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戦闘マシンひとすじマギー・Q主演『マーベラス』! 殺しの師匠はサミュエル・L・ジャクソン、敵は狂気のマイケル・キートン

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戦闘マシンひとすじマギー・Q主演『マーベラス』! 殺しの師匠はサミュエル・L・ジャクソン、敵は狂気のマイケル・キートン

今度のマギー・Qは復讐に燃える凄腕暗殺者!

まずは『マーベラス』の製作陣に感謝の意を述べさせてください。マギー・Qが久々に殺人マシンを演じる映画を作っていただき、ありがとうございます!

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

マギー・Qといえば、2002年の主演作『レディ・ウェポン』で凄腕の殺し屋を演じて以来、『ドラゴン・スクワッド』(2005年)でコロンビア軍出身の傭兵、『M:i:III』(2006年)でエージェント、『ダイ・ハード4.0』(2007年)でテロリスト、『極秘指令 ドッグ×ドッグ』(2009年)では殺し屋、『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(2009年)では忍者の不知火舞、『プリースト』(2011年)ではヴァンパイア・ハンター、『ダイバージェント』シリーズ(2014年~)では未来の戦士、『Mr.&Mrs.フォックス』(2018年)の犯罪者、TVドラマでは主演作『NIKITA / ニキータ』(2010~2013年)でエージェント、主演作『STALKER : ストーカー犯罪特捜班』(2014~2015年)では刑事、『サバイバー: 宿命の大統領』(2016~2019年)ではFBIエージェントなど、出演作のほとんどで暗殺者、工作員、捜査官などを演じてきた戦闘マシンひとすじ20年のような御方。ちなみに、ここまで紹介してきた作品で演じた役はすべて職業の前に「凄腕」とつけるのが正しいです。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

そんなマギーQが、本作では復讐に燃える凄腕暗殺者を演じる。それだけでもゴキゲンなのに、殺しの師匠にサミュエル・L・ジャクソン、敵対する凄腕セキュリティにマイケル・キートンという奇跡のようなキャストが集結! 詳しくは後ほど説明しますが、本作のマイケル・キートンは彼のファンが観たらスクリーンに土下座して感謝し続けたくなるぐらいカッコいいです!

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

『007』や『イコライザー』を手がけたベテラン監督・脚本家が集結

監督は、『007/ゴールデンアイ』(1995年)、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)、『復讐捜査線』(2010年)、『ザ・フォーリナー/復讐者』(2017年)などの上質なアクション映画を作ってきたマーティン・キャンベル。そんなわけで、ちゃんとファンが求める景気の良いアクションをココぞ! という時に見せてくれるうえに、観客の予想をゴキゲンに裏切ってくれるスリリングな展開も用意されています。ちなみにマーティン・キャンベルは、主演のライアン・レイノルズに『デッドプール2』(2018年)の劇中で黒歴史にされてしまった『グリーン・ランタン』(2011年)の監督でもあります。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

脚本を担当したのは『メカニック』(2011年)、『エクスペンダブルズ2』(2012年)、『イコライザー』(2014年)、『イコライザー2』(2018年)など、アクション映画ファンにとっては必修科目のような作品ばかり書いてきたリチャード・ウェンク。今回、彼が書いた物語は、主人公のアンナ(マギー・Q)はベトナムで暮らしていた幼い頃、家族を殺され自分をさらった誘拐グループを皆殺しにした直後、現場に足を踏み入れた工作員ムーディ(サミュエル・L・ジャクソン)と出会う。アンナに殺し屋の才能を見出した彼は、彼女を連れて国外に脱出する――。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

ちなみに、このシーンで少女時代のアンナが使う銃はベレッタM93R。セミオートと、1回引き金を引くと弾丸を3発連射できる3点バーストに切り替えることができる、恐ろしい拳銃。『ロボコップ』(1987年)で主人公が使うSFガン、オート9は、この銃をベースに制作されたことで知られています。つまり本作では、幼い子供が3点バーストで鬼畜な誘拐グループを皆殺しにする、という凄まじいシーンを堪能することができます!

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

――時は流れて現代、成長したアンナはムーディと共に、ロンドンを拠点に世界的に暗躍するトップクラスの殺し屋コンビになっていた。が、ムーディが何者かに殺されてしまう……。怒りに燃えるアンナは1ミリも迷うことなく復讐を決意! そして彼女は憎きターゲットが潜んでいるベトナムに向かう。が、彼女が狙う相手は凄腕のセキュリティ、レンブラント(マイケル・キートン)に護衛されていた。かくして暗殺のプロ・アンナと護衛のプロ・レンブラントがお互いの知力/戦闘スキルをフル活用して戦う、というベストバウトを楽しめる物語になっています。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

ジャッキー・チェン仕込みのアクション! “仕置人”な殺人スタイルも披露

そんなアクション満載の物語なので劇中、どんなアクションが拝めるのかが気になりますよね。マーティン・キャンベル監督は『007/カジノ・ロワイヤル』などの過去作を観ると、ファイト・シーンではリアルで荒々しい格闘を好む御方。そのため本作のアクション・シーンも、VFXや細かいカット割り、プロのスタントマンの吹替を限界まで使わずに、俳優たちに自らアクションを演じさせています。

マギー・Qはモデル時代にジャッキー・チェンに見出されて、彼にアクションを仕込まれ、数々の作品で自らアクション・シーンを演じてきた輝かしい経歴のオーナー。マーティン・キャンベル監督が望むリアルで荒々しい、そして限界までスタントマンに頼らないアクションを自ら演じるには充分すぎる方です。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

そんなわけで本作では、世界トップクラスの殺し屋という設定に恥じないアクションを披露。銃撃戦ではH&K USPコンパクトやベレッタM92などを使用して確実に敵を射殺するだけでなく、その場にあるアイテムや地の利を活かして、武器や罠を瞬時に作ってしまう殺人マシンぶりも披露してくれます。

そして格闘シーンでは、キャンベル監督が望むリアルでアグレッシブな格闘スタイルの中に、香港アクションで培ったカンフーの華麗な足さばきも取り入れているのが見どころ。他には、相手を完全に油断させてからあっと言う間に処理する「ナメてた相手が殺人マシンでした」な展開もあります! さらにスマホや葉巻に仕込んだナイフで相手を処理する、という往年のスパイ映画や「必殺」シリーズの『必殺仕置人』(1973年)を思わせるような殺人スタイルも見せてくれますよ。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

理想の多重人格上司サミュL VS 狂気の倍返しマイケル・キートン!

また、サミュエル・L・ジャクソン演じる師匠ムーディがターゲットを処理するシーンでは、現在73歳のサミュエルの身体に無理をさせない……ということではなく、暗殺のプロだからこそできる省エネ殺法を披露。

本作での彼の魅力は、その演技力と存在感にあります。アンナにとってはハードな暗殺稼業の師匠でありながら、時には優しい父親のような存在でもあり、ツッコミどころ満載の親友でもある、という多重人格者のような役に説得力を与えることができるのは、この方しかいないでしょう! そんなサミュエルが演じるムーディは、理想の上司にランクインさせたいくらいのナイスガイ。あくまでも個人的な意見ですが、彼がマーベル・シネティック・ユニバースで演じるニック・フューリーよりも、ムーディのほうが理想の上司だと断言させてもらいます!

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

そして本作を観て最も驚嘆かつ感動したのは、マイケル・キートンがマイケル・キートン史上最もハードな格闘アクションにトライしたこと!『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)でアカデミー賞にノミネートされた以降も、『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)や『アメリカン・アサシン』(2017年)などのアクション映画に出演していますが、彼がこれほどギリギリまでスタントマンに頼らずに激しい格闘アクションを披露したことはなかったでしょう。

劇中、キートンの愛銃はシグ・ザウエルP226なんですが、彼のアクションのメインは格闘戦。護衛のプロという設定なので自ら戦いを挑むことはありません。しかし、襲いかかってきた敵に対して、キートンが真心と怒りを込めた倍返しをお見舞いして再起不能にするシーンはどれも必見! 先にも書いたように、本作の脚本家リチャード・ウェンクは『イコライザー』シリーズを書いた人なんですが、本作のキートンも『イコライザー』のように、その場にあるアイテムを瞬時に武器に使うエスプリの効いた戦闘スタイルを披露します。しかも、トドメの刺し方が全部エグいのも素晴らしい!

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

かつてティム・バートン監督は『バットマン』(1989年)を監督した際、「キートンの眼には狂気が宿っている」という理由で彼をバットマン役に起用しました。そんな彼の狂気を宿した眼が、本作のアクションシーンで存分に堪能できます! それでいてドラマシーンでは、ソフトで知的なムード溢れるキートンも楽しむことができます。そんなギャップを楽しめるキャラクターなので、このキャラのスピンオフを作ってほしいくなる。それくらい本作のマイケル・キートンは“マーベラス”です!

そして、本作におけるキートンの果敢なファイト・シーンを観たら、2022年公開予定の『バットガール』と現時点では2023年に公開されるらしい『ザ・フラッシュ』で、『バットマン リターンズ』(1992年)以来30年ぶりにバットマン役に復活するという彼が、どんな暴れっぷりを見せてくれるか期待が高まるはず!

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

他にも本作のロンドン、ルーマニア、ベトナムを股にかけた国際スケールあふれる作りや、敵対関係にも関わらず惹かれ合うアンナとレンブラントが見せる知的な会話や駆け引きなどが、マーティン・キャンベル監督が過去に撮った『007』シリーズを思わせるものがあります。それでいて『復讐捜査線』と『ザ・フォーリナー/復讐者』に似たテイストに仕上がっているという、どこを切ってもマーティン・キャンベルの味がする、実に“マーベラス”な作品です。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions Inc.

文:ギンティ小林

『マーベラス』は2022年7月1日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

Presented by REGENTS

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