自分の言葉で伝えることを意識してみてください。
施設形態ごとに、具体的な仕事内容をイメージしよう
次に転職する事業所を選んだ理由についてですが、介護福祉業界には様々な形態のサービスが存在します。
入居系や通所系、訪問系など、提供するサービスや種類も多岐にわたります。ご自身で介護福祉業界でどのようなお仕事をしてみたいのか、調べたうえで一度考えてみてくださいね。
例えば、特別養護老人ホームでは、看護師や管理栄養士、ケアマネージャーや生活相談員等、多くの専門職と共に、看取りまで含めた365日24時間体制でご利用者やご家族をサポートします。
このように具体的に、入職後どのような仕事をすることになるのかがイメージできているとよいですね。
入職前にやっておくとよいこと
転職の際は、福祉や介護のことを知るという意味でも、介護職員初任者研修という資格を受講しておくことをおすすめします。
入職にあたり、真剣に転職を考えていることもアピールできますし、この業界や具体的な仕事のことに触れる良い学びとなります。ご自身がどのような介護職員になりたいのかも見えてくるかもしれません。
受講は130時間の研修受講と修了試験に合格することですが、この業界の入口の資格にもなりますので、是非チャレンジしてください。
福祉・介護業界に素敵な方が転職してくださることを楽しみにしています。
共に学びを深め、全力でご利用者、ご家族のサポートをしていきましょうね!
面接頑張ってください!応援しています!
最後に:介護職の面接について4コママンガで確認しましょう!♪
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