【東京散歩コース】巣鴨・駒込〜おばあちゃん御用達の商店街と寺社、庭園を巡る〜
「おばあちゃんの原宿」ともいわれる巣鴨。巣鴨地蔵通り商店街には和食や和菓子、赤パンツといったおばあちゃん好みの店舗が並ぶ。とげぬき地蔵の異名をもつ高岩寺では、病気平癒の御利益が期待できる「御影(おみかげ・おすがた)」が授与され、悪いところを洗うと治る洗い観音もある。ここがおばあちゃんたちが目指す巣鴨の聖地。4の付く日は縁日で、周辺には多くの露店が出てにぎわう。国道17号の北側は、本妙寺や善養寺などが並ぶ寺町。明治時代に開設された染井霊園には、多くの著名人が眠っている。ここはかつて染井村と呼ばれた植木の里で、ソメイヨシノはこの地が発祥だ。駒込は都心とは思えないほど閑静な住宅地。この雰囲気にぴったりな大名庭園の六義園も見逃せないスポットだ。
【散歩コース】
スタート:巣鴨駅はJR山手線で池袋駅から5分・150円、上野駅から12分・170円。地下鉄三田線の利用もできる。
JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅→(4分/0.3㎞)→眞性寺→(すぐ)→巣鴨地蔵通り商店街→(2分/0.2㎞)→髙岩寺(とげぬき地蔵)→(9分/0.7㎞)→猿田彦大神庚申堂→(7分/0.5㎞)→妙行寺→(1分/0.1㎞)→善養寺→(10分/0.7㎞)→本妙寺→(2分/0.2㎞)→慈眼寺→(2分/0.2㎞)→染井霊園→(23分/1.6㎞)→六義園→(8分/0.6㎞)→JR山手線・地下鉄南北線駒込駅
ゴール:駒込駅からJR山手線で池袋駅まで7分・170円、上野駅まで10分・170円。地下鉄南北線の利用もできる。
今回のコース◆約5.1㎞/約1時間10分/約6800歩
中山道の旅人を見守ったお地蔵様「眞性寺」
元和元年(1615)に中興した古刹。本堂前に鎮座する高さ2.68mの地蔵は、江戸六地蔵のひとつで、地蔵坊正元が15年をかけて造立。6月24日の「百萬遍大数珠供養」では全長16mの数珠を100人以上で回して願をかける。
「眞性寺」詳細
眞性寺(しんしょうじ)
住所:東京都豊島区巣鴨3-21-21/営業時間:参拝自由/アクセス:JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅から徒歩3分
おばあちゃんたちの原宿「巣鴨地蔵通り商店街」
全長約780m、約200店舗が軒を連ねる商店街で、髙岩寺参詣の人向けと、地域密着型の店舗が混在している。塩大福やもなかに代表される和菓子、洋菓子、話題のパン屋など、名物店がいっぱいだ。赤パンツをはじめとした、年配者向けの衣料品店が多いのも特徴。4の付く日はとげぬき地蔵の縁日。
「巣鴨地蔵通り商店街」詳細
巣鴨地蔵通り商店街(すがもじぞうどおりしょうてんがい)
住所:東京都豊島区巣鴨3/アクセス:JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅から徒歩3分
延命地蔵菩薩の「霊印」が本尊「髙岩寺(とげぬき地蔵)」
江戸時代、誤って針を飲み込んだ女性に本尊を印じた紙札「御影」を飲ませたら、針が御影の地蔵尊影を貫いて出てきたのがとげぬきの由来。境内には水をかけてお参りする洗い観音も。
「髙岩寺(とげぬき地蔵)」詳細
髙岩寺(こうがんじ)
住所:東京都豊島区巣鴨3-35-2/営業時間:境内自由。本堂開門は6:00〜17:00(4の日は〜20:00)/アクセス:JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅から徒歩3分
庚申信仰を伝える猿が鎮座する堂「猿田彦大神庚申堂」
文亀2年(1502)に庚申塔(こうしんとう)を造立したのが創祀といわれる。庚申塔とは庚申様を信仰する講の人々が立てた石塔のこと。庚申様の「申」は猿のことで、神を先導した猿田彦大神と結びつき、案内の神として祀られるようになった。台座には三猿が刻まれている。
「猿田彦大神庚申堂」詳細
猿田彦大神庚申堂(さるたひこおおかみこうしんどう)
住所:東京都豊島区巣鴨4-35-1/営業時間:参拝自由/アクセス:都電荒川線庚申塚停留場から徒歩2分
迫力満点の閻魔様は江戸三大閻魔「善養寺」
天長年間(824〜834)に上野山内に創立したと伝わり、明治45年(1912)に現在地に移転。運慶作と伝わる高さ約3mの木造閻魔像が鎮座する。堂内は暗いが、近づくとライトアップされる。
「善養寺」詳細
善養寺(ぜんようじ)
住所:東京都豊島区西巣鴨4-8-25/営業時間:8:00~17:00/定休日:無/アクセス:地下鉄三田線西巣鴨駅から徒歩1分
遠山の金さんが眠る古刹「本妙寺」
天正18年(1590)、徳川家康の江戸入封に伴い、駿河(現在の静岡県)から移転。明暦の大火の火元ともいわれ、境内には供養塔が立つ。遠山の金さんや千葉周作の墓がある。
「本妙寺」詳細
本妙寺(ほんみょうじ)
住所:東京都豊島区巣鴨5-35-6/営業時間:7:00~17:00/定休日:無/アクセス:JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅から徒歩10分
桜の古木に包まれる歴史ある霊園「染井霊園」
明治政府の神仏分離によって神葬者の墓地を確保するために、明治5年(1872)に神式墓地として開設。同7年に東京府の公営共同墓地になった。彫刻家の高村光太郎や作家の二葉亭四迷、思想家の岡倉天心などが眠る。
「染井霊園」詳細
染井霊園(そめいれいえん)
住所:東京都豊島区駒込5-5-1/営業時間:入園自由/アクセス:JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅から徒歩10分、JR山手線・地下鉄南北線駒込駅から徒歩12分
美しい庭園を彩る四季の花『六義園』
徳川5代将軍綱吉の側用人・柳澤吉保が自ら設計した回遊式築山泉水庭園。日本や中国の古典にちなんだ名勝が造られている。園内のシダレザクラは高さ約15m、幅約20mに及ぶ大樹。紅葉の名所としても知られる。
『六義園』詳細
六義園(りくぎえん)
住所:東京都文京区本駒込6-16-3/営業時間:9:00〜16:30/定休日:無/アクセス:JR山手線・地下鉄南北線駒込駅から徒歩7分
【巣鴨・駒込のグルメを堪能!】
あんこが絶品!一家相伝の味を守る『福島家』
創業160年超えの老舗和菓子店。江戸時代の和菓子の文献をもとに作る、季節の上生菓子1個400円が看板商品だ。手間をかけて作った上品なあんこを楽しもう。喫茶コーナーは、和洋の軽食メニューも豊富だ。赤飯御膳1250円。
『福島家』店舗詳細
福島家(ふくしまや)
住所:東京都豊島区巣鴨2-1-1/営業時間:9:30~18:00/定休日:水を含む月6日/アクセス:JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅から徒歩1分
塩スイーツの元祖・塩大福『みずの』
巣鴨名物の塩大福130円~発祥という人気店。餡は甘さ控えめで、ほんのりと塩味が効いた上品な味わい。モチモチとした団子に、たっぷりのきなこをまぶしたきびだんご130円。
『みずの』店舗詳細
みずの
住所:東京都豊島区巣鴨3-33-3/営業時間:9:15~18:30/定休日:無/アクセス:JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅から徒歩4分
炭火で焼いてふっくら香ばしい『八ツ目や にしむら』
大正15年(1926)創業のうなぎ専門店。ウナギは愛知県産や鹿児島産をはじめとした国産を使用する。創業当時から受け継がれるタレと炭火にこだわり、丁寧に焼き上げたウナギはフワッとした食感。うな重定食3900円~。
『八ツ目や にしむら』店舗詳細
八ツ目や にしむら(やつめや にしむら)
住所:東京都豊島区巣鴨3-34-2/営業時間:10:30~18:00LO/定休日:7・8の付く日(土・日・祝の場合は営業)/アクセス:JR山手線・地下鉄三田線巣鴨駅から徒歩5分
取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きたい人のための 東京散歩地図』より