「エルメス」が撤退する池袋で始まる「ヨドバシ」と「ビックカメラ」の覇権争い【いづも巳之助の一株コラム】
さあ、どうなる?ビックカメラ池袋本店。「エルメス」の西武池袋本店の撤退の話は、これはこれで大変なニュースだが、今回はヨドバシ対ビックカメラの話。なぜヨドバシがビックカメラ本店のある池袋に進出するのか?それはビックカメラ池袋本店の売上や利益がヨドバシ進出で減収・減益すれば、今後のヨドバシの圧倒的天下が確約されるからだ。既に西武池袋の土地建物は、ヨドバシのモノ。まさに非上場だからできるトップスピードの買収だった。知らぬ間に今年秋以降には、なんと4万平米程度のヨドバシが出店することに。
こんなのが出てきたら、ビックカメラもたまったものではないな。交通利便性も店舗のワンストップの便利さ加減も、ヨドバシに軍配が上がったらどうなる?ビックカメラ池袋本店の売上が10%影響しただけで、メディアの推定で池袋各店合計売上が、1200億円ぐらいの売上だから、ええと120億円はやられる計算だ。うわっ、大きいな。営業利益も4〜5億円やられるだろうなあ。それ以上に本店がパワーダウンする影響は、もっとでてくる。
もともとヨドバシは、デカい店舗を一発ドーンと作るのが得意で、更にECが売上シェア3割もあり、ビックカメラの2倍近く差が開いている。OMOや即日配送もできるので、完全に店舗と一体化している所が、これもまた進化途中のビックカメラにはこたえるなと。
最近、ビックカメラの決算はインバウンドの増加やパソコン、スマホで絶好調だ。しかし、いよいよ始まる池袋の戦いは、価格対決が不可避だから、やっぱり株の購入は慎重にならざるを得ないや。そして秋葉原から池袋に電気街がスライドしちゃうのかな。それじゃ「エルメス」に逃げられたのは、やっぱり当然といえば、当然の話だが。
▶︎巳之助メーター 1ニョロ 素通り
池袋に一大電気街が登場し、両社儲かれば面白いが、そうならないのが世の常だ。
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)
■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前から分散投資を手がけ、まもなく保有株式評価額1億円。流通株を得意としている。たまに神社仏閣への祈祷、お祓い、占い、風水などスピリチュアルな方法で、売買を決定する時がある。