遺体の搬送と安置で把握しておきたいこととは!?【増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック】
遺体の搬送と安置
自宅に搬送する場合
遺体を自宅に連れて帰ったら、遺体を安置して枕飾りを置き、弔問客が焼香をできるように準備をします。自宅に安置すれば、後日遺族が見守る中で納棺することもできます。
自宅でお葬式を行う場合は近隣に迷惑をかけないという配慮から、友人や関係者に会葬を辞退する意向を伝え、忌中札などを玄関には貼らず、隣人にも知らせないケースが増えています。
葬儀社の施設・斎場に搬送する場合
葬儀社が決まっている場合は、葬儀社の施設や斎場に遺体を直接搬送することもできます。これらの施設には、霊安室や保管冷蔵庫などの設備が整っています。
とくに通夜までに日数がある場合は、安心して遺体を安置するためにも、遺体保管冷蔵庫を使用する必要があります。1日あたりの保管料がかかり、一度安置するとお葬式までの間、自由に対面や焼香などが難しくなることを留意しておきましょう。
自宅安置の仕方と枕飾り
枕飾りは遺体のかたわらに置く祭壇で、弔問客が来たときはここで焼香してもらいます。宗教や地域により飾り方はさまざまです。たいていは葬儀社に依頼して設置してもらいます。
仏式の安置の作法・枕飾り
仏式の安置
シーツをかけた布団の上に遺体を安置し、かけ布団をかけます。遺体は北枕か西向きに安置するといわれていますが、近年は住宅事情もあるので別段こだわる必要はありません。遺体の腐敗が進まないようにドライアイスを用意し、部屋の空調に気を配りましょう。
枕飾り
白木の机や白い布をかけた台の中央に香炉、遺体に向かって右側に燭台、左側に花立てを設置します。お供え物の枕飯には、故人愛用の茶碗にご飯を山盛りにして箸を立てた一膳飯や団子を用意。
神式
遺体は、頭を北か部屋の上座に向け、顔に白い布をかけます。枕飾りには、白木八足の案(小机)に常饌(日常の食べ物)、生饌(洗米、塩、水、酒など)を供え、榊、灯明(ロウソク)を置きます。
キリスト教式
遺体安置の宗教的な決まりはありません。一般的な枕飾りは、テーブルに白布をかけ、生花、燭台、聖書などを置きます。さらに、カトリックは聖歌集、プロテスタントなら賛美歌集を置くことも。
【出典】『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』著:奥田 周年