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ドラマストア BIGMAMA、Base Ball Bearらも出演、4年半ぶりに開催された主催フェス『DRAMA FESTA 2022』をレポート

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DRAMA FESTA 2022


2022.3.6 日比谷公園大音楽堂

2022年3月6日、ドラマストア主催『DRAMA FESTA 2022』が4年半ぶりに開催された。『DRAMA FESTA』は2015年より行われており、今回で通算5回目。感染リスクの削減や「コロナストレスを発散したい!」という思いにより、場所をライブハウスから屋外の日比谷野外音楽堂へ。イベント開催にあたり事前に実施されたクラウドファンディングでは、開始30分で目標金額達成、最終着地が達成率319%と大きな話題を呼んだ。それだけたくさんの人の想いが集まったイベントゆえ、当日の熱量もすさまじかったのである。

オープニングを飾るthe shes goneは、「Make my day」によりライブをスタート。爽やかなギターのカッティングは春を感じさせる三月の気候と馴染み、心地よくオーディエンスをエスコートしていく。心をじんわりとほぐしていくロックンロールは、まさしく彼らの極み。「今日という1日を甘い記憶にしていきましょうか」とコールし紡がれた「甘い記憶」では、じわりじわりと観客の記憶を音楽で彩っていった。ソリッドなサウンドの「ふためぼれ」をエモーショナルに響かせると、「想いあい」でギアを一気に踏みこむ。ラストとなったのは、アコースティックギターに温かい声の重なる「ラベンダー」。「自分の中にある優しさをできる限り出して作った曲」ということもあり、柔らかいだけじゃない“優しさ”が日比谷野外音楽堂に響き渡る。最後の最後までお互いの存在や呼吸を感じ合うステージを作りあげた。

the shes gone

続くHakubiは、リハーサルの時点で3曲も披露する大盤振る舞いだ。「やったるぞ!」と叫びライブナンバーの「辿る」を投下すると、「もうウォーミングアップは済んでるでしょ?」といわんばかりに息つく間もないライブを展開する。音割れギリギリを攻めるサウンドは、ひとりひとりに積もったコロナ禍でのストレスを解放していくかのよう。片桐の先導により突き上げられた幾多のこぶしは、快晴の空へと真っすぐ突き上げられた。ぶち上げナンバーで全力疾走するのかと思えば、儚く脆い一面を覗かせるのもHakubiの魅力。艶っぽい声で「Friday」を歌ったり、「在る日々」で言葉を降り積もらせたり。広い会場を端々まで見渡して、音に乗せて想いを届けていく。最後には、エネルギーが爆発する「mirror」を披露。「音楽であなたの心を強くできる。そう思ってステージに立ってる」と、言葉だけでなくパフォーマンスのすべてで伝えきった。

Hakubi

雨こそ降らないが、天気はあいにくの曇り。そんな空をスカッと突き抜ける音楽で晴らせたのが、reGretGirlだった。初っ端の「スプリング」から響く、解放感のあるボーカルとエモーショナルなギターソロが雲間を切り開くように抜けていく。MCでは舞台裏でドラマストアの海が「寒いのは俺のせいやわ」と話していたことを暴露。「俺らが(MCで)滑って寒くてもそのせい」と続け笑いを誘った。トークでフランクに寄り添ってくれる彼らは、もちろん音楽でも寄り添ってくれる。大してない商店街で起きた大した恋の歌を描いた「ロードイン」、“僕の知らない君を見せないで”という悲痛な叫びがこだまする「デイドリーム」を連投。誰にでも身近な“恋愛”を奏で、等身大な姿を見せる。とっておきの歌である「ホワイトアウト」「ブロッサム」を演奏しステージを去ったのだった。

reGretGirl

ドラマストアと共に時代を作る同世代のターンが終わり、ドラマストアへ続く道を作った先輩たちのターンへ突入。Base Ball Bearは、出だしの「すべては君のせいで」からステージングのすべてで先輩としての威厳を示す。暗くなってきた会場に映える照明を堂々と背負っていることはもちろん、過不足なくまとまった音像は彼らのキャリアを感じさせる。小出は「ロックバンドは、憧れの連鎖。ドラマストアが僕らに憧れたように、ドラマストアに憧れる人が出てきたら嬉しい。軽く先輩の背中を見せて帰ろうと思います」とサラッと宣言。そこからのセットリストが、これ以上ないくらいにズルかった。「short hair」や「The Cut」、「Stairway Generation」なんて、学生時代のドラマストアを突き刺す選曲でしかない。Base Ball Bearに憧れてくれた当時の彼らに敬意を示すように、自分たちのかっこいいを音楽で誇示。「BREEEEZE GIRL」でエバーグリーンなサウンドを鳴らし、特別な日に華を添えた。

Base Ball Bear

すっかり日も落ち、夜へと足を踏み入れた日比谷野外音楽堂。厳かなSEが響くなか現れたBIGMAMAは、情景に似合いすぎていて「彼らのために夜が来たのでは」と思わせるほど。“we are the special”と多幸感の鳴り響く「SPECIALS」を皮切りに、解放感のある音を描いていく。「A KITE」ではゲストボーカルとして海が登場し、BIGMAMAと共に堂々とした歌唱を披露。一体感のあるステージで、この日限りの美しいハーモニーを紡ぎあげた。「The Naked King 〜美しき我が人生を〜」では盛大なクラップが巻き起こり、「YESMAN」では雨のように降る言葉がすべてを包みこむ。フィナーレを彩ったのは、3月23日にリリースされる「Let it beat」だ。疾走感のあるサウンドとメロディーにより、オオトリのドラマストアへ軽やかにバトンタッチ。MCをほとんど挟まず、音楽で伝えたいことを語りつくし、先輩としての姿を示したのだった。

BIGMAMA

5組のバンドにより繋がれてきたバトンは、いよいよ主催のドラマストアへ。4年半ぶりの『DRAMA FESTA』に緊張していてもおかしくないものだが、リハーサルで「さむーい!」「寒い! もう無理!」と声をだして騒いでいることから察するに、寒さを除けば余裕な様子。「紫陽花が咲く頃」や「シティトークが終わらない」など懐かしいナンバーで楽しそうに音出しをする。本番を前に松本が「スタッフのみなさん、作戦Bで行きますので!」と告げると、流れるようにライブへ突入。ステージ上でSEを受け深々と礼をしたかと思うと、ドラムの合図をきっかけに「Stand by You」へと飛びこんだ。煌めきを詰めこんだサウンドとストーリーテラーなボーカルは、これぞドラマストアといったところ。その後も「世界はまだ僕を知らない」「可愛い子にはトゲがある?」「スイミー」と連投しい、寒さを蹴散らすように駆け抜けていく。

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「俺たちと一緒に音楽を作りましょう」と告げて繋がれたのは、ポップなサウンドに心が躍る「ガールズルール」。会場の至るところからクラップが溢れ、一体感が日比谷野外音楽堂を包みこむ。最後のサビでは観客席がライトで照らされ、メンバーがオーディエンスひとりひとりを見ようとしている姿が印象的だった。透き通る歌声が染みわたる「花風」、ドラマストアからファンへ誓いのように響く「グッバイ・ヒーロー」と想いを煮詰めた楽曲を披露。ラストナンバーを前に、海は「今日を迎えるにあたって、みんなに伝えたいようなこともいっぱいあって……」と切り出し、『DRAMA FESTA 2022』を開催するにあたり越えてきた毎日を振り返った。言葉を丁寧に選びながら仲間に感謝を伝える姿は、その日々がいかに平坦ではなかったかを物語る。最後は「knock you knock me」のハッピームードで満たし、本編を締めくくった。アンコールには、快活なリズムが背中を押してくれる「三月のマーチ」をチョイス。MCで話していた「自分たちが楽しいと思っていることをみんなに少しでも伝えたい」という想いを全身全霊で表現し、『DRAMA FESTA 2022』を結んだのだった。

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バンドに限らずだが、“アーティストが活動を続ける”というのは奇跡に近いことだ。すなわち、ドラマストアが4年半ぶりに『DRAMA FESTA』を開催できたのも、まったくもって当たり前なんかじゃない。「どうしようもないくらい寒かった」なんてエピソードも含めて、いつか『DRAMA FESTA 2022』は伝説になるのだろう。なにせ、このご時世にも関わらず、魅力的なバンドがこれだけ集結してしまったのだから。4月21日には新宿BLAZEにて『DRAMA FESTA EXTRA 感”無料"ワンマン』の開催も決定している。ストーリーテラーな彼らが次に紡ぐ物語を目撃しない理由はないだろう。

文=坂井彩花 撮影=佐藤広理

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