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eスポーツとは違う「バーチャルスポーツ」とは?オンライン五輪実現か

SPAIA

イメージ画像ⒸTORWAISTUDIO/Shutterstock.com

コロナ禍で市場拡大、2025年までに目標設定

体を動かしながらオンライン形式で競う「バーチャル(仮想)スポーツ」をご存じだろうか―。

アスリートが実際に体を動かしたパフォーマンスを「仮想空間」に反映させて競うもので、自転車や陸上、トライアスロンなどで既に国際大会が開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大で社会の仕組みが大きく変わる中で若者を中心に市場も拡大。「新たなスポーツの形」として注目されている。

国際オリンピック委員会(IOC)は2月15日、2025年をめどに達成を目指す五輪改革の新たな指針として15項目の提言を発表し、若い世代がよりスポーツや五輪の価値に興味を持ってもらえるよう、将来の五輪プログラムに「仮想スポーツ」の追加を検討することを明記した。IOC理事会が3月の総会に提案し、承認を諮るが、「ポスト東京五輪」を見据えた画期的な動きといえるだろう。

IOC「eスポーツ」はパリ五輪採用見送り

オンラインでのスポーツと言えば「eスポーツ」が有名だが、これはエレクトロニック・スポーツの略。パソコンや家庭用ゲーム機を使ってゲームの腕を争う競技で、格闘技やサッカーなど種目は幅広い。

欧米や韓国で広まり、日本でも億単位を稼ぐプロの選手やチームが生まれている。国民体育大会では文化プログラムとして全国都道府県対抗eスポーツ選手権が開かれた。

IOCは当初、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」の五輪実施検討に着手したが、ビデオゲームをスポーツとして扱うことへの異論も相次ぎ、2019年に世界保健機関(WHO)がオンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新たな依存症として認定したことで方向性を修正。「スーパーマリオ」など一般的なビデオゲームと、より競技性の高い仮想スポーツの違いを強調した。

専門家は「仮想世界でリアルなフィジカルスポーツを行うのがニューノーマルになりつつある」と指摘。「eスポーツ」は2018年ジャカルタ・アジア大会で公開競技として実施されたが、2024年パリ五輪での採用は見送られている。

IOCバッハ会長も五輪競技に強い関心

2020年にコロナ禍で初開催となったツール・ド・フランスのバーチャルレース「バーチャル・ツール・ド・フランス」は、身体運動を伴う新たな仮想スポーツとして世界各国で関心を集めた。

IOCのバッハ会長も自転車での大会成功を歓迎した上で、この分野に強い関心を示しており「現実社会のスポーツにかなり近いところもある。一歩先に進めることができるかもしれない」と指摘。ビデオゲームとの比較では「暴力や差別的なテーマのゲームは五輪の価値に相反するが、仮想現実(VR)の世界を体現して身体活動を伴うゲームになれば、五輪運動とスポーツにもっと近づく」との見解を示している。

IOCは経費削減や男女平等を目指す40項目の提言「五輪アジェンダ2020」を2014年に承認し、88%を達成した。今回の五輪改革案は「アジェンダ2020+5」と題して、2025年までに達成を目指す新たな15項目を公表した形だ。新たな提言には「持続可能な五輪の推進」や「アスリートの権利と責任の強化」も入った。

ウイルスと共存、近い将来に五輪競技入りも

IOCは「仮想スポーツ」の発展が五輪の独自性や若者の関心を促すと期待しており、近い将来に伝統的な五輪競技に加えて参入してくる可能性に踏み込んでいる。新型コロナ禍でウイルスとスポーツの共存というテーマが新たな課題に浮き上がった背景もあるだろう。

2024年パリ五輪の実施競技はブレイクダンスが加わることが決定した。東京五輪はサーフィンやスケートボード、スポーツクライミングが加わる。近年のIOCの狙いは若者人気、都市型、男女平等の3つの条件をビジネス的にも最低限クリアしていることで、スポーツエンターテインメント色を濃く感じるものが採用される傾向にある。

若者のスポーツ離れを食い止め、揺れる五輪ブランドの低下にどう対応していくのか―。生身の人間同士で競い合うスポーツだけでなく、オンラインを通じた新たな「仮想スポーツ」が五輪に入る時代がすぐそこまで来ているのかもしれない。

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記事:田村崇仁

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