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【今の年収では将来不安】年収アップのため転職ベストタイミングはいつ?

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相次ぐ物価上昇や税金や保険料など負担上昇のニュース。今の年収で将来やっていけるのか? と不安を覚え始めている人も少なくないようです。マイナビ転職の「転職満足度調査」を見ると、女性の転職者の「転職を始めた理由」の1位は給与に関する項目でした。

とはいえ、もし転職で年収アップを狙うのだとしたら、どんなタイミングで動くべきなのでしょうか。少しでも早く今の年収を脱するために、今すぐ転職活動に踏み切るというのも一つの選択肢ですが、もう少しスキルや経験などキャリアを積んでからの方が「高く評価」され、最終的な生涯賃金という観点ではプラスになるというケースもあります。

また、転職タイミングの話で欠かせないのが、ライフステージの視点。30代、40代、50代と移行していく間、就業時間中はずっと仕事優先でいられるのであれば、年収アップへのアクションも比較的いつでも取りやすいですが、子育てや介護などにより、なんらかの勤務上の制限が発生する時期が来そうなのであれば、それまでにある程度環境を整えておいた方がいいという見方もあります。

それらの要素を踏まえると、年収アップのための転職に適した時期というのはいつになるのか。キャリア・コンサルタントの林碧さんに、年代別の評価傾向や留意すべきポイントをおうかがいしました。自身のキャリアプランを考える際に、ぜひ参考にしてみてください。

キャリア・コンサルタント

林 碧(はやし みどり)
株式会社キャリアイズ 代表取締役社長、国家資格キャリアコンサルタント・キャリアコンサルティング技能士2級、両立支援コーディネーター。 企業人事経験および個別相談対応経験を活かし就職・転職の相談からライフキャリアビジョン構築、育児・傷病など個別事情との両立まで、幅広い相談に対応。通算4000件以上の個別面談実績、年100件以上の研修登壇実績を保有。特に若年層のキャリア形成支援を得意とし、大学での登壇実績が豊富である他、企業向けの育成者研修や若手定着支援、人材コンサルティングも実施。日経Xwomanアンバサダー。小学生・保育園児の2児の母。


•年収アップには年代だけでなく経験や活躍への期待も影響する
•20代後半~30代前半:「成長期待」と「経験」のバランスが市場で高評価を得やすい時期
•30代前半~半ば:「ライフステージ」とのバランスを求めての転職も増える
•20代前半・40代:「経験」・「成長期待」の評価が転職成否に影響します
•「何を求めての転職か」を整理することが重要です

年収アップには年代だけでなく経験や活躍への期待も影響する生きていくにあたって、収入は大切な要素のひとつ。できれば収入をアップさせたいと考える方は多くいらっしゃるかもしれません。

一方で転職は人生の大きな転機となりますし、転職したい気持ちはあるけれども本当に成功するのかどうか不安になり、決断できないというケースも多くあるでしょう。結論をお話しすると、年収アップはこの年代であれば確実に実現できる、というものではありません。

20代後半~30代での転職で年収アップが実現したという結果がデータ上は多くなるものの、20代前半や40代で年収アップにつながったという方がいらっしゃることも同一データから読み取ることができます。一方で30代の転職であっても年収が上がらなかったケースも多くあり、この年代だから必ず年収が上がる、と短絡的に結論づけられるものではないことがわかってきます。

転職時に年収が上がる方は、端的にいうならば転職市場での市場価値が高い方です。仕事の遂行能力の評価と今後の成長、活躍の期待値によって転職者の魅力度は評価され、転職のしやすさや提示年収にも影響します。これらは年齢だけで評価されているわけではなく、その仕事において期待される業務内容に見合った経験があるのか、今後の成長期待はどう考えられるかという観点から結論づけられる部分も大きいです。

そのため、自身の状況を客観的に評価することにより、転職による年収アップを期待できるのか考えやすくなるでしょう。

20代後半~30代前半:「成長期待」と「経験」のバランスが市場で高評価を得やすい時期20代後半~30代前半に年収アップでの転職をされる方が多いのは、「今後の成長期待」と「保有経験」のバランスがちょうど良いと評価される時期であるためといえるでしょう。社会に出て一定の期間が経ち、職務実績もあるため、即戦力として期待される時期だというのがひとつの理由です。

同業であれば職能をそのまま活かしていただくことの期待も可能ですし、異業種・異職種であっても何らかの経験を応用可能だと想定できれば、企業側は高く評価するでしょう。また、柔軟な適応力が期待できる時期でもあるため、これまでのやり方に囚われることなく新しい環境に適応し、活躍してくれるのではないかとの期待も持てます。

加えてこの時期の転職は、転職者側も今後のキャリアの方向性を踏まえスキルアップや更なる成長を求めるケースが多く、ライフステージ上も家庭を持つ前という方が多いことも相まって、複合的に仕事に専念しやすい=成長期待が高く持てる、との評価につながりやすいです。これらの要素から、年収アップでの転職が実現するケースが多くなるのです。

30代前半~半ば:「ライフステージ」とのバランスを求めての転職も増えるこの時期での転職については、転職者側の転職に対するニーズが多様化する印象があります。結婚・子育てなどライフステージの変化がある中で、年収アップを求めての転職ばかりではなく、働きやすさを求めての転職を検討するケースも多くあります。自分が何を求めて転職をしたいのか、転職者側もしっかり整理をしておくと良いかもしれません。

20代後半~30代前半に引き続き、キャリアアップを求めての転職も多い時期です。家庭を持った、子供を持った等のライフステージ上の理由から、年収アップをしたい、役職を上げたい、などの意図で転職を検討するケースも多くあります。

先ほどの30代半ばまでと同様、「成長期待」と「保有経験」のバランスという意味でも評価を受けやすい世代であるため、意欲や「保有経験」をしっかり伝えていくことで大幅な収入アップも期待ができるでしょう。

一方で、評価においてもライフステージの影響を大きく受ける時期です。仕事に集中できる環境があるのか、家族の協力度合いはどうか、勤務上の制約があるかという部分については、企業側も気にしています。制約が大きい場合は、その分選択肢や年収に影響が出ると捉えておく方が妥当でしょう。

また、この時期の転職においては年収を上げることだけが転職者の幸せであるとは言い切れません。働き続けるための選択として他の要素を求めて転職を検討する場合も多く見受けられます。ライフキャリアにおいて今はどういう時期にあたるのか、長期的な視点で検討した上で、仕事に求めるものを整理することが重要です。

特に子育てなどの変化が理由の場合は、その瞬間のみならず5年後10年後も見据えた際、どのような選択をすることがキャリア形成上有益なのか、自身の価値観やライフスタイルも踏まえて検討することにより、ご自身が納得できる転職につながります。

20代前半・40代:「経験」・「成長期待」の評価が転職成否に影響します20代前半での転職の場合、社会人としての経験不足から即戦力としての期待値が下がってしまうことや、本人の中での方向性が定まっていないように見えるため、早期離職の懸念も残ることから、総じて年収アップを期待しての転職は難しい傾向にあります。

一方で、キャリアの方向性の再設定を目的として異業種・異職種への転職をしたいというケースにおいては、年代特有の柔軟性の高さが評価され、転職が実現するケースも多いです。何を目的とした転職かによっても、この時期の転職の満足度は変わってくるといえるでしょう。

40代以上の転職の場合は、「経験」をどれだけ評価されるかが重要となってきます。「成長期待」という意味での評価を得ることは難しくなり、「期待するポストで求める職能」を保有しているかという部分に評価の焦点が移ってきます。

年収アップの転職が可能か否かも、これまでの経験を市場がどう評価するか次第といえるかもしれません。また、役職が上がるほどポストは減っていくことから、レンジが上がるほど転職市場における競争は厳しくなるという点は頭に入れておく必要があるでしょう。

「何を求めての転職か」を整理することが重要ですこのようにライフステージの変化も踏まえた際、年収アップを期待しての転職において比較的有利であるのは20代後半~30代前半といえます。

一方で「経験内容」や「ライフステージにおける状況」、「転職において求めているもの」によっても、転職しやすさや年収アップの可能性はまちまちであるといえるでしょう。ご自身が何を求めて転職したいと考えているのか整理した上で、転職活動に踏み切るかどうかを決断するのが大切です。

また、転職は大きな転機であり、家庭環境などへの影響は大きくなります。ライフステージの変化が大きな理由となる転職検討の際は、ぜひ家庭内でコミュニケーションを取った上で意思決定をするといいでしょう。

例えば年収アップを期待しての転職の場合、転職後、仕事への高いコミットメントを期待されるケースも多いです。逆に働きやすい環境を求めての転職の場合も、収入の変化が家庭不和につながるケースもあります。個人として、家庭として、何を求めて転職するかまで検討することで、その転職が納得度の高いものになるかどうかは変わっていくかと思います。

文・マイナビ転職編集部

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