老舗酒蔵・吉乃川がブランド刷新 新銘柄「清流美」「渓流美」で「日本酒のすそ野を広げる」
吉乃川は9月3日、長岡市内で新ブランドの発表会を開いた
吉乃川株式会社(新潟県長岡市)がブランドを全面刷新した。長年培ってきた酒質を「美味淡麗」と再定義し、ロゴやラベル、商品体系を一新。日本酒の国内消費が減少する中、日常の食卓で親しまれる酒を改めて提案するため、新たな定番酒「清流美」や、若年層などにも飲みやすい低アルコールの「渓流美」などを打ち出す。
吉乃川は1548年創業の老舗酒蔵。今回のブランド刷新では同社の全商品の特徴を「美味淡麗」と定義し直し、ロゴやラベルデザインも川をモチーフとしたものに一新した。商品体系は「至高の酒」「特別な酒」「日々の酒」の3つの価格帯と、伝統的な「清酒 吉乃川」によって構成される「原点の酒」の計4種類に分けたが、特に「日々の酒」に力を入れ、ここに新銘柄「清流美」と「渓流美」を位置づける。
吉乃川の新たなデザイン
「清流美」は吉乃川の新たな定番商品で、伝統的な清酒の味を引き継ぎつつ、現代の食卓に合う食中酒を目指した。「純米」「純米吟醸」「純米大吟醸」の3種を展開する。
「渓流美」も同じく食卓に合う酒として開発しつつ、より酸味や果実感がある軽い口当たりに仕上げた。「純米」と「純米スパークリング」の2種類を展開するが、どちらも低アルコールかつ飲みやすい商品で、日本酒に親しみのない人や若年層などに提案する。
このほか、高級志向の商品や春夏秋冬をモチーフにした季節限定商品、焼酎、梅酒なども展開する。9月15日ごろから店頭で販売開始される予定だ。一方で、長年定番商品だった「極上吉乃川」は終売を決めた。
また、リブランディングに先立ち、約3年前から新しい垂壺や酸化防止ポンプ、低温瓶貯蔵を導入。品質向上を目指した設備投資も実施してきた。
峰政祐己代表取締役社長(写真左)と、川上将司代表取締役常務(写真右)
川をイメージした新たなロゴ
9月3日、長岡市内で開かれた発表会で峰政祐己代表取締役社長は「日本酒の国内消費が減り、日本酒が日常のものでなくなりつつある一方、日本酒の価値は高まりつつある。だが、愛好家や特別な日に向けた高級品だけでは、日本酒そのものが日々の生活から離れていく」と現状を語り、「地域で『普段の晩酌の酒』を造ってきた吉乃川としては、日本酒のすそ野を広げる役割から逃げてはいけない。日本酒を飲んだことがない方にも飲んでいただく機会や、日々の食卓に日本酒を取り戻していくことをリブランドで考えた」と話した。
川上将司代表取締役常務は「(極上吉乃川終売など)過去を否定しているわけではなく、今まで吉乃川が大切にしてきたことを守るために一新した。日本酒に馴染みのない若い世代にも、吉乃川を入り口として選んでいただければ」と語った。
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