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陳情問題 議長不信任案が否決 新たな問題が浮上〈海老名市・座間市・綾瀬市〉

タウンニュース

本会議で行われた不信任決議案の採決

綾瀬市議会3月定例会最終日の21日、安藤多惠子氏(あやせ未来会議)が古市正議長への不信任決議案を提出した。

安藤氏は提案理由の説明で「古市議長は公職の場で市民の陳情提出に介入し、市長選への影響に言及するなど、公正公平であるべき立場を逸脱した」と述べ、議長に辞職を求めた。同案は最大会派の志政あやせと公明党が反対し、賛成7、反対10、退席1の賛成少数で否決された。

この問題は、綾瀬市の内藤勝則副市長ら市幹部2人と古市正議長が今年1月から2月にかけて、市内の自治組織が議会に提出しようとした陳情に対して懸念などを伝え、これを理由に自治組織が提出を見送ったもの。今夏の市長選への影響にまで言及した議長の言動が特に問題視されている。

不信任案の討論には7人が登壇。「関係者への聴き取りでは議長からの圧力や介入の事実は確認されなかった」(齊藤慶吾氏)、「議長のアドバイスは立場を逸脱したものではない。自治組織の役員はからは『否決してください』との言葉もいただいた」(武藤俊宏氏)とする反対の立場や「議長応接室での議長の言動が混乱を招いた」(上田博之氏)、「陳情が出されることに議長が懸念を示すことなどあってはならい」(畑井陽子氏)、「アドバイスをするのであれば良い面と悪い面の両方を公平に伝えるべき」(成田龍二氏)、「議会を代表する議長の発言は重い。議長応接室での言動としては一線を超え判断を誤った」(越川好昭氏)と賛成を主張する討論もあった。

反対の立場で討論を行った内山恵子氏は、「議長の行為が現時点で事実であるかは不透明で辞職要求は性急。関係者にはさらなる検証と真摯な対応に努めることを期待したい」と述べ、正確な事実確認を求めた。

議運で陳謝

この日、本会議の前に開かれた議会運営委員会(武藤俊宏委員長)では、古市議長が事情を説明して質疑を受けた。

この席で古市氏は、「市民に不信を抱かせる報道を招いたことはお詫びしなければならない」と陳謝。「相談を受けてアドバイスをした」と釈明。さらに「議長は陳情を出す出さないを言う立場にはないことを明確に述べて相談に応じた」とし、陳情の提出を見送るよう促す意図はなかったことを強調した。

その上で、「自治組織は多様な会員で構成されており、政治的中立性には最大限に配慮しなければならない」との持論も展開。市長選への言及については、「個人名をあげて説明したことは事実」とした。

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