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2022年に入りアニサキス中毒事故が増加中 原因はイワシの豊漁?

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アニサキス(提供:PhotoAC)

毎年夏頃からその名前がニュースを賑わせる寄生虫「アニサキス」ですが、今年はなぜか春先から発症例が増えています。

今年に入り頻発するアニサキス中毒

我が国で最もよく名前を知られている寄生虫と言えばアニサキス。これが寄生した魚介類を生で喫食し、生きたまま体内に入ってしまうと発生するのが「アニサキス症」です。

消化管の壁にアニサキスが穴を開けることでアレルギーになり、胃に千枚通しを刺されたような強烈な痛みが起こることから非常に恐れられています。アニサキスは醤油やわさびをつけても死なず、胃酸の中でも数日生きることができるので、発症してしまうと基本的には外科的処置でアニサキスを除去しないといけなくなります。

サケに寄生していたアニサキス(提供:PhotoAC)

今年に入り、全国でアニサキス症の発生事例が頻発しており、関係者の注目を集めています。特に鳥取ではすでに9件の事故が確認されており、これは例年より遥かに速いペースだそうです。

原因は「イワシの豊漁」?

本年度のアニサキス症発生例の中で目立つのが「イワシの刺身が原因となっている」もの。アニサキス症の発生の増減には、水揚げ時期や海水温などいろいろな要因があるといわれているのですが、今年はそこに「イワシの豊漁」というファクターが関連しているという説があります。

イワシの刺身は美味しいけれど……(提供:PhotoAC)

鳥取県では今年、大型のマイワシが非常に豊漁となっています。この時期のイワシは入梅鰯と呼ばれ、非常に脂が乗っており生食用としての人気が高いです。

そのため結果的に、イワシが原因のアニサキス中毒事故が多くなっているものとみられるのです。

意外と幅広い「アニサキスの中間宿主」

これは筆者の個人的な意見ですが、イワシでのアニサキス中毒事故が多くなっているのは「イワシにアニサキスが寄生しているとあまり知られてない」ことも理由のひとつのように思います。

あまり魚や寄生虫に詳しくない方に話を聞くと「アニサキスと言えばサバ」という思い込みはまだまだ強いように感じます。実際のところ、アニサキスはサバのほか、アジ、カツオ、イワシ、サケ、タラ、イカなど幅広い魚介に寄生することが知られています。

どんな魚でもリスクはゼロではない(提供:PhotoAC)

アニサキスはオキアミの体内で孵化し、イワシやサバなどのオキアミを食べる魚、更にそれを食べるカツオやタラ、イカなどの魚介類たちを中間宿主として、最終的にはその魚を食べる海獣類を終宿主とします。そのためオキアミを食べる魚、ならびにその魚を食べる魚介はいずれもアニサキスが寄生している可能性があります。

筆者はかつて、水深1000mから釣り上げたタラ類の魚の腹腔内でアニサキスを確認し、驚かされたことがあります。どのような魚でも、生食する際はアニサキスがいる可能性を考え、切り分けたときに目視確認を行うよう習慣づけておけば、リスクをある程度下げることが可能となるでしょう。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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