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犬の睾丸が異常に大きくなっている時の危険な病気3選

わんちゃんホンポ

1.精巣腫瘍

「精巣腫瘍(しゅよう)」は精巣に腫瘍ができて肥大化する病気で、10歳以上の高齢な犬に多く見られます。去勢手術を受けていないオス犬において、精巣腫瘍は2番目に多く見られる腫瘍と言われています。精巣腫瘍は腫瘍の発生部分で、

✔セルトリ細胞腫
✔精上皮腫
✔間質細胞腫

の3つに分類されます。

精巣腫瘍の治療方法

精巣腫瘍は手術で摘出する治療が第一に選択されます。精巣の腫瘍の場合は転移する確率は低いのですが、摘出手術を受ければ完治することがほとんどです。

しかし、悪性だと判明した場合は放射線治療や抗がん剤治療が必要な場合もあります。その腫瘍がセルトリ細胞腫または精上皮腫の場合、約10%の確率で多臓器への転移が見られることがあります。転移がある場合にはその部分も切除することも考えます。

停留精巣と関係が深い

犬の睾丸(タマタマ)は産まれたときにはまだお腹の中にあり、生後1か月頃に定位置に下りてきます。下りてくる時期には個体差がありますが、生後半年を過ぎても降りてこない場合は「停留精巣」を疑います。

睾丸の2つとも下りてこないこともあれば、片方だけ下りてこないこともあります。この停留睾丸である犬は、正常に睾丸が下りてきた犬に比べると精巣腫瘍を発症するリスクが高いと言われています。

2.精巣炎・精巣上体炎

「精巣炎」や「精巣上体炎」は精巣や精巣上体に炎症が起こることです。急性の炎症の場合、陰嚢(タマタマの袋)や中の睾丸などに強い腫れや熱感、痛みが症状として現れます。

通常は陰嚢と睾丸(精巣)は"袋と中身"ですので、タマタマを触ると内容物が動くような感覚があります。しかし、急性の炎症が起こると腫れによって中身が硬くなり動く感覚がなくなります。

精巣炎や精巣上体炎の原因

精巣炎や精巣上体炎の原因は傷や泌尿器などからの細菌感染です。細菌は血液に乗って移動してしまうため、隣接する精巣炎と精巣上体炎、前立腺炎を併発することがあります。

生殖や妊娠に悪影響が出る「ブルセラ菌」

炎症を起こす原因菌にはたくさんの種類がありますが、心配なのが「ブルセラ菌」の感染による炎症です。ブルセラ菌は犬の生殖障害の原因になる菌で、オスの場合は精子の形成異常や無精子症、メスの場合も胎児が亡くなってしまったり早産や流産の原因になったりする恐ろしい菌です。そして、人間にも感染する人獣共通感染症であることにも注意が必要です。

炎症が複数部位に併発することも

犬の場合、精巣で作られた精子は一時的に精巣上体に貯蔵され、時が来ると精管を通って体内に輸送されていくというシステムになっています。この精巣と精巣上体は細い管で繋がって密着しているため、どちらかに炎症が起きるともう片方にも炎症が起こることが少なくありません。

精巣炎や精巣上体炎の治療

✔腫れ
✔強い痛み
✔陰嚢の中身が硬い

という症状が出ていると、第一に急性の精巣炎や精巣上体炎が疑われ、超音波検査や針生検が行われて断定されます。治療は抗生物質によるものですが、細菌の種類によって効果的な抗生物質の種類を選択する必要があります。

そのため、針生検によって採取されたものや前立腺液から細菌を培養して何の細菌なのかを特定します。その特定がなされるまでは、泌尿器感染症に効果的な抗生物質を使うこともあります。

そして、強い痛みや腫れを軽減させるために非ステロイド系の抗炎症薬や鎮痛剤が処方されることもあります。

これらの薬による治療にあまり効果が見られない場合、外科的手術で精巣の摘出(去勢手術)が選択されることもあります。

3.精巣捻転

精巣(睾丸)は袋である陰嚢に固定されていないので、中でねじれてしまう「精巣捻転」を起こすことがあります。精巣捻転は、精巣とお腹を繋ぐ精索という部位がねじれてしまうことです。精索がねじれてしまうと付随する血管もねじれて塞がり、血液の流れが悪くなるため精巣が壊死してしまう恐れがあります。

壊死したままでさらに悪化すると化膿し、増殖した細菌が全身を巡って敗血症となり、最悪の場合には命を落とす危険があります。

精巣捻転の治療

睾丸に腫れや痛み、硬さなどが確認されると腫瘍や炎症が疑われるのですが、手術によって摘出してみると精巣捻転であったことが確認されたというケースも多くあります。捻転による壊死に気付かず時間が経ち敗血症まで悪化してしまうと、摘出手術後も予断を許さない状態です。

まとめ

見ているようで意外と見ていないかもしれない、愛犬のタマタマ。去勢手術を受けていないわんちゃんの場合、生殖器にまつわる病気のリスクに備えておく必要があります。

中でも睾丸(タマタマ)の病気は異常に腫れ上がったり強い痛みが出たりすることも多いので、日頃から睾丸に異常がないかをチェックしておくと早期発見に繋がります。特に停留精巣の子は病気のリスクが高いため、お腹をなでるときなどの毎日のスキンシップの中でタマタマのチェックを習慣づけると安心です。


(獣医師監修:平松育子)

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