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ヤクルト・廣岡大志に求めたい「期待の若手」からの卒業

SPAIA

ヤクルトの廣岡大志ⒸSPAIA

村上はすでに不動の4番で神の領域に

「期待の若手」という存在は、ファンにとって希望の光となる。チームが負けても、その選手が活躍すればそのすべてを帳消しにしてくれる。その選手の活躍で勝とうものなら、お祭り騒ぎになってもおかしくない。例えるなら、心の中の絶対的な存在だ。

昨年、いや、一昨年の終盤からヤクルトでは村上宗隆がそうだった。プロ初打席で見せた本塁打で多くのファンを虜にし、昨シーズンは苦しいチーム状況の中、「希望の光」のような存在でい続けていたことは間違いないだろう。

だが、村上はプロ入り2年目から36本塁打を放った令和の怪童。いまやチームに欠かせない不動の4番であり、セ・リーグの打点王争いでも首位を走るトッププレーヤーである。SNSでも「村”神”様」と表現されるほどで、もはや神の領域。ファンの予想を良い意味で裏切り、村上は飛び級で期待の若手から卒業した。

その村上の入団前から期待の若手であり、今もなお多くのファンの中で期待の若手であり続けているのが、高卒5年目の廣岡大志だ。

ここ数年の廣岡は毎年のように遊撃のレギュラー候補に挙げられるも、定位置を掴むには至っていない。卒業しそうでできない。そんなもどかしい存在でもあるからこそ、応援したくなり、気になってしまうファンが多いのではないだろうか。

今年も開幕一軍入りを果たしたが、初めてスタメンに名を連ねたのは7月25日のこと。開幕から1ヶ月以上に渡って、代打、代走、守備固めといった役割を任されていた。まだ卒業には少し時間がかかりそうかと思われたが、その風向きが少し変わってきている。

初スタメンから起用法に変化

今シーズン初スタメンとなった7月25日の試合で廣岡は本塁打を放った。翌日の試合では5点差がついていたこともあり、9回からプロ入り以来初となる左翼の守備位置につく。残念ながら打球処理の機会はなかったが、外野と二塁の練習をしている、という報道があった矢先のことだ。

7月28日の試合では途中出場ながら、2打席目にバレンティン(ソフトバンク)を彷彿させるかのような、ライナーでレフトスタンドに突き刺さる本塁打。第3打席では飛距離がやや足りなかったものの、これぞアーチストという弾道の大きなレフトフライ。この弾道にはロマンが詰まっていた。

その翌日にはプロ入り以来初めて二塁で出場している。アクロバティックなジャンピングスロー、好判断と言える間一髪の送球と、随所に光るものを見せてくれた。初スタメンから1週間で本塁打を2本放ち、外野や二塁(山田哲人が離脱していることも無関係ではないだろうが)でも出場を果たしたのだ。

もちろんチーム事情もある。だが、ポジションこそ本職である遊撃ではないが、高津臣吾監督ら首脳陣の「期待の若手」から抜け出してほしい、という思いが詰まっているかのような一歩踏み込んだ起用法に変わってきた。そう見えてしょうがない。

歩みは遅くとも夢がある

もともと廣岡は多くの長打、それも本塁打を期待されていた存在だ。だが、ヤクルトで30本塁打以上を記録した過去の強打者を見ると、村上や山田はもちろん、池山隆寛、岩村明憲も高卒4年目までには規定打席に到達していた。廣岡は今シーズンが高卒5年目。彼らと比べると歩みは少し遅い。

それでも廣岡が放つ打球の弾道には夢がある。だからこそ首脳陣たちは、なんとかして廣岡を起用するために、これまで多く守っていた遊撃や三塁だけでなく、二塁や外野への挑戦を積極的に行わせているのではないだろうか。

来シーズン以降、遊撃でふたたび勝負するのか、それとも二塁や外野へ鞍替えをするのか。はたまたユーティリティー的な存在として生きていくのか。今の時点ではわからない。

本人の思い描く理想像、高津監督ら首脳陣の考え、ファンひとりひとりの期待……そのすべてが合致することはない。でも、どんな起用法であれ、「期待の若手」から卒業する活躍を期待していることは間違いない。

卒業、というと少し寂しくもあるが、きっと次なる「期待の若手」がすぐに現れる。ヤクルトはそういうチームだ。

だから心配しなくていい。誰しもが、廣岡の翼を広げる瞬間を待ち侘びている。

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記事:勝田聡

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