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これから子供が産まれる「プレパパ」に知ってほしいこと

TBSラジオ

TBS Podcastにて毎週月曜配信「ベビーのいる生活~迷える子育て応援Podcast~」。今回は、パパに聴いてほしい、パパ向け講座を配信しました。

ゲストは、上智大学 総合人間科学部 看護学科 助教で助産師の光武智美さん。同じく、上智大学 総合人間科学部 看護学科 助手で助産師の近藤千惠さんです。

これまでいろんな座談会を配信してきました。その中で、番組として気になったことは、産後、ママとパパの、赤ちゃんのお世話についての知識量が全然違ってしまっている。情報格差が大きい。という点がありました。

オムツの変え方、寝かし方、母乳・ミルクのあげ方…。いろんな情報がママに集中し、パパはなかなか情報を得られない。そういうこともあって、産後まもないママが、パパに教えながら育児をしていくことになり、ストレスも溜まって…と、なんだかうまくいかないサイクルになってしまったり。やる気があったはずのパパが、途中のどこかで、置いてきぼりになってしまったり。頑張っているパパ同士が交流できる場がなかったり。もっと男性向けの支援というのも必要じゃないか?という問題が見えてきました。

その一環として、パパにも知ってほしい情報を配信しました。

産後ママのメンタル変化はホルモンの影響

光武:産後のママはよく精神的に不安定というのを聞いたことがあると思います。でも性格が変わったわけではない。 妊娠前の状態にホルモンが戻る過程で起きるもの。ホルモンの変化のせいです。産後2週間くらいまでは著しいので、「ママ大丈夫かな?」と心配になるかもしれないけれど、大体6~8週間で落ち着いてくるという目安があります。ママが不安だったり休息が取れなかったりすると、 精神的な不安定が助長されてしまうので、周囲の支援が必要になってきます。

川島:ホルモンの影響で、今まで穏やかな性格だった人が、突然激しくなったり…、そういう変化があるんですね。

光武:イライラしたり、涙もろくなったり。中には赤ちゃんの世話が大変だな、苦痛だなと思ってしまうママもいます。

川島:それがホルモンの影響だってことを頭に入れておいた方がいいですね。

光武:パパとしては、ママが赤ちゃんの世話に集中できる生活環境を整えてあげてほしいなと思います。できれば、家事をママ以外の人に分担できる環境。家族間で役割調整をすること。それから、あまり周囲がママを不安にさせないこと。パパはその辺を、しっかりサポートできるんじゃないかと思います。

川島:夫婦2人で子育てっていうと、2人で赤ちゃんの面倒を見る…と思ってしまいそうだけど、そうじゃなくてママが赤ちゃんのことに集中できるような環境作りを、パパが心掛けるというやり方があるってことですね。

光武:はい。特に産後は授乳回数が多いので、パパが赤ちゃんを抱っこしてママを休めてあげるとか、 赤ちゃんの授乳に備える環境を整えてもらえるといいのかなと思います。

川島:なるほど。実際にこういう変化が…という体験談を周りから聞いたことはありましたでしょうか?

光武:精神的な不安定があるのはわかっていながらも、パパが赤ちゃんのお世話をしようとした時に「赤ちゃんに触らないで!」みたいな状況にもなって、パパが悲しかったっていう話も。決してパパが悪いわけでもなく、ママの産後の生理的な変化であって、こんなもんなんだと思っていただけるといいですね。

赤ちゃんの生活リズム、睡眠リズムとは

光武:赤ちゃんの睡眠のパターンを知っておくのが大事になると思います。

近藤:大人は昼間起きて夜寝るリズムですが、生まれたばかりの赤ちゃんは1~3時間おきに寝て、授乳して、また寝て…の繰り返し。昼と夜の区別がなくて夜も頻繁に起きます。ママも同じように2、3時間で起きて授乳する必要がありますので、2・3か月までは、ママも赤ちゃんのペースに合わせて夜も起きる代わりに、昼間に赤ちゃんが寝てくれたら、ママも身体を横にして休めるのが理想的です。それをパパにも知っておいていただきたいなと思います。

川島:家族で、同じように考えを持っておいた方がいいってことですね。

母乳育児の中でパパができること

川島:よく「僕は母乳はあげられないから」というパパの気持ちを聞いたり、無力感を抱いてしまうなんていう話も聞いたりするんですけれども。

光武:母乳育児は、ママの健康上の理由であげられない方とか、体質で出にくい方がいらっしゃるという前提のお話なんですけども。例えば、夜の授乳に備えてママに昼間休息を取ってもらうとか、パパがちょっと早く帰ってきて少しママを休ませて、 夜の授乳に備えるとか。ママが母乳育児に専念できるような環境を整えてあげるのがパパの母乳育児の役割かなと思います。

川島:その時間を、ママと赤ちゃんが過ごしやすいような環境作りをしていくってことなんですね。ところで、そもそも母乳が出る仕組みって、どうなっているんでしょうか?

光武:お産の後に胎盤が出てくるんですけど、そうすると、母乳を作るホルモンがどんどん出てきて、作られてきます。あとは赤ちゃんの求めに応じてしっかり吸わせる。そうすると、母乳はどんどん出てくる仕組みになっています。

川島:体の神秘と言いますか、 赤ちゃんが吸えば吸うほど母乳も出てくるような仕組みになっているっていうことですよね。

近藤:そうですね。産後は自然におっぱい出るイメージを持っている方が多いんですけど、そうではなく、赤ちゃんが吸う刺激でだんだん出る量が増えます。あと、赤ちゃんも最初は胃が小さいので、1回に飲める量が少ない分、頻繁に飲む。けれど、だんだん1回に飲める量も増えてきて、3ヶ月ぐらいになってくると、だんだんと昼間起きて夜眠るリズムに近づいてきます。最初の頻繁な授乳生活が1年間続くわけじゃないんだよ!っていうところも事前に知っておいていただけると、サポートのグラデーションをつけられるんじゃないかなと思いますね。

川島:生まれてすぐのお子さんは、大体の目安で、1日どれぐらい授乳をして、どれぐらいの時間かけて飲むものなのでしょうか。

光武:生後1ヶ月ぐらいまでは、1日に10回前後。多いと12、3回とか。それで1回は20~30分くらいはかかるという目安を持っていてもらえるといいと思います。かなり個人差はありますが。

川島:30分を1日10回…。すごい時間になりますよね。

光武:それを周りが見て、なんかすごく度々あげていて、「母乳が足りないんじゃないか」と思ってしまうかもしれませんが、そうではなくて、 赤ちゃんが飲みたい回数飲んでいるので、まずはママと赤ちゃんに任せて見守ってくださると助かるかなと思います。

近藤:私自身は最初、自分の夫に言っていたのは、「最初の1年間は、私も母乳育児をしたいし、子どもの求めに応じる役割が、お母さんが担う部分が多い。でも1歳になって歩けるようになって外遊びするようになったら、そこからがお父さんの出番だよ」って!だから、最初から肩に力入って、お父さんも赤ちゃんの何か自分がしないとっていう部分よりも、育児はその後ずっと続くものですので、お父さんが活躍できる時期とか場面っていうのはあるよっていうのも、与えておくのもいいのかなと思いますね。

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