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まぶしい青春、GRe4N BOYZの名曲とともに綴るストレートプレイ~舞台『それってキセキ』稽古場レポート

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舞台『それってキセキ』稽古場より

幅広い世代の青春を彩る名曲を数多く生み出してきた4人組男性ボーカルユニット「GRe4N BOYZ」。彼らのグループ結成からメジャーデビューまでの物語を、GRe4N BOYZの楽曲とともに綴る新たなストレートプレイが誕生した。2025年7月31日(木)、東京・シアター1010にて上演が始まる、舞台『それってキセキ』。開幕を目前に控えた稽古場で行われた衣裳付き通し稽古の模様をレポートする。

稽古場に到着すると、キャスト陣はすでに衣裳を身に着けて準備万端。階段状のセットに点在し、立ち位置の確認や入念なセリフ練習を行っている。HIDE(澤田英鷹)役の北川尚弥のもとに、自然と集まってくるnavi(大森学人)役・藤本洸大と92 (金城国茂)役・丸山龍星、SOH(松尾奏太)役・佐藤 匠。真剣に掛け合い部分の確認をしていたかと思えば、すぐに何やら楽しげな笑い声が上がり始めた。彼らが身に着ける衣裳は、それぞれのメンバーカラーが基調になっている。

全員が歯科医師として働きながら、顔も名前も公表せずに活動を続けているGRe4N BOYZ。そんな彼らのグループ誕生ストーリーを、ノンフィクション作家・小松成美が独自取材した内容を原案として舞台化したのが本作『それってキセキ』だ。タイトルはもちろん、代表曲の一つである彼らの名曲に由来している。

「開演5分前です!」のアナウンスがされた瞬間、心地よい緊張感が張り詰めた。本作の脚本・演出を手掛ける菅野臣太朗をはじめとするスタッフ陣が最終確認を終え、いよいよ衣裳付き通し稽古がスタート。とあるライブ会場からストーリーが始まる。グループ名を「グリーン」から「GRe4N BOYZ」へ変えたこと、新たな出発に向けた決意表明をする場面だ。ユーモアに溢れ、それでいてユニークな4人の言葉は、彼らが歌う歌詞のように瞬く間に心へ染み入る。

物語の舞台は過去へ遡る。HIDEが予備校時代に出会ったnaviと運命的な再会をし、92とSOHをボーカルグループへ誘い、やがて4人で曲を作って歌い始める——多くの人がよく知るGRe4N BOYZの成り立ちだが、丁寧な描写と厚みのあるストーリーに仕立てられており、新しい彼らと出会ったような心地に。セリフの端々からリアリティーが滲み出し、本作がGRe4N BOYZへの直接取材により形作られたことを実感する。

ドキュメンタリーのようでありながら、音楽好きな青年たちの青春物語という印象が強い。北川、藤本、丸山、佐藤が表現する学生時代の4人の姿があまりにもまぶしく、カタルシスを生み出していくからだ。仲間同士ならではの軽妙なやりとりや絶妙な間合いには、スタッフや待機中のキャストから笑い声が漏れる場面も。出ハケのタイミングについて声を掛け合い、休憩中に集まって談笑する姿は自然と劇中に描かれた4人の距離感に重なる。

劇中には、GRe4N BOYZの楽曲が使用されたライブシーンも。グループのターニングポイントとなった楽曲や誰もが口ずさめるナンバーを中心とした7シーンが散りばめられている。イントロが流れた瞬間、「あの曲がこのシーンで来るのか!」とワクワクは最高潮に。大勢のキャストが登場し、ダンスや手拍子で客席を煽るライブ会場さながらのステージとなる。本番では客席にも降り立って会場全体を盛り上げてくれるらしく、該当シーンではスクリーンに歌詞が表示されるとのこと。ペンライトやサイリウムを振りながら楽しみたいところだ。

歯学部に進学を決めたバッググラウンド、学業優先のスタンス、思いがけなく舞い込んだメジャーデビューの話、前代未聞の顔出しをしない宣伝方針……ノンフィクション小説を1ページずつ丁寧にめくっていくような演劇体験を与えてくれるだろう。日本の音楽シーンに多大なインパクトを与えたGRe4N BOYZの物語を描くストレートプレイを、ぜひ劇場で見届けてほしい。

取材・文・撮影=潮田茗

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