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湘南暮らしのリアル|鎌倉に移住したマリナさんが語る「住んではじめてわかったこと」

湘南人

コロナ禍をきっかけに東京から鎌倉へ移住したマリナさん一家。夫婦と小学1年生、1歳のお子さんの4人家族です。2024年4月に完成したばかりの新居は、まだ新築の木の香りが漂う、自然光が心地よい空間。

マリナさんに淹れてもらったコーヒーをいただきながら、移住のきっかけや、実際に暮らしてみてわかった鎌倉のリアルについて話を聞きました。

マリナさんのプロフィール

画像出典:マリナさん

居住エリア
鎌倉市 西御門

家族構成
夫婦+子ども2人(小1、1歳)

移住前の居住地
東京都渋谷区恵比寿

移住時期
2020年12月

住まい
注文住宅(2024年4月完成)

趣味
コーヒーの焙煎

移住のきっかけ|「このままだときっと後悔する」と感じた

大学卒業後、政府系の金融機関に就職し、約10年間勤めてきたマリナさん。ご主人は編集関連の仕事で渋谷に勤務しており、結婚後は通勤時間を重視して恵比寿で暮らしていました。

共働きだったからこその都心での暮らし。第一子出産後に育休から復帰しましたが、仕事と育児の両立に追われる日々の中で、少しずつ余裕がなくなっていったといいます。金融業界でこの先キャリアアップしていく自分の姿が思い描けなかったことに加え、日々の生活の中で「幸せを感じる時間」が持てなくなっていたことも、大きな理由でした。

「このまま続けていたら、きっと後悔する」。そう感じたことが、働き方や暮らし方を見つめ直すきっかけになったと、マリナさんは当時を振り返ります。

ライフチェンジ|コロナ禍で東京を離れるという決断

2020年8月に退職し、家計の状況も変わったことから引っ越しを検討。ご主人の実家がある横浜方面で探すなか、「なんとなくで選んだ」のが鎌倉だったのだとか。

兵庫県出身のマリナさん、実は学生時代から京都に住みたいというが憧れがありましたが、かなわなかったんだそう。「鎌倉は京都に似ているんじゃないかと思ったから」と笑います。

コロナ禍でリモートワークが広がり、湘南エリアへの移住希望者が急増していた時期。物件がほとんど出ない中で、東京通勤を考慮し、まずは駅近の賃貸マンションに住むことを選びました。

ターニングポイント|賃貸を経て見つけた鎌倉らしい土地

購入も検討していましたが、不動産会社から「一度賃貸を挟んだ方がいい」と勧められたこともあり、まずは駅近の御成エリアで暮らしながら土地探しをスタート。都心からの移住者の中には、湿気やカビ、思っていたより田舎だったという理由で“帰ってしまう人”も多いと聞き、納得しながら慎重に検討を重ねました。

1年半ほど経った頃、現在住んでいる西御門の土地に出会います。谷戸に囲まれた静かな住宅街で、学校も多い文教地区。鎌倉らしさを感じられる環境に惹かれ、迷わず決断しました。

家づくりの選択|詰め込まず、プロに委ねるという判断

家づくりは初めてで分からないことばかりだったため、設計はプロに任せようと考えたマリナさん。住宅の機能面については「正直、無知だった」と言い、だからこそ施主の希望を詰め込みすぎたアンバランスな家にはしたくなかったそう。

「災害時でも在宅避難ができるような高性能住宅」という希望はありましたが、部分的なこだわりを並べるのではなく全体性を大切にしながら「設計者自身が住みたい家を設計してもらう」ことを、家づくりの要望として伝えていったといいます。
「総2階が一番コスパがいい」など、感覚ではなく理屈から考えていく提案も多く、そのプロセス自体がおもしろかったと振り返ります。

画像出典:マリナさん

細かな部分では、耐久性能やメンテナンス性を考慮し外壁は焼杉を使用。玄関は当初希望していた引き戸から、気密・断熱性を優先してドアに変更。実際の暮らしを想像しながら選択を重ねていきました。

画像出典:マリナさん

図面上の美しさだけでなく、「実際にどう暮らすか」を大切にする考え方も、家づくりの軸にありました。
とくに水回りについては、マリナさん自身が日々の動線や使い勝手を相談しながら、細かな部分までデザイナーさんと一つひとつ考えていったといいます。

住宅の性能を最優先にしながらも、最終的には鎌倉らしい和の要素に北欧テイストを掛け合わせた、温かみのある住まいに仕上がりました。心地よさだけでなく、さりげないおしゃれさも感じられる空間で、窓の位置や大きさにも工夫が凝らされ、自然光がやわらかく室内に入るよう計算されています。

画像出典:マリナさん

理屈だけで終わらず、日常の感覚や家族の暮らし方に寄り添ってもらえたことが、「結果的にとても居心地のいい家になった理由」だと、マリナさんは話してくれました。

画像出典:マリナさん

人とのつながり|鎌倉で広がった子育ての輪

鎌倉での暮らしの中で、何よりありがたかったのが人との出会い。
長男が通っていた長谷幼稚園では、母親同士のサークル活動が盛んで、イベントを一緒に企画するうちに自然と仲良くなれたといいます。「何かを一緒にやると、人は仲良くなれる」。子どもの成長過程を共有できる友人がいることが、今も大きな支えになっています。

暮らしのリアル|不便さも含めて鎌倉

御成は海から近いため塩害を覚悟していましたが、実際には現在の西御門でも自転車は錆びるそう。
買い物は鎌倉駅近くのスーパーまで徒歩20分ほどかかるため、コープ(生協宅配)を活用。週末は「今日は大船まで行こう」と、買い物自体をイベントとして楽しんでいます。
「正直、不便。でもその不便さがいいんです」とマリナさん。移住前は京都のようなイメージを抱いていましたが、想像以上に田舎だったと笑います。それでも今では、その素朴さにホッとするのだとか。

画像出典:マリナさん

取材中、携帯の電波が通じなくなる場面がありました。「鎌倉あるあるだよね」と、マリナさんは笑います。山に囲まれた谷戸のエリアでは、場所によって電波が弱くなることもあるのだそう。そんな小さな不便さも含めて、今ではすっかり日常の一部です。

心の変化|もうあの生活には戻れない

「東京にいた頃は、自覚がなかったけれど、常に交感神経が優位でピリピリしていたと思う」と話すマリナさん。鎌倉で暮らすようになり、心と体の緊張が自然とほどけていったそうです。「もうあの生活には戻れないですね」と笑顔で語る姿が印象的でした。

マリナさんの一番お気に入りの場所を尋ねると、北鎌倉にある「たからの庭」と即答してくれました。御成に住んでいた頃は、寿福寺から北鎌倉へ抜ける山道が、子どもと一緒によく歩いたお気に入りのお散歩コースだったそうです。「鎌倉といえば海のイメージが強いけれど、私は山も好きなんです」と話してくれました。

【鎌倉 遊びスポットレポ】たからの庭 - 浄智寺谷戸の秘密基地谷戸の緑に囲まれています鎌倉市山ノ内に【たからの庭】という施設があります。JR北鎌倉駅から鎌倉方面に7分ほど歩くと鎌倉五山に数えられる禅寺の浄智寺に着きます。浄智寺脇の木に囲まれた気持ちいい小道を歩いて行くとこのような入口が見えてきます。門をくぐって奥に進んでいくといよいよたからの庭に到着します。この古民家は築80年だそうです。古民家の周りには庭が広がっており、小さな畑や煙突、井戸なども見えます。庭にはテーブルと椅子が置かれていて食事を楽しんだり休憩することができます。昭和15年に現在のたからの庭・...

湘南人

これからの楽しみ|コーヒーと、これからの暮らし

画像出典:マリナさん

取材中、マリナさんは手動のミルで豆を挽き、丁寧にコーヒーを淹れてくれました。学生時代にスターバックスでアルバイトをしていたことをきっかけに、コーヒーへの興味が深まり、今では自宅で焙煎を楽しむのが日常になっているそうです。

「自分の手で淹れる時間が好きなんです」と話すマリナさん。暮らしの中に静かな時間を持ち、毎日なにかひとつでも目の前のことに意識的に取り組んでみる。そのスタンスが、今の暮らしにもよく表れているようでした。

まとめ|効率より、余白のある暮らしを選ぶということ

鎌倉での暮らしは、決して便利なことばかりではありません。湿気や塩害、買い物の距離、谷戸では携帯の電波が通じづらいこともある。夜になると街灯が少なく、思っていた以上に暗いと感じることもあります。それでもマリナさんは、そうした不便さを「鎌倉あるある」と笑って受け止めています。

画像出典:マリナさん

東京で暮らしていた頃は、気づかないうちに常に気を張り、効率やスピードを優先する毎日だったそうです。鎌倉に移り住んでからは、山を歩き、自然の光や暗さをそのまま感じながら、丁寧にコーヒーを淹れる時間が日常になりました。「もうあの生活には戻れない」と語る言葉には、実感がこもっています。

効率よりも心地よさを大切にする暮らし。完璧ではないけれど、自分たちにとってちょうどいい日常。マリナさん一家の鎌倉ライフは、湘南・鎌倉移住の先にある、そんな豊かさを教えてくれました。

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