<祖母、ひとでなし!?>ウソ!祖母は略奪婚だった!?衝撃的な事実を知り……ショック【まんが】
私は30代のサキ。夫(30代、ユタカ)と結婚して、小学1年生になる娘(サユリ)がいます。近所に母(60代、ヒトミ)が住んでおり、父は数年前に亡くなりました。祖母(チナツ、母の母、80代)は昨年から介護施設に入り、施設費用を母と私で払っています。私は昔からかわいがってくれる祖母のことが大好きです。これまでお世話になった恩返しもしたいと思い、施設費用を援助しています。しかし最近、祖母に思いもよらない秘密があったことを知り、驚きを隠せません。
祖父が亡くなり、前妻の子が相続の手続きをするなか、祖父の財産のあまりの少なさに驚き、後妻である祖母宅に祖父の財産が残っているのでは、と考え電話してきたと言います。祖父の手帳に祖母宅の電話番号が書いてあったようです。
祖母は幼い頃から私をかわいがってくれて、何かあるごとにお祝い金や習いごとの費用なども負担してくれました。そんなおばあちゃんの力になりたいと思い、私は母と一緒に祖母のお世話をしているのです。そんな祖母の過去に私が知らない事情があるだなんて、信じられません。
思いもよらない事態に、なんだかイヤな予感しかしません。施設を訪問するたびに朗らかに笑う祖母からは想像できない、隠された秘密があるのかもしれません。 母も私も祖母にずっとだまされつづけていたのでしょうか? 真実を知りたいけど知りたくない、そんな気分です。 母は私以上に動揺しているため、私がしっかりしなければと思いました。まずは、事実確認をする必要があると思ったので、大叔母(母の叔母、祖母の妹)に聞いてみることにします。
祖父との不倫、前妻の死……「おばあちゃん、ヒドすぎるッ!」
若かった頃の祖母は、職場で知り合った祖父と不倫関係になったそうです。しかし祖父には奥さん(前妻)と4人の子どもがいたそうです。あるとき、職場にまで奥さんが来て、「お願いです。子どもたちのためにも、旦那を返してください!」と、祖母に頼みこんできたこともあったと言います。
聞けば、前妻さんが亡くなった年齢は今の私に近く、私は前妻さんに感情移入してしまいます。まだ成人してない子も残して亡くなった前妻さんを想うと、胸が締めつけられる思いでした。
いくら知らなかったとはいえ、祖母や祖父がしてしまったことはあまりにひどく、私は怒りを覚えました。
祖父は妻や子どもを捨てた男、祖母はそんなろくでもない奴と一緒になった女……。そう思うと、うまくいくわけがないとも思いましたし、離婚は自業自得で当たり前にも思えました。 私でさえ、祖父母に対して引いてしまう気持ちがあったし、祖母を情けない人だとも思ってしまいます。 でも、そんな両親の間に生まれた母はどんな気持ちでしょうか。自分の出自を知ったときの母の顔が忘れられません。祖父母への嫌悪感とは別に、母を支えなくてはいけないと改めて思いました。
介護費用を援助しているけれど……「正直もう出したくない!」
過去を隠しつづけ、道ならぬ恋に走った祖母を許せません。祖父の前妻が幼い子どもを残して、私と同じくらいの歳で亡くなった事実が心に残るのです。どれほど無念だったか、大変だったことか……どうしても考えてしまいます。
「それより、これずっと続けないといけない?」私のひとことに母の表情が変わります。「え?」「お母さんもおばあちゃんの過去がわかってウンザリしているんじゃないの?」「私は正直、おばあちゃんを見損なった。あんな人に援助しつづけるのがイヤになってきた」これが、私の正直な気持ちでした。
祖母の不倫なんて、直接関係ないだろう、気にする必要はないと考える人もいるかもしれません。でも私はそうは思えません。祖母が不倫なんてしなければ、祖父の前妻親子も、私も母も苦しまずにすみました。 自分の関わりがある人間が不倫したという事実は、後々まで影響するのだなと実感したのです。 祖母はかつて、祖父と見合いで結婚したがイヤな奴だったから別れたなんて言っていました。あのとき、祖母のことをかわいそうだと思った自分がバカでした。
不倫に離婚、お金の問題がつぎつぎと「……だまされた気分!」
当時祖母は自営業としてエステを開業し、かなり稼いでいたそうです。当時の社会のことを考えると、かなり珍しく、きっとたくさんの苦労をしたはずです。
祖母は年を重ねた祖父に代わって一家の大黒柱だったようで、祖父はことあるごとに祖母にお金を出すよう言っていました。もともと浪費癖のある祖父でしたが、どうやら新しい女の影もあり、祖母に内緒でかなり使い込んでいたようです。
ちなみに祖父は施設で1人寂しく亡くなったそう。自業自得です。結局、大きな財産を築いた祖母は、祖父に大金を使い込まれた挙句、離婚したのです。
祖母の苦労を知った母は、祖母の過去の過ちを水に流そうとしている様子でした。
私をかわいがってくれた祖母は、偽りの姿なのでしょうか。何十年にも渡って、私にも母にも本当のことを言わず、だまされていたような気分です。 今、楽しそうに過ごして、お金のことについても私と母に頼ろうとしているのが許せなくなってしまいました。 祖母は嘘をつき続けていることに対して、何も感じていなかったのでしょうか。いずれにせよ、祖母には私や母が過去を知ったことを告げ、介護施設の費用援助を止めようと思います。祖母が受けるべき報いだと思いました。
「過ちによって生まれた私」援助は続ける?やめる?結論は……
「過ちって言っていいかどうかはわからないけど、少なくとも、おばあちゃんの過去をサキが背負う必要はないよね?」夫にそう言われ、やはり当事者でない夫には、私や母の気持ちを理解してもらうのは難しいのかなと思います。
「そんな簡単にはいかないよ」私は言いました。自分自身の存在さえ、後ろめたく感じてしまいます。
夫から言われて私ははじめて、自分が傷ついていたのだと気づきました。自分が過ちによって生まれたこと。そんな祖母を大好きだったこと。私や私の家族の存在が、誰かの不幸につながっていること……。その全てにモヤモヤが募り、祖母への怒りになっているのだと。
私は祖母の過去を知って、祖母に過去をどう思っているのか問いただそうと思っていました。母や祖父の前妻さんのことを思うと、祖母は強く反省すべきだと思ったからです。 でもそれは、私自身が納得したいがためのエゴだったのかもしれません。それに祖父母を否定してしまうと、自分の母の存在も否定するようで苦しいです。 「おばあちゃんなりに反省や後悔があったはずだろう」と信じ、母と一緒に祖母の余生を見守りたいと思います。