プロレス・格闘技ファン必見! 高円寺の隠れ家『オホーツク北見焼肉 のっけ』と『和田屋』をハシゴ酒 【DASH・チサコの 飲んだらYABAI!】
2025年8月24日、ゼビオアリーナ仙台大会が無事に終わりました! 私が所属するセンダイガールズプロレスリング史上最大のビッグマッチ。収容人数約4000人の大きな会場が超満員で、最高の景色が見られました。来てくださった皆さま、本当にありがとうございました。今日は打ち上げ気分で、高円寺の行きつけのお店をハシゴします♪JR高円寺駅から徒歩3分。路地裏にある『オホーツク北見焼肉 のっけ』と『和田屋』は、隣同士のお店。大将同士も仲良しで、『のっけ』の大将は営業後いつも『和田屋』に飲みに行くんですよ。ゼビオアリーナ仙台大会のときも『和田屋』で鑑賞会を開いて、みんなで盛り上がってくれたとか!どちらも最高のお店で、遠くで飲んでいても最後はこの2軒に行き着くんです。
DASH・チサコ(だっしゅ・ちさこ)
1988年8月24日、宮城県仙台市生まれ。2006年7月9日、センダイガールズプロレスリング旗揚げ戦にて、対ダイナマイト・関西戦でデビュー。2015年、妹・仙台幸子とのタッグ「十文字姉妹」で4冠を獲得。2017年12月17日、PURE-J認定無差別級王座を獲得。2019年3月21日、DDTプロレスリングに参戦し、女性初のKO-D6人タッグ王者となる(パートナーは里村明衣子&橋本千紘)。2024年11月17日、センダイガールズワールドシングル王座を初戴冠。151cm、56kg。X:@dashchisako
煙モクモク、『のっけ』の北見焼肉でパワーチャージ
まずは『のっけ』からスタート。大将の望月利一さんは、千葉県木更津市出身。10代、20代を北海道の北見で過ごし、奥さまとも北見で出会ったとか。イタリアンのお店を30年近くやってから、「北見の魅力を広めたい」という思いでこのお店を始めたそうです。
北見市は人口当たりの焼き肉店の数が北海道No.1で、「焼肉の街」とも呼ばれています。かつて国鉄北見駅の裏側に家畜処理場があり、新鮮な肉が身近にあったことがルーツの一説。そんな「北見焼肉」を東京に広めた功績から、望月さんは「きたみ観光大使」にも任命されています。
『のっけ』という店名は、かつての北見市の旧名に由来しています。アイヌ語で「野の端にある所」を意味する「ヌプンケシ」が「野付牛(のつけうし)」となり、そこから「のっけ」と呼ばれるようになったそうです。地元の人が大切にしてきた名前を受け継いでいるお店なんです。
今日も大好きなハイボールを注文。ここのハイボールはホッピースタイルで、なかとそとが出てきます。シュワッとした炭酸に、ほんのりレモンの香り。ゴクゴク飲んだ瞬間に、もう仕事終わった感!(笑)
「北見焼肉」と言えば、ホルモン! 地元の人は、牛サガリか豚ホルモンの二択だそうです。牛サガリは赤身のような見た目ですが、実は横隔膜なのでホルモンなんだとか。
下味なしで食べるのが北見スタイル♪ 新鮮なお肉にこだわっていて、希少な部位は北見からも仕入れているそう。北海道と言えばジンギスカンというイメージですが、ラムは家で食べるもので、お店では食べないそうですよ。
今日は牛サガリ、牛タン、牛レバーを頼みました。私は仙台出身なので、牛タンにはちょっとうるさいかも!? お店によって全然違うから、牛タンは必ず頼みます。
カウンターにどどーんと七輪を置いちゃいます! 煙がモクモク~♪
実はこれも北見スタイル。北見では「煙モクモク度」というのがあって、昔ながらのお店はモクモク度が高いそうです。『のっけ』もモクモク度がめっちゃ高くて、店内は煙で充満。煙の中で食べるのが最高なんです!
お肉、めっちゃデカい! うまーーーい!!!!! YABAI!!!!!(私の決め台詞です♪)
牛サガリは、見た目は赤身っぽいけれど、口に入れるとしっとり柔らかくて噛むたびに肉汁がじゅわ〜。牛タンは厚切りでザクッと歯が入る瞬間が最高。噛むと塩気と旨味が広がり、仙台出身の私も納得のクオリティ。牛レバーはぷるっとした食感で濃厚、とろけるような甘さ! 間違いなく元気になれる味です。
今日は真面目なお話もたくさん聞けて、新鮮でした! 大将はいつも酔っぱらっているから(笑)。本当に愉快な方で、酒が進むんですよ~♪
オホーツク北見焼肉 のっけ(おほーつくきたみやきにく のっけ)
住所:東京都杉並区高円寺北3-2-19 NS高円寺3 1F/営業時間:17:00~21:00頃/定休日:不定/アクセス:JR中央線高円寺駅北口から徒歩2分
この風格と心意気、まさに高円寺のシンボル『和田屋』
いい感じに酔っぱらったところで、お隣の『和田屋』に移動~♪
看板に「チェーン店」と書いてありますが、どう見てもチェーン店の雰囲気じゃない(笑)。でも実は、麻布の定食屋『和田屋』がルーツで、そこで修業した人たちが独立して店を持ち、それぞれが「和田屋」を名乗るようになったんです。まったく違うお店なのでいわゆるチェーン店とは違いますが、敢えて「チェーン店」と名乗るところが粋ですよね!
マスターは麻布『和田屋』最後の店長で、この高円寺の『和田屋』は創業44年。今は息子の新沼亮さんが若大将です。亮さんの元気な声が響くたびに、店内の空気が明るくなります。
壁には芸人さんやミュージシャン、プロレスラーのサインがびっしり。売れる前から来ていた芸人さんがテレビで活躍しているのを見るとうれしくなるそう。本当に最高の酒場なので、売れてからも変わらず通い続けている人が多いというのも納得です。
料理もお酒も、メニューの数がとにかくすごい! いつも3軒目くらいで完全に酔っぱらった状態で来るので、初めてまともにメニューを見たかもしれない(笑)。焼酎だけで120種類もあるそうです!
まずは名物のサバ味噌グラタン。表面のチーズがこんがりと色づいていて、よだれが出そう。スプーンを差し入れると、トロ~ッとチーズが糸を引き、下からサバの身がごろごろ顔を出します。ひと口食べると、サバ味噌の濃厚な旨味とマヨネーズのまろやかさが合体! めっちゃうまい!!! YABAI!!!!!!
『アメトーーク!』で、納言の薄幸さんがこのサバ味噌グラタンを紹介してから、人気メニューになったそうです。コロナ禍でお店を心配してくれた芸人さんたちが、テレビで紹介してくれることも多かったとか。いい話ですよね~♪
続いて、お任せ刺身5点盛り。今日は、本マグロ、カツオ、ブリ、白イカ、銀イワシです。めちゃくちゃ新鮮で、どれも分厚い! とくに銀イワシは噛むと脂がじゅわっと弾けて、「新鮮ってこういうことか!」と納得させられます。
亮さんは仕入れを兼ねて、魚屋さんで朝6時半から11時くらいまでお手伝いして、それから『和田屋』で仕込み。だからこそ、この鮮度と厚切りに自信があるんだと感じました。「眠れてますか?」と聞いたら、「4、5時間は寝ています」と笑顔。タフすぎる~! でもその真剣さが、このお刺し身ひと切れひと切れに表れているんですよね。
「スーパーの総菜を買って家で飲むよりも、『和田屋』に寄って飲んだほうが安いかな、というお店を目指している」とのこと。まさにそういうお店だなと感じます。
和田屋(わだや)
住所:東京都杉並区高円寺北3-2-19/営業時間:17:00~23:00/定休日:日/アクセス:JR中央線高円寺駅から徒歩2分
女子プロレス好きは、恥ずかしくない!
高円寺でハシゴ酒をすると、ただ楽しいだけじゃなくて「もっと有名になって、この人たちに誇ってもらえる存在になりたい!」と強く思うんです。そのおいしさと人情に触れるたびに、リングで闘う力をもらっています。
ゼビオアリーナ仙台大会では、アジャコング選手とタッグを組み、ハードコアマッチに挑みました。ハードコアは毎回緊張しますが、アジャ選手が隣にいることで不安よりも燃える気持ちのほうが勝って、試合中も自然とテンションが上がりました。
大会の最後、私はマイクで「女子プロレスが好きって、恥ずかしくない」と伝えました。とくに男性は「女子プロレス好き」と口にするのを恥ずかしいと思う人が少なくないのかなと……。でも、それが当たり前のイメージになってしまうのは悔しい。一度でいいから生で観てもらいたい。きっとイメージがガラリと変わるはずです。そこには命を削って闘う、生きるか死ぬかの瞬間があるから。
そして、2025年9月23日には仙台サンプラザホール大会が控えています。ゼビオアリーナ仙台をクリアしたからこそ、次のステップに挑める。その舞台で、またやりたい相手と向き合えるのが楽しみで仕方ありません。
今日ご紹介したお店は、どちらも私のパワーの源です。最高に新鮮なお肉と魚、そしてキンキンに冷えたお酒——。高円寺の夜を、ぜひみなさんにも体感してほしいです♪
構成・撮影=尾崎ムギ子 写真提供=センダイガールズプロレスリング
尾崎ムギ子
ライター
1982年、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、リクルートメディアコミュニケーションズに入社。2008年にフリーライターとなる。著書に『最強レスラー数珠つなぎ』、『女の答えはリングにある』(イースト・プレス)がある。