Yahoo! JAPAN

“推し”の卒業、結婚で10日間の有給休暇 ショック受ける社員見てドルヲタ社長が発案

キャリコネニュース

仕事とヲタ活は両立できる?

オタクがオタクらしく働くために――。推しの卒業時に有給休暇を付与するというユニークな勤務規定を新設した企業がネット上で注目を集めている。通称「推し体制」を導入したのが、広告やイベントなどの企画・制作を手掛ける企業「ひろろ」(東京都北区)だ。

新しい勤務規定では、推しが卒業する場合に一推しならば10日間、二推し以降ならば3日間の慶弔休暇を申請することができると定めている。さらに、推し本人が結婚する場合も10日間の申請が可能。また、この慶弔休暇は有給とし、通常の賃金が支給されることも明記されている。

「9nineの村田寛奈ちゃんを応援するための会社を作りました」


同社の鶴見至善代表は「弊社のスローガンは、"好きな気持で動く 好きな人のために動く 好きな気持を動かす。"です」と紹介する。設立の経緯については、

「自分と同じくらい、自分よりも好きな人や物のために、思いきり働ける会社にしたい。その結果、同じように好きな人や物を思いきり愛している人に届く仕事がしたい。という気持ちで、私の応援する9nineの村田寛奈ちゃん(24)を応援するための会社を作りました」

と説明。このため設立当初から、推しのライブ、イベントがある場合に、一週間前までの申請で、早退、必要日数の休暇が取得可能になるなどの「推し体制」自体はあったという。

今回、慶弔休暇として、推しの卒業と結婚を追加した背景については、

「卒業は、社員の推しのメイドカフェ店員、あっとほぉーむカフェのひるねちゃんが卒業をするということでショックが大きそうだったので、しっかりと休んでもらうために追加を決めました」
「結婚に関しては、一緒に仕事をしている声優ファンの男性が、応援している声優さんの結婚発表に動揺しすぎて仕事が手につかなくなっているのを見て、どちらもファンにとっては、仕事に明らかに支障をきたすと分かったので、今回の制度を追加いたしました」

とそれぞれのきっかけを明かした。

「推しが幸せになることが一番幸せだと改めて認識しました」

慶弔休暇の追加を決めた"思い"を聞くと、

「今回の規定は、年次有給休暇とは別に、追加で特別の休暇として取得する制度なのですが、卒業や結婚などファンにとっては、突発的かつ特別なダメージがある場合には、通常の慶弔休暇などと同じ様に『そのためのお休み』というものを設定した方がいいなと思いました」

と答える。その上で、慶弔休暇について「仕事と人生をうまく進めていくために、よく考えられた制度」と語る。規定の中で、推しの順番や期間を細かく決めた理由については、

「ルールとして決まっていた方が、気兼ねなく休みやすいのではないかと考えたからです。仕事に支障があまりでない範囲で元気になるまで、という形だとなかなか社員も休みづらいのだなと思いました」

と説明した。

慶弔休暇の追加を伝えたツイートは反響を集め、約4.9万件のいいね、約1.8万円のリツイートが付いている。鶴見代表は「こんなに話題になり、『働きたい』というコメントをたくさん頂けたのは本当に驚いていますし、嬉しかったです」と印象を語り、

「アイドル以外にもこういった場合の休暇はどうなりますか?とさまざまな『推し』を持つ方から反響が頂けて、改めて『推し』を人生の大切な要素として生きている方がこんなにたくさんいるんだと、感慨深かったです」

と話す。さらに「今回の件で、アイドルファンに限らず、さまざまな生き方の人に優しい働き方があるんじゃないかと思ってもらえて、少しでもいろんな人にやさしい世界が広がったらうれしいと思っています」と続けた。

また、社内でも「今回話題になったことで、僕も社員も自分の推しがメディアに取り上げられて宣伝に貢献できたことが、何よりうれしく盛り上がっているので、結局自分たちの仕事より、推しが幸せになることが一番幸せだと改めて認識しました」とやはりメリットには「推し」の存在を挙げる。

今後の方針については「弊社には推し休以外にも、ライブやグッズ購入などの補助金や、ファン同士の飲み会の交流会の補助金など、ファン活動を応援する規定を多く設けているのですが、コロナ前の規定になってしまい、どうしても今使いにくいものも多いので、どんな状況でも取得しやすいファン活動を応援できる規定が考えられたらより良いのかなと思います」とさらなる規定追加に意欲をのぞかせる。

「方針については、究極、弊社は村田寛奈ちゃんのために存在しているので、彼女のためになること=方針です。法人格のオタク、というコンセプトで会社をやっておりますので、会社の方針=推しの幸せです。仕事でもプライベートでも、主体的に主体性を放棄することで発見される可能性を追求していきます」

と「推し」の第一主義を掲げていた。

【関連記事】

おすすめの記事