【福岡の大好きな店】情緒あふれる西中洲の路地で出会った「人生最高酒場」
福岡市内の食べることが大好きな方々に、ご自身が愛してやまない店について書いていただく「私、この店、大好きなんです」シリーズ。今回は「福博ツナグ文藝社」の西山健太郎さんが「西中洲 和茶」について書いてくださいました。
私にとって理想の酒場の条件とは、立地が良くて、清潔感と居心地の良さがあって、美味しい生ビールが飲めて、料理の素材が吟味されていて、そこでしか飲めないお酒があり、そのお酒に合う料理がたくさん選べて、手頃な値段で飲める、その全てを満たすこと。
その理想の酒場の一つが、今回紹介する「西中洲 和茶」です。
「和茶」のカウンターに座ったら、神泡の生ビールとおばんざい3種の「突き出し」をいただくのがいつもの流れなのですが、何といってもこの「突き出し」が秀逸なのです。
昆布、鰹節、鯖節の出汁が活かされ、酸味、甘味、塩味の調和がとれた品々が日替わりで出され、この店を訪れる楽しみの一つになっています。
「和茶」の店主・内門香二さんは鹿児島県川辺町(現南九州市)のご出身で、一品目を「お通し」ではなく「突き出し」と呼んでいらっしゃるように、京都で日本料理の基礎を学ばれた職人さんです。
刺身や焼魚、餃子、ポテトサラダといった、一般的な酒場メニューをとっても、付け合わせや隠し味、盛り付けなどに創意工夫が凝らされていて、それを指摘すると、「健太郎君、そんなに褒めたら、緊張して次の料理が作れんやない」とはにかむ、そうした内門さんの気さくで温かいお人柄も「和茶」に足を運ぶ理由の一つになっています。
また鹿児島県産の希少な芋焼酎が味わえるのも特筆ポイントで、「女王蜂」「知覧Tea酎」「さつま寿」「生魂」といった、銘柄を見ただけでも興味をそそられる、さらに飲むと新たな芋焼酎の世界が広がるようなボトルが揃っていますので、普段焼酎を召し上がらない方にもおすすめです。
店主お一人でされているお店ですので、「和茶」をより楽しんでいただくために、事前のご予約とお客様同士の譲り合いをよろしくお願いします。内門さんの料理と厳選された芋焼酎のペアリング、ぜひ味わってみてください。
西中洲 和茶 〜わさ〜
福岡市中央区西中洲3-19ベイヒルコート1F
090-5085-4860
西山健太郎
非営利団体「福博ツナグ文藝社」の事務局長兼編集長として福岡・博多の地域文化の魅力について独自の切り口で発信している。「UMAGA」にて連載コラム「福岡フルーツカクテル紀行」を担当。