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エスエス製薬（東京都新宿区）は6月9日、悩む人が増加しやすい梅雨のシーズンに合わせ、頭痛に関する国際調査の結果を発表。日本では、頭痛に対する意識と行動に大きなギャップがあることを明らかにした。

気候・気圧の変化の影響でも起こる頭痛、7割以上が起きても「我慢」

調査は、日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・中国の各国500人、計2500人を対象に実施。気候・気圧の変化の影響で、頭痛を発症する人の割合は、5か国平均で76.7％。日本では過去6か月以内で頭痛を発症した人の70.8％が該当する。

実際に頭痛が起きた際に我慢する人は、日本では77.2％に上る（よくある・たまにあるの合計）。その割合が最も高いイギリス（同84.4％）をはじめ、どの国でも7割以上。頭痛を我慢するという行動は、国を問わず広く見られる傾向であることがデータで示された。

「頭痛は我慢すべきではない」日本は4割超、5か国中で最多

また、日本では40.2％が「頭痛は我慢すべきではない」と考えていることがわかった（あまりそう思わない、全くそう思わないの合計）。これは対象5か国中で最も多い。調査でも「我慢は必ずしも正しいとは限らないという意識が比較的浸透している」と指摘する。

ただし、先の調査項目で日本は、77.2％が頭痛を我慢していると答えている。「我慢すべきでない」と答えた割合との差は37.0ポイントと、その差は5か国のうち最も大きい。意識の上では否定しつつも実際は我慢しているという、日本人の意識と行動のギャップが浮き彫りになった。

我慢する理由として、半数近くが「頭痛は（ある程度）我慢するものだと思っているから」と回答しており、調査では、多くの人が頭痛イコール耐えるべきものと、無意識に捉えていると指摘している。

8割以上が日常生活に影響、集中力低下や仕事効率低下の可能性

日本では82.6％が「つらい頭痛が日常生活に影響を与えている」と回答（とても影響を感じる、やや影響を感じるの合計）。5か国全体でも約87％（同）に上り、頭痛を抱えるほとんどの人が、何らかの支障を感じている実態がうかがえる。

日本においては、つらい頭痛により、過半数が「何もしたくない気持ちになる（51.8％）」と回答。28.0％が「仕事や家事に遅れが出る」と答えており、「仕事を欠勤、学校を休む」人も15.2％いる。

「頭痛を我慢することは好ましくない」と東京歯科大学の柴田護教授は警鐘を鳴らす。集中力低下や仕事の効率低下を引き起こすことや、職場などで周囲の同僚に不安を与えてしまうことなどを指摘。ときには、くも膜下出血のような生命を驚かすような疾患が隠れていることがあり、最悪の場合は命を落とす可能性もある。特に片頭痛は治療法の進歩によって、以前は難しかった頭痛予防が可能になっており、「医療機関にかかることをぜひ考えてください」と呼び掛けている。

ツムラの調査では、6割以上の人が気象の変化と連動し「なんとなく不調」と感じていることがわかっており、気圧の変化（特に低気圧時）や季節の変わり目が、影響を及ぼす気象変化の上位に挙がっている。

「頭痛の我慢に関する5か国調査」は、5月12日から19日の間、18歳から69歳の男女2500人を対象にインターネット調査で実施。発表の詳細は同社公式リリースにて確認できる。