遼寧省出身店主のガチ中華 アツアツ鉄板の角煮に注文受けてから製麺する限定手延べラーメンも【ひまわり亭】技とアイディア光る立山町の異色中華料理店
ラーメンとチャーハン、ギョーザや唐揚げ、麻婆豆腐をおかずにごはんと食べる定食など、日本人好みの味で気軽に楽しめるのが町中華なら、現地出身の店主が地元で親しまれる本格的な中華料理を楽しめるのが“ガチ中華”。辛さや香りづけなどのスパイス、食材などもそのままなため、独特の風味に好き嫌いは分かれますが、日本に住む在留外国人に加えて、日本人に熱烈なファンがいるのも事実です。
そんな現地出身店主が営む中華料理店が、富山県立山町にもあります。
本格的な中華を味わえるのはもちろん、和食や洋食を中華風にアレンジしたメニューも。店主の技とアイディアが感じられるメニューからは町中華的なアレンジとはひと味違う、ガチ中華ならではの進化や融合が感じられます。
遼寧省出身店主の本場中国東北料理「ひまわり亭」
立山町前沢にある中華料理店「ひまわり亭」。
立山町役場や防災センターと児童館を兼ねた複合施設「アカリエ」からほど近く、大きな広場がある前沢中央公園がすぐ目の前にある落ち着いた一帯に店を構えます。
店主の張さんは中国の遼寧省出身で、日本に来て13年。今から3年前に、妻のきぬ子さんと共にこちらの「ひまわり亭」をオープンしました。
自慢は、明るい笑顔と張りのある元気な声で客を迎える張さんが、腕によりをかけて作る本格中華。寒い地方で発達した中国東北料理は、鍋で煮込むアツアツのものや辛みや塩を効かせてしっかりした味付けが特徴です。
さらに、「ひまわり亭」ではガチ中華だけでなく、日本の滞在歴が長い張さんならではのアレンジが光る料理も。日本人シェフがアレンジする中華料理とはちょっと違った料理を楽しむことができます。
アツアツが人気! 本格中華
グツグツの鉄板に野菜もたっぷり「豚の角煮」
本格的な中華メニューの中でオススメなのが「豚の角煮」。
中華料理店の角煮と言えば、しっとりと煮込まれた大きな角煮に青菜が添えられて出てくるイメージがありますが、「ひまわり亭」のものはひと味違います。
まずは提供の方法。
なんと、熱せられた鉄板に盛られ、タレもグツグツと泡を吹きながらの提供です。
角煮はトロトロの食感で、脂もしっとり。
しっかりした味付けでごはんにもよく合います。
さらに角煮の周りにはピーマンやタマネギなどの野菜もたっぷり。シャキシャキとした食感やみずみずしい甘みで、角煮を引き立ててくれます。
ごはんのおかずとしてはもちろん、お酒のお供にもぴったりの1品です。
あっさりスープに発酵白菜の旨味 「シャンツァイ豚肉鍋」
こちらも正統派の中華料理、「シャンツァイ豚肉なべ」。
シャンツァイ=発酵白菜と、春雨、豚肉をあっさりとした豚骨スープで煮込んだ料理です。
張さんにとっての故郷の味で、特に冬の時期には現地で週に何度も食べるほど親しまれているんだとか。
豚バラ肉がたっぷり入っていてパンチがありそうですが、食べてみると意外とあっさり。むしろヘルシーな印象で、罪悪感なく食べられます。
その理由は、シャンツァイ。白菜を刻んで塩漬けにし、発酵させた漬物のような食材です。この旨味と酸味があわさることで、豚の脂っこさをあまり感じないのだそう。
食材同士の相性がよく、どんどん食べ進めたくなる味です。
洋食に中華の技とアイディアを オリジナルメニュー
オムレツの下には… 「チャーハンオムライス」
本格中華の次は創作中華。なずは、オムライスです。
中華料理なのに洋食?と不思議に感じてしまいますが、こちらは店主の張さんが考案したオリジナルメニュー。
卵を5個も使用したふんわりオムレツの下に、張さん特製のチャーハンが隠れています。
トロトロで絶妙な火入れ具合のオムレツとしっかりめに味付けされたチャーハンの旨みが重なります。
仕上げのケチャップは、一般的なチキンライスのオムライスと同じ。
甘酸っぱさが甘酢の中華ダレのようで、意外にもチャーハンによく合います。
決め手は山椒! 辛味とニンニクたっぷり「麻辣アヒージョ」
こちらは、スペイン料理のアヒージョをベースに考案した「麻辣アヒージョ」。
器にスキレットを使った洋風の見た目でありながら、赤くて辛そうな油でグツグツ煮えた中華の要素もプラスしています。
エビと野菜に、アヒージョに欠かせないニンニクもたっぷりと。
さらに味の決め手は、山椒などの香辛料。シビれる辛さで、一気に中華のほうに寄せられています。
油はオリーブオイルを使用しているので、さわやかな風味があります。香辛料の刺激の中にも野菜の甘みが感じられて、クセになる1品です。
水曜限定! 注文ごとに手延べ製麺「中国蘭州牛肉麺」
そんな「ひまわり亭」で水曜だけ食べられる料理として名物になっているものがあります。
それが「中国蘭州牛肉麺」。
富山ではなかなか食べることができない、こちらも本場仕込みのガチ中華です。
トッピングは卵、牛すね肉、ネギ、大根、パクチー。スープは漢方入りで体に沁みわたるようなおいしさ。現地と変わらない本格的な味で作られています。
ちなみに、漢方独特の苦みや香りが苦手な方は、注文時に漢方なしにすることも可能。牛ダシのすっきりしたスープを楽しめます。
さらに、このラーメンの1番の特徴は、一つひとつ、注文を受けてから製麺すること。
しかも、製麺機などは使わずに、伝統的な現地の製法の手延べ式。北海道産の小麦を使用した生地を手早く伸ばしていきます。
よりを掛け、捻じっては伸ばすを繰り返し、ひとかたまりだった生地があっという間に細い麺になっていくのは、さすがのひと言。
関心している間に麺ができあがりました。
麺は、手延べならではの太さのばらつきが食感のよさを生み出し、牛骨と親鶏からとったシンプルなスープによく絡みます。
張さんのオススメの食べ方は、ラー油を入れること。
唐辛子の辛さは控えめに、香りはしっかりと油にうつした自家製ラー油を加えることで、スープの味がキリッと引き締まって、また格別のおいしさを味わえます。
「流行りで終わらせたくない」張さんのこだわり
この「蘭州牛肉麺」を日本のラーメンと同じくらいメジャーな料理にしたいと語る張さん。
でも水曜限定で提供するには理由がありました。
「一度盛り上がって忘れちゃうような、一時の流行で終わらせたくない。保存の効かない麺だから、まずは水曜限定で試したい」(張さん)
そうして訪れる客に食べてもらいながら、いつかは毎日、蘭州牛肉麺を提供できるようになるのが夢。語る張さんの声にも強い気持ちがこもります。
本格中華から創作中華まで、技とアイデアが光るメニューの数々を味わうことができる立山町のガチ中華です。
出典:KNBテレビ「ワンエフ」
2026年2月6日放送
記事編集:nan-nan編集部
【ひまわり亭】
住所 富山県中新川郡立山町前沢2530-12
営業時間 〈月曜〉
11:00~14:30
〈水~日曜〉
11:00~14:30
17:00~21:30
定休日 火曜