出張の荷物を減らすパッキング術をスタイリストが紹介 1泊でも2泊でも「服は着ていく分のみ」に
宿泊を伴う出張、荷物はなるべく最小限に減らしたい。しかし、PCや書類に加えて着替えやスキンケア用品、ヘアメイク用品などもありつい多くなりがちではありませんか。
何泊の出張でも「ホテルでの洗濯」を前提に衣類は「着ていく服」「部屋着」「替え用の下着・靴下1セット」だけで乗り切るというスタイリストのあきやあさみさんに、出張の荷物を減らすコツとパッキング術を教えていただきました。
こんにちは! 「選び抜いた少ない服で生きる」をモットーに活動しているスタイリストのあきやあさみです。
わたしはたびたび「宿泊ありの出張」があり、できる限り荷物をコンパクトにする方法を試行錯誤してきました。
「荷物を減らすことで機動力を上げ、仕事のためにパワーを温存したい!」と追求した結果、今では何泊の出張でもほとんど同じ量の荷物で動けるように。自分のことを“パッキングの達人”と思えるほどです。
今回は、そんなわたしが実践している「荷物を減らすコツ&パッキング術」をご紹介します。
《画像:1泊でも2泊でも3泊でもこの荷物量》
•【バッグの選び方】汚れても簡単に洗えるショルダーバッグがおすすめ
•メインバッグの選び方
•サブバッグの選び方
•【服の選び方】「ホテルで洗濯しやすい服」で荷物を減らす
•【ホテルでの洗濯のコツ】乾き切らないときは「アイロン」を活用
•【下着・靴下】バスタオルで脱水すると乾きやすい
•【スキンケア・メイク道具】ジップ袋やクリップが役に立つ
•【その他】出張の快適さをUPするアイテム
•アクセサリー
•靴
•晴雨兼用の折りたたみ傘
•パッキングの写真を撮って、忘れ物を予防する
【バッグの選び方】汚れても簡単に洗えるショルダーバッグがおすすめ
出張のとき、キャスター付きのキャリーケースを利用される方も多いと思いますが、わたしはPCや書類を入れる「メインバッグ」と、着替えや洗面用具などを入れる「サブバッグ」の2つを愛用。
キャリーケースは便利な一方で、移動しづらかったり場所を取ったりと機動力に欠けるため、より身軽に動き回れることを重視しています。
メインバッグの選び方
出張中常に持ち歩くメインバッグはPCやA4サイズの書類がしっかり入る大きさのものを選びましょう。
わたしはファッション系の仕事なので個性を思いっきり出せるバッグを選んでいますが、出張中は取引先の方と会うことも多いと思いますので、機能性やデザイン性はもちろんのこと、業種や自身の役割に合わせて選ぶのがポイントです。
サブバッグの選び方
着替えや洗面用具などを入れる「サブバッグ」は、ホテルやコインロッカーに預ける方も多いと思いますので、自身の好みに合わせて自由に選んでみましょう。
ただあまりサイズが大きくなり過ぎると飛行機の手荷物預けで時間を食ってしまったり、新幹線で荷物の置き場に困ったりしてしまうので、できるだけ小さいバッグだとベスト。
また、地面に置いたり雨に濡れたりしてもいいように、汚れても気軽に洗える素材を選ぶのがポイントです。
わたしは機動性重視なので軽くて肩掛けができるショルダーバッグを愛用しています。
《画像:サブバッグ候補①「CFCL」のショルダーバッグ。軽くて丈夫で見た目もおしゃれ。汚れが気にならず、丸洗いできます》
《画像:サブバッグ候補②「me ISSEY MIYAKE」のトランクプリーツバッグ。荷物が少ないときに活用。軽くて小さく折りたためる&洗えるので、機能性もバッチリ》
【服の選び方】「ホテルで洗濯しやすい服」で荷物を減らす
荷物の中で一番かさばりやすいのが服です。そのため「荷物を減らす」なら「服を減らす」のが欠かせません。
わたしも以前はついつい服が多くなりがちで「こんなに必要なかったな……」と反省することも。
できるだけ服を減らそうと試行錯誤した結果、今は「夜にホテルで洗濯して、翌朝また同じ服を着る」として、何泊であっても「着て行く服」と「部屋着」「替え用の下着・靴下1セット」のみで出張するようになりました。
毎日同じ服を着るため、服選びは真剣勝負! 見た目だけでなく「洗いやすく・乾きやすく・シワになりにくい」といった素材も重視しています。
《画像:わたしはENFOLDのワンピースを愛用》
なかでもお気に入りは、きちんと感がありつつ扱いやすい「ポリエステル素材のワンピース」。洗ってもすぐ乾くほか、ポリエステル100%であれば縮みづらいので乾燥機もOKなものが多いです(もちろんダメージはありますし、洗濯表示の確認は必ず行ってくださいね)。
《画像:黒いポリエステル素材のワンピースはビジネスでもプライベートでも大活躍》
シャツ+パンツスタイル+ジャケット派の方には、ユニクロなど機能性が高いブランドのアイテムがおすすめ。洗濯でシワになりづらく、ケアが簡単なシリーズを展開しています。
特にユニクロの「感動ジャケット」とGUの「ウォッシャブルジャケット」は、ジャケットなのに洗濯機で洗える優秀アイテムです。
【ホテルでの洗濯のコツ】乾き切らないときは「アイロン」を活用
ホテルで洗濯するにあたって、いくつかコツがあります。
まず大事なのは「共有部にコインランドリーがある」「部屋に洗濯機を備えている」宿泊先を探すこと。「ホテルにはないけどコインランドリーが近くにある」という場合もありますが、出張先で洗濯する手間を極力減らすには、ホテル内にあるのがベスト。
ホテルにもよりますが、1回の利用料金は300円〜700円ほど。洗濯機と乾燥機が分かれている場合もあります。
洗濯用洗剤が別売りのホテルもあるので、わたしは小分けの洗剤を持参しています。
ポリエステル100%など縮みづらく、シワになりづらい素材であれば、わたしはえいやっと乾燥までかけてしまいますが、ホテルは空調の関係でけっこう乾燥していることが多いので、脱水してハンガーにかけておくだけで翌朝にはパリッと乾きます。
もし乾き切らなかった場合は、低温でざっくりとアイロンをかけてみてください。シャツは襟と袖だけでもしっかりプレスしておけばきちんとして見えますし、洗濯機不可なスーツ類のシワもアイロンのスチーム機能を使えば取ることができます。
《画像:アイロン掛けが可能な素材か表示を確認しておきましょう!》
客室には洋服用のブラシや衣服用の消臭スプレーが置いてあることも。これらを使うだけでも結構きれいになるので、どんどん活用していきましょう!
ジャケットなどシワになりやすい服は、ホテルに着いたらすぐに脱いでハンガーに掛けるのもポイントです。
また、出張用に買った服がどれくらいシワになるか、乾燥機を掛けてもOKそうか、アイロンでシワが取れそうかなどは一度洗濯してみないと分からないので、自宅で一度“予行演習”しておくと安心です。
もう一つ大切なのが、いざ洗濯するとき「着る服がない!」なんてことにならないよう、軽くて動きやすい“部屋着”を1セット用意しておくと安心です。
ホテルに備え付けの館内着(ナイトウェア)は部屋の外に着ていけないケースがほとんどなので(OKでもわたしは少し恥ずかしいので……)いつもパッキングしやすい薄いTシャツと、短パンを持参しています。
客室内に全自動洗濯機があるホテルであれば、持っていかなくても館内着で十分ですね◎
【下着・靴下】バスタオルで脱水すると乾きやすい
一つひとつはコンパクトな下着・靴下も、たくさん持って行くと意外とかさばるので、わたしは1セットだけ「替え」を持っていきホテルで洗濯しています。
下着や靴下は繊細な素材なものが多いので、もしホテルでも手洗いしたい場合は、洗面台や浴槽で洗ったあと、少し強めに絞り、バスタオルで挟んで上から踏んで脱水します(ブラジャーは形が崩れないように注意)。
ハンガーにかけて空調の風が届く場所に干せば、だいたいのものは翌朝にはパキッと乾くと思います。
うっかり洗濯設備がないホテルに泊まった場合、服も同じ手順で手洗いすれば意外と何とかなったりします。
《画像:バスタオルが足りないときはフロントにお願いすると多めに貸してもらえます》
ただ、冬物の分厚い靴下や服は乾きにくいので要注意。最近はいろんなメーカーから薄手の防寒アイテムが発売されているので、そういったものを活用するのもおすすめです。
【スキンケア・メイク道具】ジップ袋やクリップが役に立つ
わたしは「荷物を減らしたい!」と思いつつ、ヘアメイク用品には「これじゃなきゃ嫌だ」というこだわりがあるので、あえて使い慣れたものを持っていくようにしています。
出張中はそれでなくとも「いつもと違う環境」でストレスがかかりがち。そのため「かさばってもこれはもっていきたい」というこだわりは大切にしています。
いつも持っていくコスメはこちら。また、洗面所の鏡だと照明が暗いことも多いので、自然光が入る明るいところでメイクができるように、軽くて大きめのミラーも必ず持って行きます。
コスメ類はかさばる分、かわいいポーチを使いたい気持ちは抑えて100円ショップの「ジップ袋」を活用。これでポーチ分のスペースを削減できます。
《画像:ダイソーで購入した「厚手チャック袋B6サイズ」。文房具コーナーに売っています》
いつも重くて邪魔だなと思いつつ、旅先でヘアスタイルが決まらないと嫌なので、1泊旅行でも使い慣れたヘアアイロンを必ず持っていきます。
ヘアケアやスキンケアは旅行用の「使い切りパック」や、貯めておいた「サンプル」を持参。
ただサンプルはわたしが1回に使う量より多めに入っていることが多く、余るのがもったいないので、「事務用のクリップ」を持って行きます。クリップで止めて2回に分けて使うと、朝晩にちょうどよく使い切れます。
《画像:ヘアケアセット。特にヘアオイルは漏れやすいので、チャック付きの袋が安心です》
《画像:スキンケアセット》
《画像:クリップも一緒に持っていくと2回に分けて使えて便利》
【その他】出張の快適さをUPするアイテム
出張を快適にするために、わたしが「必ず持っていくもの」があるのでご紹介します!
アクセサリー
服は同じでもアクセサリーを変えるだけで印象がガラッと変わるほか、顔周りが明るく見えるので気分もUPします。
ネックレスやイヤリング、ヘアアクセサリーを何種類か持っていき、打ち合わせや会食の雰囲気に合わせて付け替えるのもおすすめ。
《画像:打ち合わせではシンプルなアクセサリー、会食の際は華やかなイヤリングや指輪をプラスしても◎持ち運びには小さめの空き箱を使うと安心です》
《画像:ヘアアクセサリーが変わると印象や気分が変わります》
靴
出張中は意外と歩くことが多いほか、突然の雨に備えて“見た目のきちんと感”と“機能性”の両立がポイントです。
最近は合皮のクオリティが上がっているほか、エナメル(パテントレザー)やガラスレザーなど樹脂コーティングされた革素材の靴も豊富にあります。こういった素材は水が浸透しないので雨に強いです。
また「どうしても革靴でないと」という場合も、レザーソール(革底)ではなく、ラバーソール(ゴム底)のタイプを選べばたくさん歩いても疲れにくく、底から水が浸みこみにくいのでおすすめ。
《画像:愛用している「TOGA VIRILIS」のドレスシューズはソールに「ビブラム」のラバー素材を用いているため、ちょっとの雨でも大丈夫。メンテナンスしながらもう6年ほど履いています》
ただ、どんな素材の靴も濡れたまま放置すると劣化してしまうため、濡れたら拭き取るなどアフターケアを心がけましょう。
晴雨兼用の折りたたみ傘
出張中の暑さ・日焼け対策と雨の対策に欠かせない存在。軽めでコンパクトなものをバッグに忍ばせておけば持ち運びしやすく、急な天候変化にもスマートに対応できます。
パッキングの写真を撮って、忘れ物を予防する
💡POINT
•荷物の写真を撮影しておき「自分の持ち物リスト」を作る
•振り返りをすればパッキングはどんどん上手になる
最後におすすめしたいのが「パッキングが終わったらor出張から帰ってきたら荷物の写真を撮っておく」こと。
写真そのものが自分専用の「旅の持ち物リスト」になり、次回の出張の準備がスムーズになるほか、忘れ物予防にもなります。
また「これは要らなかったな」「次はこれを持っていこう」と振り返りもできるので、どんどんパッキングが上手になります。
ちょっとした工夫で、出張をもっと快適でストレスフリーなものに。ぜひ自分にぴったりの“軽やかな出張スタイル”を見つけてみてください。一緒に“パッキングの達人”を目指していきましょう!
編集:はてな編集部
著者:あきやあさみ
1985年東京生まれ東京育ち。ファッションを「制服化」して1年3セットの服だけで生きる「制服化スタイリスト」。著書に『自問自答ファッション制服化スタイリストが教える自分らしく生きるヒント(朝日新聞出版)』『一年3セットの服で生きる(幻冬舎)』『「一セットの服」で自分を好きになる(幻冬舎)』がある。
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