カイロはOK?厚着はNG?プロに聞く!北海道の冬山登山 歩き方ひとつにもコツがあった!
北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を連載。
自分の足で歩いた先にある絶景と、おいしいごはんは、もう最高です!
文化部出身・運動神経ゼロの私でも楽しめる「コスパはなまる山」を紹介していきます~!
今回は登山ガイドの野村良太さんと一緒に冬の円山を登山。
山のスペシャリストに聞く、冬山登山の基本や注意点や、魅力をたっぷり伺ってきました!
【連載】「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
期間限定の絶景スポット「冬山」
一面に広がる銀世界。
「シン…」と澄んだ空気を胸いっぱい吸って、吐くと、白くなった息に寒さを思い出します。
そして太陽のあたたかさを感じながら登ると、樹氷や雪原が…。
冬山登山は、夏山とはまた違った魅力があります。
一方で、遭難や滑落、凍傷や汗冷えでの低体温など、夏よりもより一層気をつけなければいけないポイントがいっぱい。
「冬山に挑戦したいけど、何が必要かわからない…」
「どんな服装で登ればいいの?」
そんな疑問にぜーんぶ答えるべく、今回一緒に登山してくれたのが、登山家・山岳ガイドの野村良太さんです。
なんと、63日間で宗谷岬から襟裳岬まで南北に約670キロメートルにもわたる北海道分水嶺を、積雪期に単独で縦断したという、とんでもなくすごい経験をした男性です。
野村さんが記した本も愛読している私、大興奮です…。
聞きたいことは山々ですが、まずは『冬山登山の服装』について伺いました。
冬山登山のポイント①服装
「ちょっと肌寒いかな?」くらいがベスト!
冬山登山で怖いのは「汗冷え」です。
この日私は寒さに備えて、ウールのインナー・フリース・薄手のダウンの3枚重ねで臨みましたが…
野村さんいわく「これだとちょっと着過ぎかな」とのこと!
「寒いから」と最初に着こみすぎると、冬とはいえ登山中にどんどん汗をかいてしまいます。
そして稜線や風の強いところに着いたときに一気に汗冷えして、体温を奪われる危険性があるのです。
なので「脱ぎ着しやすい格好で、体温調節をしながら登ること」が大切な基本。
ダウンやフリ-スなど重ね着に使える服をザックに入れて、最初は「少し肌寒いかな?」と思うくらいの服装で登り始めるといいそうです!
カイロはOK?
ちなみに、ふだんも愛用している「貼るカイロ」をこの日もおなかに貼ってきたんですが、これはOKなのでしょうか。
野村さんに聞いてみると、「体温調節の観点からはオススメではない」とのこと。
貼らないタイプのカイロをポケットなどに入れておいて、冷えてきたときにあたためるのならアリですが、貼るタイプはすぐに外せないのなら避けたほうがベター。
「面倒」を省く意味でも大事ですね。
冬山の登り方にコツが
標高225メートルの円山は、年中大人気です。
ロケを開始したのは午前中でしたが、すでにトレース(踏み跡)がしっかりついていました。
マストアイテム!アイゼン&ストック
雪が積もった登山道を登るときに必要になってくるアイテムは、アイゼンとストックの2つです。
アイゼンは、氷や雪の上で滑りにくくなる、金属製のツメがついた登山靴です。
写真のものは6本ツメですが、本格的な冬山になると10~12本のツメがついたアイゼンを着用するなど、用途によって使い分けます。
野村さんも、分水嶺を縦断したときは12本ツメのアイゼンを使っていましたが、円山ではツメの長さが短く着脱のしやすい低山むけのチェーンスパイクでした。
傾斜で滑りやすい冬山。また、雪のせいで夏よりも一歩一歩が重く大変になるので、ストックは体の負担軽減として重宝します。
私は夏に使っているストックの先端のキャップを、冬用のものに替えて使っていますが
野村さんは、スキーで使うストックを使っていました。
このふたつを活用して、冬山を登っていきます。
登り方のコツ2選
登るときにもコツがあります。
1点目は「小股で登ること」。
「大股で歩くと負荷がかかり疲れやすくなる」からです。
これは、夏の登山でも同じ。以前、山岳ガイド・奈良亘さんに登山の基本を教えていただいたときにも同じ指摘がありました。
2点目は「足の接地面を大きくすること」。
しっかり雪を踏みしめて、一歩一歩慎重に登ることを野村さんに教わりました。
「接地面を大きくする」ためには、斜面に対して垂直に足を置くことが大切。
「ザクッ」と音がなるくらい、アイゼンで雪を刺すイメージで登ると滑りにくいです。
冬山登山のポイント③クマの心配は?
これまで、冬山登山のメリットのひとつとして「クマが冬眠中で安全」というのがよく言われることのひとつだったと野村さんは話します。
しかし、ここ数年の状況はやはり違います。
「最近は『穴持たず』という冬眠していないクマが出るという話も聞くようになってきた」
クマ鈴やクマスプレー、自分でできる「クマ対策」はやはり冬も意識することが大切。
遭難対策の面からも複数で行動しましょう。
年間100日以上は山にいるという野村さんですが、円山は両手に収まる回数くらいしか登っていないとのこと。
「ガイドをするとなると、日高山脈や大雪山系が多くなるから…。札幌市内を一望できるこの景色はかえって新鮮」と笑顔がこぼれていました。
そして、野村さんが「夏山登山と一番違って一番気をつけないといけない」大事なポイントを教えてくれました!後編の記事でお伝えします。
連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。24年10月からHBCラジオで「言いたいことは山々ですが」(毎週金曜午後5時45分~6時半)スタート!HBCテレビでは「グッチーな!」「ジンギス談」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」「大江裕の北海道湯るり旅」などを担当。登山歴4年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中!
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は登山時(2026年1月)の情報に基づきます。