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オリコン13週連続1位を獲得したドラマ「101回目のプロポーズ」の主題歌「SAY YES」でトップミュージシャンとなった2人組ユニットが初めてトップ10にチャートインしたメモリアルな1曲 チャゲ&飛鳥「万里の河」

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オリコン13週連続1位を獲得したドラマ「101回目のプロポーズ」の主題歌「SAY YES」でトップミュージシャンとなった2人組ユニットが初めてトップ10にチャートインしたメモリアルな1曲 チャゲ&飛鳥「万里の河」

 1988年に放送された陣内孝則、三上博史、浅野ゆう子出演のテレビドラマ「君の瞳をタイホする」を皮切りに、〝トレンディドラマ〟というフジテレビドラマの潮流となる多くの人気ドラマを輩出する「月9ドラマ」と呼ばれたドラマ枠がある。鈴木保奈美、織田裕二、江口洋介共演の「東京ラブストーリー」、浅野温子と武田鉄矢が共演した「101回目のプロポーズ」、安田成美、中森明菜共演の「素顔のままで」、石田ひかり、筒井道隆、木村拓哉、西島秀俊共演の「あすなろ白書」、江口洋介、福山雅治共演の「ひとつ屋根の下」、木村拓哉、山口智子、竹野内豊、稲森いずみ、松たか子共演「ロングバケーション」、松嶋菜々子、堤真一共演の「やまとなでしこ」などなど、すべて「月9ドラマ」である。

 人気の若手俳優たちを主役にすえ、いずれも高視聴率を稼いだ、今となってはすでに懐かしいとさえ思える「月9ドラマ」にまだ大きなブランド力があったころの作品だ。「東京ラブストーリー」の坂元裕二、「101回目のプロポーズ」や「ひとつ屋根の下」の野島伸司を皮切りに、後年のヒット作を手がける脚本家たちを輩出したという功績もある。もう一つ「月9ドラマ」が果たした大きな役割といえば、日本歌謡史に刻まれる爆発的ヒットとなる主題歌を生み出したことが挙げられるだろう。

 オリコン集計によると、「月9ドラマ」の主題歌で最大のヒットとなったのは、「素顔のままで」の主題歌で米米CLUBが歌った「君がいるだけで」。総売上枚数は289.5万枚だという。「君の瞳をタイホする」の主題歌は久保田利伸「You were mine」、「東京ラブストーリー」の主題歌は小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」、「あすなろ白書」の主題歌は藤井フミヤの「TRUE LOVE」、「ひとつ屋根の下」はパート1が財津和夫の「サボテンの花~ひとつ屋根の下より~」、パート2がチューリップの「サボテンの花」、和久井映見、堤真一共演「ピュア」の主題歌はMr.Childen「名もなき詩」、「ロングバケーション」は久保田利伸 with ナオミ・キャンベル「LA・LA・LA LOVE SONG」、和久井映見と反町隆史が共演した「バージンロード」は安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」、「やまとなでしこ」はMISIAの「Everything」、木村拓哉、松たか子共演「HERO」の主題歌は宇多田ヒカル「Can You Keep A SECRET?」という具合だ。

 そしてトレンディ女優の代表格であった浅野温子と、トレンディとはかけ離れたイメージの武田鉄矢のW主演で91年に放送され、武田の「僕は死にましぇん」のセリフが今でも語り草となっている「101回目のプロポーズ」の主題歌はCHAGE&ASKAの「SAY YES」で、282.5万枚のセールスを誇り、「月9」主題歌では「君がいるだけで」に次ぐ売り上げだ。作詞・作曲は飛鳥涼が手がけている。7月1日にドラマ放送がスタートし、7月24日に〝チャゲアス〟27枚目のシングルCD(ドーナツ盤ではない)としてリリースされた。ユニットの表記名はチャゲ&飛鳥からCHAGE&ASUKAを経て、CHAGE&ASKAに変わっていた。ちなみに2001年からはCHAGE and ASKAと表記されている。

 リリースされるや8月5日付のオリコン週間ランキングで初登場1位となり、その後13週連続で1位を記録し、ユニットにとっても最大の売上を記録した。91年のオリコン年間シングルランキングでは、集計期間の関係もあるだろうが小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」に次いで2位だったが、総売上数では上回っている。2曲とも「月9ドラマ」から誕生しており、「月9ドラマ」の注目度が高かったという証明になるだろう。

 この企画は〝ドーナツ盤〟時代の流行歌ということで、ここで紹介するのは80年9月25日にリリースされたチャゲ&飛鳥3枚目のシングルとなる「万里の河」。作詞・作曲共に飛鳥涼。編曲は〝チャゲアス〟の79年のデビュー曲「ひとり咲き」から88年のアルバム『ENERGY』まで楽曲の半数の編曲を手がけ、徳永英明の「壊れかけのRadio」の編曲でも知られる瀬尾一三が手がけている。

 チャゲと飛鳥の出会いは福岡での高校時代で、2人とも第一経済大学(現・日本経済大学)へ進学し、在学中に第15回ヤマハポピュラーソングコンテストにそれぞれ別々で出場し、本コンテスト福岡大会でチャゲがグランプリを、飛鳥が最優秀歌唱賞を受賞。九州大会へ進む際に、ヤマハの九州地区担当ディレクターの提案により、ここで初めてチャゲと飛鳥によるデュオが誕生し、7人編成のバンド「チャゲと飛鳥」として活動を始める。そして78年の第16回ヤマハポピュラーソングコンテストの直前に「チャゲ&飛鳥」となり「流恋情歌」でつま恋本選会に進み入賞を果たした。翌79年の第17回ヤマハポピュラーソングコンテストに「ひとり咲き」で本選に進むが入賞に終わっている。このころ、チャゲと飛鳥の2人でのレコードデビューの話が進行していた。

 そして、79年8月25日にワーナー・パイオニア(現・ワーナーミュージック・ジャパン)から「ひとり咲き」でデビューを果たした。キャッチフレーズは「九州から大型台風上陸! 熱い喉が衝き叫ぶ!」というものだった。ぼくが初めてチャゲ&飛鳥をテレビで見たのは、そのころでテレビの「夜のヒットスタジオ」でだったと思う。調べてみると11月12日放送の「夜のヒットスタジオ」に出演していた。ポプコンことヤマハポピュラーソングコンテストも興味をもって注目していたし、同郷のミュージシャンということもあり、「ひとり咲き」はぼくの中に特別な感慨をもって響いてきたが、「あんた」「あたい」という歌詞がフォークというより、演歌のようにも聞こえた。世良公則&ツイストの「あんたのバラード」を連想したことを憶えている。

 
 80年2月には第16回のポプコンで歌唱した「流恋情歌」が2枚目シングルとしてリリースされ、9月に3枚目のシングルとしてリリースされたのが「万里の河」だ。

 この曲は、オリコン週間ランキングで最高位6位を記録し、チャゲアスが初めてトップ10入りを果たした曲としても記憶される。中国風のオリエンタルな旋律を取り入れた、どこか悠久の大河の流れをイメージさせるスケール感のある曲で、飛鳥の豊かな声量が活かされている曲だ。

 11月27日放送の「ザ・ベストテン」のスポットライトで紹介されたのが、チャゲアス初の「ザ・ベストテン」出演で、ベストテンにランクインしたのは、12月18日に8位で初登場したときだった。レコード発売から3か月近くたっている。この曲がじわじわと世の中に浸透していったことがわかる。翌週はベストテン圏外となるが、年が明けて1月8日は4位で再ランクインしている。また1月15日の放送では中継で、開業前の東北新幹線をバックに歌唱し、多くの人の記憶に刻まれていることだろう。

 あなたへの届かぬ愛をさえぎるのは深く冷たいこの河の流れだけなのでしょうか、あなたの愛をどれだけ待てばいいのですかと日々思い続ける女性。「遠い昔のおとぎ話の恋のように」と歌詞に歌われるように、オリエンタル風のメロディも手伝って、どこか女性の愛の深さというか、情念を感じさせられる、中国の古くから伝わる伝承寓話のような世界を想像させる。

 チャゲ&飛鳥の曲が「ザ・ベストテン」にランクインしたのは、85年にレコード会社をキャニオン・レコード(現・ポニーキャニオン)に移籍して初のシングルとなる通算14枚目のシングル「モーニングムーン」の2曲だけである。この曲あたりから2人のファッションも以前よりスタイリッシュになってくる。おそらく専属のスタイリストがつくようになったのだろう。大ヒット曲「SAY YES」のリリースは91年で、そのときには「ザ・ベストテン」も終了していた。

 そのほかにもチャゲアスの曲として話題になった曲には、古村比呂と野村宏伸共演のテレビ朝日系連続ドラマ「あぶない雑居カップル」のユニット初となるドラマ主題歌「恋人はワイン色」、日本航空「JAL‘92沖縄キャンペーン」のCMソング「LOVE SONG」、日清食品「カップヌードル レッドゾーン」、ヤマハ発動機オフロードバイク「YAMAHA TT250R」のCMソング「太陽と埃の中で」、CYAGEとASKAが出演したパナソニックオーディオ「HALF コンポ」のCMソング「君はこの瞳で嘘をつく」、やはり2人が出演したパナソニック「シェルロック」のCMソングでミリオンセラーとなった「if」、三谷幸喜の本格的テレビドラマデビュー作とも言われる織田裕二と石黒賢主演のフジテレビ系連続ドラマ「振り返れば奴がいる」の主題歌で、「SAY YES」以来2作目のダブルミリオンを達成し、93年度オリコン年間チャート1位となった「YAH YAH YAH」などが容易に思い出される。

 個人での活躍でも、チャゲは石川優子とのコラボレーションで「ふたりの愛ランド」をヒットさせ、飛鳥は83年に葛城ユキのカバーでヒットした「ボヘミアン」の作詞を手がけ(作曲は井上大輔)、87年から88年には光GENJIに提供した「STAR LIGHT」(作曲はCHAGEと共作)、「ガラスの十代」、「パラダイス銀河」(88年年間シングルチャート1位、日本レコード大賞受賞)を立て続けに大ヒットさせ、ちあきなおみのアルバム収録曲「伝わりますか」の作詞・作曲も手がけた。また、91年には斉藤由貴、三田佳子、唐沢寿明出演、森田芳光監督映画『おいしい結婚』の主題歌「はじまりはいつも雨」をASKAとしてリリースし、91年度オリコン年間チャート5位となるヒットとなり、東芝EMI移籍後初のシングルとなる「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」はオリコン週間チャート1位のヒット曲となった。

「万里の河」を聴き直してみて、さらに「ひとり咲き」、「モーニングムーン」、「恋人はワイン色」、「LOVE SONG」と聴くに及んで、個人それぞれの活動においても豊かな才能を感じさせられるが、ぼくはやはりCHAGE and ASKAとしてのステージが好きだったことを確認することになった。

文=渋村 徹 イラスト=山﨑杉夫

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