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HIS、ユニ・チャーム、西川、三菱電機、介護業界に貢献する企業が注力商品をPR【みんなの介護アワード2023】

「みんなの介護」ニュース

みんなの介護

2023年11月13日、ウエスティンホテル東京で「みんなの介護アワード2023」が開催され、介護に関する事業を行う9社がそれぞれのブースで資料や商品を用いて注力商品をPRした。本記事では、その中から株式会社エイチ・アイ・エス、ユニ・チャーム株式会社、西川株式会社、三菱電機ITソリューションズ株式会社の取り組みと担当者のコメントをお届けする。

~株式会社エイチ・アイ・エス~ 車いすの方の「旅行したい」を叶える

「介護関係者の方に、バリアフリー旅行についてもっと知ってもらいたいと思い、出展いたしました。今回のイベントの規模感は想像以上だったので、迫力を感じています」。そう答えたのは、株式会社エイチ・アイ・エスのユニバーサルデスク所長代理・高頭大志氏だ。

株式会社エイチ・アイ・エスのユニバーサルデスクでは、“高齢や障がいの有無に関わらずに楽しめる旅”を企画している。その中のひとつ、「バリアフリー旅行たびのわ」は高齢者や障害者などを対象としたツアーであり、研修を受けた専任添乗員が旅行に同行。バス乗降のサポートや車椅子で悪路を進む際の介助、ブッフェのお食事の際の取り分けサポートなどを行う。

2002年にスタートしたサービスだが、高齢者の増加に伴い、近年問い合わせが増加している。「よくご参加、お問い合わせいただくのは、パートナーのどちらかのお客様が車椅子を使っている70~80代のご夫婦が参加されるケースですね。80代のお母様と50~60代の娘様とのお二人参加というケースも多いです。」

また、同行者がいないという場合も「旅行介助サポーター制度」が活用可能だ。サポートスタッフの旅行参加費を支払えば、車椅子や部屋での着替え、お手洗い、入浴(抱きかかえは除く)、食事の取り分けなどを福祉職経験があるサポートスタッフに手助けしてもらうことができる。

7~8名ほどの少人数での募集型ツアーになるため、費用は決して安くはないが、一人ひとりへのきめ細かいサポートが強みだ。また、客の要望に応じた旅行のアレンジもできる。「例えば『このツアーを元に私たち用にアレンジしてくれないか』というご要望があれば承るようにしています。お客様のリクエストによって新たな旅行プランを考えることもあります。」また、1日に多くの観光スポットを回るのではなく、車椅子の動線を考えて選んだ場所をじっくり回るのが特徴だ。

高頭氏は「現状は、介護度の高い方や常食が食べられない方、人工呼吸器を付けておられる方など、重度の方々の旅行実現が難しい環境です。このような方々の旅行実現をサポートできる取り組みを考えていきたい」と抱負を語った。

ユニ・チャーム株式会社 ~おむつ着用時の肌トラブルをなくす画期的なパットを開発~

赤ちゃんや大人用紙おむつ、女性用の生理用品など、“ゆりかごから墓場まで”幅広い商品を手がけてきたユニ・チャーム株式会社。そんな同社が介護に悩む方の力添えができないかと考える中で生まれたのが「ライフリー 一晩中安心さらさらパッド Skin Condition(スキンコンディション)」だ。

「ライフリー 一晩中安心さらさらパッドSkin Condition(スキンコンディション)」は、スキントラブルが起きやすい仙骨部分にツルツルしたスライドシートが搭載された世界初の高機能パッド。スキントラブルの原因になる摩擦・ズレを低減する画期的な商品として、特許を取得している。

営業企画部の井出健太氏は「おむつは普通の下着と違って、中がムレやすい。皮膚がふやけるうえに寝返りなどで摩擦が起きてトラブルのもととなります。治療のための薬代がかかったり、病院に連れて行く必要が出てきたりして、施設様としても負担とコストがかかる現状がありました」と語る。

そのような現場の声に応えるべく開発したのが同商品であり、導入した多くの介護施設から高い評価を受けているという。

「『利用者様がぐっすり眠れるようになるためには、夜間のおむつ交換の回数を減らす必要がありますが、おむつ交換の回数を減らすと肌トラブルが懸念されます。そこで、「ライフリー 一晩中安心さらさらパッドSkin Condition(スキンコンディション)」を使うと、お肌の浸軟や摩擦・ズレを低減し、長時間おむつを使っていてもお肌の状態を良いまま保つことが可能になります」

今後も、利用者が快適に使えて、介護者の負担も軽減できる商品やサービスの提供を行う考えだ。

~西川株式会社~ 「睡眠の質の向上」で要介護者の健康を支える

楽な体勢を維持する枕やクッションを展開する「Keeps」シリーズが大ヒットしている西川株式会社。高齢化の兆しが見えた32年ほど前から、高齢者向けの商品開発にも取り組んできた。

同社の高齢者向け商品は、要介護者の状態を考慮したさまざまな寝具を揃えている。介護ベッドのサイズに合わせて作った寝具、寝返りが打ちやすいマットレス、コインランドリーで洗える羽毛掛け布団などだ。同社のブースでも、枕やマットレスなど、さまざまな寝具に触れることができた。

介護ベッドのサイズに合わせた掛け布団の場合、通常より縦幅が20センチほど短く、横幅が10センチほど小さい。ご高齢になると布団のサイズが大き過ぎなくても十分使える。さらに「掛け布団のサイズが大きいと寝返りが打ちにくい」という声もある。

「睡眠の質」に対する世の中の関心が高まっていることを受け、高齢者が良い睡眠をとれるための商品開発にも力を入れている。睡眠時の心身の変化をデータによって可視化するマットレスもそのうちのひとつだ。数値を可視化し、睡眠の質を評価して改善方法まで提案できるサービスにするよう考えている。

広域戦略事業部の杉本忠彦氏は「良い睡眠がとれると次の日の活力が生まれます。さらに、それが続くと、充実した毎日を送ることにつながる。私たちは、睡眠の質という観点から、高齢者の健康増進をお手伝いできたらと思っています」と語った。

~三菱電機ITソリューションズ株式会社~ 導入の負担を抑えて正確な服薬介助を実現

「これまで参加してきた展示会では、ITの事業を行う企業さんがほとんどでした。今回は、食品や旅行会社など多岐に渡る事業の方が集まっています。視野が広がって参考になります」。そう語ったのは、三菱電機ITソリューションズ株式会社の担当者。

三菱電機ITソリューションズ株式会社では、介護記録やレセプト請求のソフトウェアを扱う事業を行ってきた。

同社が現在注力している商品は、服薬介助支援ツール「めでぃさぽ」だ。アプリを作ったきっかけは現場の声だった。

介護の現場では、お薬の服薬介助のシーンがある。介護スタッフさんや看護師さんがダブルチェックをして、利用者さんが飲むべきお薬が間違わずに手元に届いているかを確認するのだが、かなり慎重に作業しても、間違えそうになることがある。そこで「ツールを使って正確にチェックできないか」という要望が挙げられたのだった。

誤薬防止のためのツールは、すでに他社でも販売している。しかし、使用にあたってQRコードなどが必要になることが多い。介護事業者側は、利用者さんごとにさまざまなお薬のQRコードを備えるのが大変になる。そこで、QRコードなしで使えるものを作れないかと考えたのが、開発の経緯だ。

服薬介助支援ツール「めでぃさぽ」は、お薬の写真を撮影して登録しておく。そして、入居者さんの顔認証で本人確認ができる。誰が、誰に、どの薬を渡したのかアプリによってチェックできる。

実証段階ではあるが、初期導入の負担がほとんどないことにメリットを感じている介護事業所が多いという。

ライフサポートソリューション部の川尻三重子氏は「介護記録は手書きからシステム化への移行が進んでいます。次のステップとして、システム内のデータを分析し、より良いケアができる手がかりにしていただけるよう開発を進めていきたい」と今後のビジョンを語った。

ツールを使うために余計な作業が増えれば本末転倒という考えのもと、スタッフの負担を減らすことを第一に考えたツール作りに力を入れている。

「みんなの介護アワード2023」とは

「みんなの介護アワード2023」は、老人ホーム検索サイト「みんなの介護」を運営する株式会社クーリエが「社会福祉に貢献している全国の介護施設が、賞賛される機会の少ない現状」を変え、介護事業者の⽇々の取組みを世の中へ伝えるとともに全国の介護を必要とされる方に施設入居を検討頂くための一助とするために開催したイベント。同サイト内における評価をもとに、全国5万を超える介護施設の中から⾼評価を得た施設を表彰したほか、にしおかすみこ氏と蛭子能収氏が認知症との向き合い方を考えるトークショーや、各界企業が最先端の介護商品を紹介するブースを出展。当日は受賞企業のほか、業界関係者やメディア等合わせ約300人が来場した。

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