【休業中のお金・簡単まるわかり】パパの育休制度 種類・日数・給料はどうなる?[社労士が回答]
─働くママの声─
現在、私は出産前の産休中です。
これから生まれてくる我が子との時間を大切にするために、パパも初めて育休を取ろうとしています。
男性の育児休業について、教えてください。
正社員で働いているママだけでなく、派遣や契約、パート、アルバイトなど、どんな形態でも家庭と仕事の両立は大変。そこには問題や困りごとが生じます。社会保険労務士であり、行政書士でもある小西道代先生が、ママたちが持つ仕事周りの疑問や働き方に関する悩みに回答。第21回は、パパの育児休業制度について解説します。
男性が利用できる育児休業制度は3種類
パパが利用できる育児休業制度は次の3種類で、それぞれ取得できるタイミングや期間が違います。
男性が利用できる育児休業制度
① 産後パパ育休
② 育児休業
③ パパ・ママ育休プラス
① 産後パパ育休
・正式名は「出生時育児休業」。
・子どもの出生後、8週間以内に4週間(28日間)を限度として、2回に分けて休業できる。
② 育児休業
・1歳未満の子どもひとりにつき、分割して2回まで取得できる。
・保育園への入所ができないといった特別な事情がある場合は、最長2歳になるまで延長が認められる。
③ パパ・ママ育休プラス
・育児休業を、子どもが1歳2ヵ月になるまで延長できる制度。
・子どもが1歳になるまでに、配偶者が育休を取得していることが取得の条件。
・両親のうち、あとから育休を取得したほうが、パパ・ママ育休プラスを利用できる(下図参照)。
①の産後パパ育休は、休業開始の2週間前までに会社に申請すれば利用ができます。②の育児休業と③のパパ・ママ育休プラスは、休業開始の1ヵ月前までに会社に申請が必要でしょう。
また、①産後パパ育休は、会社と合意した条件で休業中も仕事ができますが、②育児休業と③パパ・ママ育休プラスは、原則として仕事はできません。
休業中のルールを破った場合は、育児休業給付金(後述)の返還を求められるばかりか、免除されている社会保険料も納めることになるので注意しましょう。
育児休業制度は、種類によって取得できるタイミングや日数等が違います。それぞれの条件を把握して、パートナーと協力して子育てをしていってください。
─働くママの声への回答─
男性が利用できる育児休業制度は、①産後パパ育休、②育児休業、③パパ・ママ育休プラスの3種類がある。
それぞれ取得できるタイミングや日数などが違う。
育児休業中の給料はどうなる?
育児休業中は、雇用保険から次のような給付金が支給されます。
育児休業中における雇用保険からの給付金
(A)「出生時育児給付金」
産後パパ育休中の給付金。
休業開始時賃金日額×休業期間の日数×67%
(B)「出生後休業支援給付金」
出生後の一定期間に、父親・母親そろってそれぞれ14日以上の育児休業を取得した場合のみ、「出生時育児休業給付金」または「育児休業給付金」と併せて、最大28日間支給される給付金。
休業開始時賃金日額×休業期間の日数×13%
(C)「育児休業給付金」
育児休業中とパパ・ママ育休プラス中の給付金。
180日まで→休業開始時賃金日額×休業期間の日数×67%
181日以降→休業開始時賃金日額×休業期間の日数×50%
※雇用保険に未加入だったり、育休開始前の2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月に満たなかったりすると、支給対象外になることがあります。
(A)「出生時育児給付金」の最大支給額は、休業開始時賃金日額(上限額16,110円)×28日×67%=302,223円です。
(B)「出生後休業支援給付金」の最大支給額は、休業開始時賃金日額(上限額16,110円)×休業期間の日数(28日が上限)×13%なので、58,640円です。
(C)「育児休業給付金」は、180日までは(産後パパ育休を取得した場合はその日数を引く)、休業開始時賃金日額(上限額16,110円)×休業期間の日数×67%が支給額。181日以降は、休業開始時賃金日額(上限額16,110円)×支給日数×50%になります。
育児休業中は、(A)「出生児育児給付金」と(B)「出生後休業支援給付金」で、休業前賃金の最大80%が支給される仕組みですが、育休中は社会保険料が免除されるため、その分を合わせると「手取りで10割相当」の金額になります。
パートナーとともに育休を取っても、生活に不安を感じることはほとんどないでしょう。どうかこの時期にしか経験できない子どもとの時間を、制度を上手に利用しながらふたりで楽しんでください。
※休業開始時賃金日額の上限額は、2026年6月現在の額です。