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こだわりの鴨ラーメンを看板に、リニューアルした「鴨とささ樹」の挑戦。

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こだわりの鴨ラーメンを看板に、リニューアルした「鴨とささ樹」の挑戦。

カフェのような雰囲気の店内で、丁寧につくられたラーメンが楽しめる人気店「SHINASOBA 颯々樹(しなそばささき)」が、「鴨とささ樹(かもとささき)」として和風イメージでリニューアルオープンしました。どのような思いでリニューアルをしたのか、再び佐々木さんを訪ねて、いろいろとお話を聞いてきました。

鴨とささ樹

佐々木 大樹 Daiki Sasaki

1982年新発田市生まれ。コンビニエンスストア、バーで働いた後、様々なラーメン店で経験を積み、2017年に独立して「SHINASOBA 颯々樹」をオープン。2025年には「鴨とささ樹」としてリニューアルオープンする。映画鑑賞が好きで、イチ推し映画は「シザーハンズ」。

鴨ラーメン誕生を機に、リニューアル。

——前回の取材ではお世話になりました。どうしてリニューアルしたのか知りたくて、また取材に来ちゃいましたよ(笑)

佐々木さん:ありがとうございます(笑)。実はかなり前から「店の顔」というべき看板ラーメンをつくりたいと思い続けていたんです。リニューアル前の「SHINASOBA 颯々樹」ではいろいろなラーメンをつくっていましたが、「このラーメンを食べるために、この店に足を運ぶ」と言ってもらえるようなメニューが欲しかったんですよ。

——それが鴨を使ったラーメンだったんですね。

佐々木さん:子どもの頃に、親戚の家でご馳走になった鴨鍋がヒントになりました。

——鴨鍋、そんなに美味しかったんですか。

佐々木さん:いえ、鴨肉が固くて、あんまり美味しくなかったんです(笑)。世の中には僕以外にも、鴨肉に対して「固くて美味しくない」というイメージを持っている方が少なくないと思うので、僕のラーメンでそれを変えていけたらと思いました。

——メニューを絞ることに対して、不安はなかったんでしょうか?

佐々木さん:鴨肉が苦手という方にも喜んで食べてもらえるラーメンにしようと、むしろ闘志が湧いたんじゃないでしょうか(笑)。いろいろなラーメンをつくるよりも、ひとつのラーメンを極めようと集中することができるので、やりやすくなったし楽しいですね。

——鴨ラーメンをはじめるタイミングで、お店もリニューアルしたんですね。

佐々木さん:どうせメニューを変えるんだったら、それに合わせたイメージにしちゃおうってことで、リニューアルオープンすることにしました。「SHINASOBA 颯々樹」はカフェをイメージしていたので、それと差別化するために料亭や割烹をイメージにしたんです。

鴨ラーメンに隠された、こだわりの数々。

——鴨を使ったラーメンって、つくるのは難しいんでしょうか?

佐々木さん:難しいですね。鴨肉を調理する際も、温度が高いと固くなってしまうので、しっとり仕上げるために火加減にはとても気を使うんです。鴨肉の脂にうま味があるので、それを生かすように心掛けています。

——鴨肉以外の食材にもこだわっているんですか?

佐々木さん:鴨肉と相性のいいネギとゴボウを具材に使っています。新潟県産やわ肌ネギは鴨脂を塗ってから七輪を使って炭火で焼いていますし、ゴボウはしっかりアク抜きをしてから、鴨チャーシューをつくった醤油ダレで柔らかく煮込んでいるんです。すべてに手間をかけて調理していますね。

——細かく手間がかかっていますねぇ(笑)。スープも手間がかかっているんでしょうね。

佐々木さん:国産の鴨と県産のやわ肌ネギを水だけで炊き上げて、福岡にある醸造所の生成り醤油と合わせています。何種類もの醤油を試しましたけど、この醤油でしか、思い描いた味が出せませんでした。鴨だしと醤油のバランスも難しくて何度も試行錯誤しましたが、醤油を抑えるとどこにでもあるラーメンになっちゃうから、若干しょっぱく感じるくらい醤油を強くしてバランスを取っています。

——いただいてみると、確かに醤油の存在感を強く感じますね。麺は以前と同じものを使っているんですか?

佐々木さん:以前はつるつるした舌触りの麺を使っていたんですけど、リニューアル後はスープと絡みやすいようにザラザラした麺に変えました。時間が経つと麺がスープを吸って柔らかくなっていくので、食べはじめと食べ終わりで違った麺を楽しむことができるんです。製麺所さんに無理を言って、苦労の末に完成したものなので、ぜひ味わっていただきたいですね。

価格に見合う味やサービスを提供していきたい。

——ひとつひとつに手間がかけられていて、こだわりが伝わってきます。

佐々木さん:手間をかけて美味しいラーメンを提供しなければ、お代はいただけないですからね。その手間が価格にも反映されているんです。

——ラーメンメニューの価格はすべて1,000円以上ですね。

佐々木さん:ラーメン店がなかなか超えることのできない、「1,000円の壁」を超えたかったんです。お客様に美味しいラーメンを召し上がっていただけるよう、ラーメン店は常に勉強していますし、手間をかけてつくっているんですよ。でも、それに見合った代金がいただけなくて、ずっと悔しい思いをしてきました。

——なるほど。

佐々木さん:それが原因で閉店せざるをえないラーメン店もあるし、若い人がラーメン店をやりたがらないということになれば、ラーメン業界にとってのマイナスになってしまうと思うんです。どこかがやらなければと思うので、リニューアルを機に思い切って価格を見直しました。

——お客さんの反応はいかがでしょう?

佐々木さん:価格に抵抗を感じるお客様も多いので、納得していただくためにも価格に見合ったラーメンの提供はもちろん、接客サービスにも力を入れていかなければと思っています。

——そこのところを、もう少し詳しく教えてください。

佐々木さん:旅館や料亭のみたいな非日常的な空間を演出して、家で食事するのとは違った外食ならではの楽しさを感じていただきたいんです。そのためにも、割烹並みのホスピタリティを心がけていきたいと思っています。

——リニューアルに対する思いやこだわりを、いろいろと聞くことができました。最後に、今後やっていきたいことがあったら教えてください。

佐々木さん:鴨鍋でお酒を楽しんだ後に〆でラーメンを召し上がっていただくような、夜営業に力を入れていきたいですね。新潟で鴨ラーメンといえば「鴨とささ樹」と言われるようになりたいです(笑)

鴨とささ樹

新潟市東区新松崎2-3-5

025-384-4995

11:00-15:00/17:30-21:00

火曜休

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