【習志野市】大久保商店街お休み処 装い新た 地域の居場所に
「学びを地域貢献に生かしたい」。
近隣にキャンパスを構える、建築を学ぶ学生らの思いと歴史ある大久保商店街の思いが重なり、商店街の古びた「お休み処」に新しい命が吹き込まれました。
商店街と学生の思い つながり改修計画へ
江戸〜昭和時代に軍都として発展した習志野、その中でも大久保は、騎兵連隊の城下町として栄えました。
「大久保商店街」は、1899(明治32)年に創設された旧日本陸軍・習志野騎兵旅団の「御用商人」が集まり発展した商店街。
その一角に「お休み処」はあります。
元々は酒屋だった建物を大久保商店街協同組合が借り受け、かつての「騎兵の町」の歴史的展示物も楽しめる休憩所として運営を始め15年ほどがたちます。
ここ数年は新規利用者が増えないことに頭を悩ませていました。
一方、商店街の先の旅団跡に立つ日大生産工学部・岩田研究室の学生が中心となり、他大学も含めた建築を学ぶ学生による有志団体「NATSUZEMI」は、「ものづくりを地域に生かしたい」との思いを胸に、伊豆大島を拠点に活動をしてきました。
感染症流行の影響で他地域での活動が制限された際、地元商店街への貢献を思い付きました。
両者話し合いの下、20年からお休み処の「若返り」計画が始動しました。
この街の歴史を胸に こだわり抜いた時間
学生たちは同商店街協同組合の役員たちにさまざまな改修案を提示。
壁をしっくい風に塗り替え、ディスプレー用の大きな棚を製作。
古い写真はスキャナーで読み込み額装しました。
特にこだわったのは、外から中へ誘導する動線。
竹・木・畳と、素材と高さの違うベンチを入り口からジグザグ(交互)に並べ、コロナ禍でも安全に人の動きを促す配置を工夫。
1年かけて計画・設計。そして昨夏、自らの手による改修工事が完了しました。
「楽しい時間だった」と学生たちは振り返ります。
「自分の線(設計)が形になり誇らしい」「机では学べないことを経験できた」「地域に愛着が湧いた」、そんな思いを反映するかのように、館内は明るくモダンな印象に。
「まさに『渡りに船』だった。今後は写真のカラー化も順次行い、より明るい雰囲気の地域交流拠点にしたい」と、同組合理事長の三橋さんは話します。
次世代の力を借り、大久保商店街に新たな歴史が刻まれていきます。
大久保商店街 お休み処 住所/千葉県習志野市大久保1-28-4 開館時間/正午~午後5時 開館日/木曜日~日曜日 電話番号/ 047-476-6055