【川崎市宮前区】宮前区役所食堂の再開を 区市議団が要望書
宮前区選出の川崎市議会議員団が8月25日、今年4月から休業している区役所内の「レストランみやまえ」の再開等を求める要望書を市に提出した。要望書は、多くの職員が再開を望んでいるアンケート結果や意見交換、現場視察の内容を反映。5人の市議会議員が代表して池之上健一総務企画局長に手渡した。
現在、食堂事業を行っているのは宮前区(休業中)と多摩区だけとなっている。要望書では「多くの区役所周辺には、食堂に代わる代替施設があるが、宮前区役所周辺には飲食ができる施設が少ない」と指摘。この日要望書を届けた、工藤礼子市議と高戸友子市議は、キッチンカーや弁当販売の活用を提案。池之上局長は「レストランスペースを活用したいという声もある。課題解決に向けて総合的に検討していきたい」と応じた。
レストランみやまえは、1982年の区役所開庁と同時に営業を始めた。職員に対する福利厚生事業の一環として、市職員厚生会が管理主体となり委託業者が運営。長年にわたり職員や来庁者に親しまれてきた。
しかし、国の方針に基づき、2010年度から食堂業者に対する家賃免除と、既存設備の無償貸与以外の市からの支援が廃止に。これ以降、新たな設備費や修繕費は運営業者が負担する形へと転換された。追い打ちをかけるようにコロナ禍による利用者の減少や物価高騰、設備の老朽化などによりレストラン経営は悪化。7度の価格改定も実らず、休業を余儀なくされた。
「望む」が8割
宮前区役所は今年6月下旬、職員251人を対象にレストランの営業再開に関するアンケートを実施し、回答者の81%が再開を望んでいるという結果が示された。さらに、宮前区全町内・自治会連合会をはじめとする区民からの再開を望む声を受け、区選出議員団は8月8日に、関係部署との意見交換と厨房の視察などを行い、課題を共有した。
発案者の矢沢孝雄市議は「区役所職員の福利厚生の視点だけでなく、多方面から求められている食堂が機能していない現状は一日も早く解決すべき。早急な検討と具体的な取り組みに期待したい」と述べた。