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自然体の自分でいられる、月岡温泉街の「CAFE ALMA」。

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自然体の自分でいられる、月岡温泉街の「CAFE ALMA」。

月岡温泉街に昨年末オープンした「CAFE ALMA」。4人の子育てをしながら、看護師として働いていた渡邉さんが、心機一転「好きなことをやってみよう」とはじめたお店です。店内は8席。テーブル同士の距離が近いからか、お客さんが互いに挨拶したり、おしゃべりしたり、自然と賑やかになるのだそう。そんな明るい雰囲気を作り上げている渡邉さんに、キャリアチェンジしたきっかけやオープン前の心境など、いろいろとお話を聞いてきました。

CAFE ALMA

渡邉 ちひろ Chihiro Watanabe

1990年新発田市生まれ。専門学校を卒業後、看護師として働く。2024年12月26日、最強開運日に「CAFE ALMA」をオープン。フランスのインテリアや文化が大好き。店内の照明は、100年ほど前に作られたフランス製。

悔いのない一生を。ぼんやり思い描いていた願望を実現。

――渡邉さんは、看護師さんからカフェオーナーになれたんですね。転身のきっかけはなんでしょう?

渡邉さん:5年ほど前から「いつかカフェをやりたいな」と思っていたんです。そういう願望を持っている方ってきっと多いでしょうし、私も「ぼんやりそう思っていた」という程度でした。それが数年前に、知人が若くして急逝してしまって。人生について深く考えさせられたんです。そのことがあって、夫とも「お互い好きなことをして、悔いなく過ごそうね」と話し合っていました。

――そうでしたか……。

渡邉さん:看護師という仕事柄、患者さんが亡くなる場面には度々遭遇してきました。でも距離感が近くて「まだまだこれから」という方が亡くなる衝撃は、今までにないくらい大きかったんです。ご家族や恋人は、どんな気持ちだったのだろうかと考えると、もう……。

――仕事を辞めることにためらいはなかったんでしょうか?

渡邉さん:ちょうどキリがよかったというのもあるんです。先生がご高齢で、勤務先のクリニックが解散して。思いかけず無職になりました。「これはカフェをはじめろってことだな」って、勝手にそう思ったんですよ。

――月岡でカフェをオープンしたのには、何か理由があったんですか?

渡邉さん:私、4人のママで、営業の合間に焼き菓子を作るような余裕がなかなか持てなくて。自宅から通いやすい場所なので、月岡温泉街を選びました。

――それで営業時間が、11:00~15:00なんですね。

渡邉さん:ついついお客さまとおしゃべりしちゃって、閉店時間が遅くなることもあるんですけどね(笑)

フランス文化が散りばめられた店内。

――「CAFE ALMA」さんのメニューを教えてください。

渡邉さん:コーヒー、カフェオレ、紅茶などのドリンクと、手作りスイーツを3~4種類ご用意しています。看板メニューのガトー・ナンテは、休日によく作っていたお菓子で、フランス南部の郷土菓子で、たっぷりのアーモンドパウダーとラム酒を使用した大人の味です。食事メニューはないんですが、「ナポリタンを作って欲しい」「トーストが食べたい」って、お客さまからリクエストをいただくんですよ。トーストは、新メニューにいいかもしれませんね。

――渡邉さんはフランスがお好きだとか。その気持ちは、お店のテイストにも反映されているんですか?

渡邉さん:コツコツ集めたフランスのインテリアを使用したり、装飾にフランスっぽさを取り入れたりしています。白い建物にしたいという理想は叶いましたけど、建材が高騰していたりなんだりで、だんだんこじんまりした店舗になっちゃいました。でも結果的には、ちょうどいい感じだなって気に入っています。

シンプルな自分でいられる場所。

――思い描いていた「カフェをやりたい」って願望がかたちになっていくときって、どんな気持ちでしたか?

渡邉さん:オープン前は「誰も来てくれないんじゃないかな」って不安でした。飲食業の経験もなければ、他の方よりおいしいものが作れるわけでもありません。自分には「何もない感」があって。でも、ある起業塾で出会った方から「お客さんはあなたに会いに来るんだから、それでいいじゃない」って言われて、すごく気持ちが楽になったんですよね。

――「今のままで大丈夫」って思えたんですね。

渡邉さん:その言葉をかけてもらう前は、パティシエさんが作るスイーツを見て絶望してたんです。「私には無理だ」って。でも開き直って、「手作りには手作りの味があるよね」って、自信が持てるようになりました。

――オープンされてからはどうだったんですか?

渡邉さん:観光でお越しの方が多いだろうから、「お客さまとは、きっと一期一会の出会いになるだろうな」って思っていたんです。でも意外とそうでもなくて。リピート率は、かなり高いと思います。いつも「ありがとう~。また来てくれたんだ」って、ドア越しにお客さまをお迎えするんです。毎日、そうしている気がします。

――渡邉さんに会いたくて、足を運ぶお客さんも多いんしょうね。

渡邉さん:ここには謎の「挨拶タイム」があるんですよ。お客さまが入店されると、「こんにちは」って、お客さま同士が挨拶し合って、なんとなく笑いが起きるっていう。どうして「挨拶タイム」が生まれたのか、私にもわからないんですけどね。お隣の席同士、いつの間にか仲良くなっていることもあるんです。まるでバーみたい(笑)。不思議ですよね。

――店内がいい雰囲気なんですね、きっと。

渡邉さん:私自身が、お店を楽しんでいるんでしょうね。経営者としては「よくないぞ」とわかっていても、ついつい女の子たちが話しているとサービスしちゃうんです。「帰らないで。もうちょっとのんびりしていってね」って思っちゃって。でも、聞き耳は立てていませんから安心してください(笑)

――最後に、どんなお店にしたいと思っているか、改めて教えてください。

渡邉さん:「欧州カフェ紀行」という好きな本に、「母でもなく、妻でもなく、会社員でもなく、シンプルな自分で休息する」みたいなフレーズが書かれているんです。それを読んで、「私がやりたいことってこれだ」って、ピンときて。フランスのテラス席でお客さんがボーっとくつろいでいる、あの様子を理想にしています。ここでは、空っぽの状態で、心からくつろげる時間を過ごしてもらいたいなと思っています。

CAFE ALMA

新発田市月岡温泉552-51

営業時間/11:00~15:00

定休日/木曜日

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