【千葉・銚子電鉄】ローカル線で行く、海町グルメ旅
◆【千葉・銚子電鉄】ローカル線で行く、海町グルメ旅
大正時代から何度も危機を乗り越えて、今日もトコトコ走る銚子電鉄。車窓から望む緑のトンネル、どこまでも広がる春から初夏にかけてのキャベツ畑、レンガ調の無人駅…。わずか4㎞の間に絵本のような風景が次々と現れる。沿線には?油工場の見学や、海の幸が味わえる飲食店など、途中下車して立ち寄りたくなる、素敵なスポットがいっぱい！
遠くからレールの振動音が聞こえてくると、やがて緑のトンネルからたった2両のかわいい車両が現れる。どこか知らない場所へ運んでくれそうなワクワクとともに、銚子電鉄の旅に出発！
ユニークな発想とファンサで、乗客を惹きつける「銚子鉄道」
1923（大正12）年創業の銚子電鉄は、何度も経営難に陥り、その度にぬれ煎餅や枕木などを販売し復活。2023年には100周年を迎えた。ホームに立っていると、客同士に自然と会話が生まれ、運転士さんの撮影まで始まり、なんだかドラマの中に入ったみたい。「貧乏なりにファンに満足してもらいたいと、密度の濃い時間を社員みんなが心掛けています」と広報の鈴木一成さん。目的地と銚電ワールドへのトリップ、2倍楽しめるローカル線だ。
左上／2023年3月には廃車となる予定の「金太郎ホーム大正ロマン電車」 左下／テレビの企画でリフォームした本銚子駅はレトロかわいい雰囲気にファン多数 右上／運転士の袖山里穂（左）さんと車掌の馬上玲美さん 右下／犬吠駅売店で人気のぬれ煎餅1袋500円
沿線散歩を楽しむなら、まず銚子電鉄の起点となる銚子駅やその隣の仲ノ町駅界隈へ。当時から続く醤油メーカーの工場や大豆の発酵調味料「ひ志お」を受け継ぐお店などが点在し、2駅間は徒歩10分程度なので、散策がてら歩いてみるのもおすすめ。旅のゴールは犬吠駅へ。駅から徒歩10分程度で、真っ青な海と純白の建物とのコントラストが美しい犬吠埼灯台や、絶景カフェなども有する犬吠テラステラスなど、春のお出かけにぴったりのスポットに出会える。
電車DATA
●運行区間 銚子駅～外川駅、全10駅
●所要時間・料金 約20分、350円（銚子駅～外川駅）
●アクセス 東京駅より特急しおさいで約1時間55分（銚子駅まで）
●問い合わせ先 銚子電鉄本社℡0479-22-0316
◆銚子電鉄、途中下車の旅1＿古くから続く醤油の町・銚子＆仲ノ町駅を散歩
左上／売店では特選丸大豆しょうゆ272円のほか、うまみが通常の約1.5倍というソヤノワール799円、オリジナルボールペン275円などを販売 左下／巨大な桶が並ぶ仕込蔵 右上／売店でおみやげを 右下／しょうゆソフト300円
【仲ノ町駅】醤油のすごさを五感で学ぶ工場見学
銚子は江戸時代から続く醤油の名醸地。1645（正保2）年から銚子で醤油を作り続けるヤマサ醤油もそのひとつ。東京ドーム約4個分の広さを誇る工場では、毎日約40万リットルが製造される。麹室や仕込蔵を回りながら醤油の製造工程が見学できるツアーでは、想像以上の手間や、醤油の香り・うまみの奥深さに驚かされるはず。
SPOT DATA
ヤマサ醤油工場見学センター（ヤマサしょうゆこうじょうけんがくセンター）
住所／千葉県銚子市北小川町2570
営業時間／8:20～17:00 売店9:00～16:00
工場見学／9:00～、10:00～、11:00～、13:00～、14:00～、15:00～（要予約）
定休日／土・日・祝。ほか夏季・年末年始休あり
アクセス／銚子電鉄仲ノ町駅より徒歩3分
左／いちばん人気のベーコンチーズバーガー2090円。ジュワッとあふれる肉汁とベーコンの薫香、チーズのコクがマッチ 右上／アメリカのローカルダイナーのような雰囲気 右下／ガソリンスタンドの休憩室をリノベーション
【銚子駅】粗挽きパティのバーガーに大満足
アメリカ好きなオーナーが経営するバーガーショップ。15種類以上揃うハンバーガーは、赤身多めの特注粗挽きパティが自慢。焼いているときから香りが食欲を刺激し、ボリューミーなのにぺろりと食べられてしまう。テイクアウトして利根川を眺めながら食べても。
SPOT DATA
Around the Corner(アラウンド ザ コーナー）
TEL.0479-21-5858
住所／千葉県銚子市中央町1-12
営業時間／11:00～17:00（16:00LO） 土・日・祝～18:00（17:30LO）
定休日／火
アクセス／銚子電鉄銚子駅より徒歩10分
左上／ひ志お200g700円ほか、ひ志おの液体部分である源醤1200円などのオリジナル調味料が揃う 左下／店内には前掛けや明治の往来の様子など古い資料も展示 右上／趣ある日本家屋が銚子山十 右下／3代目の室井房治さん
【銚子駅】江戸時代から続く「食べる醤油」をおみやげに
江戸時代から醤油蔵の賄いに作られ、銚子のおみやげとしても愛されてきた「ひ志お」を昔ながらの方法で製造。見た目は味噌、味は醤油に近く、大豆の食感もしっかり。豆腐やごはんにのせたり、クリームチーズとあえておつまみにしたりと幅広く使える。
SPOT DATA
銚子山十（ちょうしやまじゅう）
TEL.0479-22-0403
住所／千葉県銚子市中央町18-3
営業時間／10:00～18:00
定休日／日
アクセス／銚子電鉄銚子駅より徒歩9分
◆銚子電鉄、途中下車の旅2＿終点「犬吠駅」で絶景と海グルメを味わう
犬吠埼灯台に隣接する君ヶ浜は海と灯台を同時に見られるおすすめスポット
【犬吠駅】2024年に点灯150周年を迎える犬吠埼灯台へ
1874（明治7）年に点灯して以来、150年間銚子の海を見守り続けている灯台のひとつで、頂部からは大海原と関東平野を望む。灯台とともに2020年に重要文化財に登録された敷地内の霧笛舎には、灯台の初代のレンズや霧笛音響装置を展示。レトロな雰囲気が好きな人はこちらもぜひ立ち寄って。
SPOT DATA
犬吠埼灯台（いぬぼうさきとうだい）
TEL.0479-25-8239
住所／千葉県銚子市犬吠埼9576
開館時間／3～9月8:00～17:00（16:30最終入館） ゴールデンウィーク・8／10～19は～17:30（17:00最終入館） 10～2月8:30～16:00（15:30最終入館）
定休日／無休（荒天時ほか都合により休館あり）
参観寄付金／300円（現金のみ）
アクセス／銚子電鉄犬吠駅より徒歩7分
左上／回転寿司でいただける銚子名物の伊達巻340円 左下／犬吠駅の目の前なので、電車の待ち時間に気軽に立ち寄れる 右上／テーブル席と座敷席がある広い店内 右下／人気のしまたけ定食
【犬吠駅】ボリューム満点の地魚料理を堪能
元・魚屋さんが営む地魚料理と回転寿司の店で、買い付けも店主みずからが行う。料理屋のほうでは、近海キンメダイやタイなど旬の魚を中心に使った定食や丼を提供。看板メニューのしまたけ定食2860円は、刺身3種、キンメダイの煮付け、魚の唐揚げと、メインが3つもありょうな大盤振る舞い！
SPOT DATA
島武水産（しまたけすいさん）
TEL.0479-22-2862
住所／千葉県銚子市犬吠埼10248-1
営業時間／11:00～14:30（14:00LO） 土・日・祝～18:00（17:00LO）
定休日／火（祝の場合翌休）
アクセス／銚子電鉄犬吠駅よりすぐ
左／2Fのハンモックベンチで絶景を見ながらリラックス 右上／1Fのアンドドットでは、タルト生地と甘酸っぱいイチゴが好相性のべリベリー780円を 右下／2023年に登場した犬吠埼灯台の置物1800円～
【犬吠駅】センス抜群のカフェ＆ショップ。海を望むテラスでのんびり
犬吠埼灯台の隣にある複合施設。遠方からファンも訪れるタルトが人気のコーヒーショップや、銚子と全国の選りすぐりアイテムが揃うマーケット、地元の農産物が並ぶマルシェなどがあり、半日でも楽しめる。2階の展望テラスでは、館内で買ったパンやコーヒーを持って水平線を眺める贅沢なひとときを。
SHOP DATA
犬吠テラステラス（いぬぼうテラステラス）
TEL.0120-25-1240
住所／千葉県銚子市犬吠埼9575-2
営業時間／10:00～18:00 10～2月～17:00
定休日／無休
アクセス／銚子電鉄犬吠駅より徒歩7分