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「水の恵みと環境の大切さを可視化したい」水中・水辺のフォトジャーナリスト高野弘 大阪府豊中市

高知県まとめサイト 高知家の○○

大阪府豊中市の自然豊かな公園、服部緑地。そのそばに仕事場兼自宅を構える高野弘さんは、高知県出身。大学進学を機に関西へ出てこられたあと世界を旅して、現在は「水中・水辺」の撮影を専門にする全国でも数少ない写真家に。

美しさだけでなく、「環境」「都市とのつながり」といったテーマ性がある写真・映像は、数多くの企業・団体で活用されています。

写真家としてだけでなく、「ジャーナリスト」として、水環境の大切さを伝える社会活動にも力を注ぐ高野さんには、もう一つの顔も。今回は、ジャーナリストとしての高野さんの活動のほか、もう一つの顔にも迫りました。

高知県・須崎市を流れる新荘川の近くで生まれ育ち、世界で仕事をしたいと進学を機に大阪へ。亡き父の導きで水中写真の世界へ

―大阪を拠点に水中撮影を始められたきっかけは?

高野さん:生まれは兵庫県ですが、1歳から高校3年生まで高知県須崎市でずっと育ったので、高知県が故郷です。(絶滅種に指定された)ニホンカワウソが最後に確認された清流・新荘川が遊び場でした。

転機は学生時代。高校を出て、世界で仕事をしたいと関西外国語大学に進んだのですが、在学中に、父が病で急逝してしまったんです。それがショックで、大学を1年休んで、欧米7カ国を一人旅しました。

―それはつらい経験でしたね。ただ、出会いもあった。

高野さん:その際、ベルギーでビールを醸造している修道院を訪れたのですが、修道士が命のように水を大切に扱っている姿に出会いました。各地で水の利用を巡る争いの歴史にも触れたりして、「水」に強い関心を抱くようになりました。

高野さん:大学を出てすぐにフォトジャーナリストを目指したのですが、縁があって、国際性の高い展示の企画・運営をしている社団法人「大阪国際見本市委員会」に就職。国際部に配属され、働きながら、ダイビングのライセンスや潜水士の資格も取り、水中カメラを買って、20代から二足のわらじで撮影技術を学びました。

―就職すると、目標や夢を見失いがちですが、高野さんは、目標に向かって地道に準備されたわけですね。

高野さん:仕事を写真1本に絞ったのは40代半ばを過ぎてからです。見本市委員会在職中は折衝で海外を飛び回っていましたので、各国の政府観光局といった海外とのネットワークが今も大変役立っています。今思えば、写真への道は亡き父の導きという気がします。

環境問題、漁業、食…美しいだけでなく「ビジュアルで地球の今を伝える」写真を長年模索 企業から広告オファーも

―「水中・水辺」が専門とのことですが、どんな写真・映像を撮影していますか?

高野さん:「水はあらゆる生命のみなもと」をコンセプトに、水中・水辺の自然・生き物から観光・農漁業、食文化まで、海・川・湖に関する様々なものを撮ってきました。南太平洋のサンゴ礁や沖縄・八重山諸島のマングローブ林。ウミガメや熱帯の魚たち。故郷・高知県の川で生きるアユの一生、北海道・利尻島のコンブの森、大阪湾でたくましく生きるタコまで…。世界40カ国、日本国内でも各地で撮影・取材を重ねてきました。

―高野さんがホームページで公開されている作品を見ていくと、単に美しいだけでなく、地球環境や漁業といった人の営みについて考えさせられる作品がたくさんありますね。

高野さん:2005年、南太平洋のフィジー諸島で地元の漁師が「波打ち際が数年ごとに陸地に近づいている」と絵に描いて片言で訴えてきました。地球温暖化で海水面が上昇しているわけです。水温の変化や「記録的な大雨が降って、洪水で仲間が犠牲になった」という話もする。以来、ほかの島でも海水面の上昇が気にかかり、それが分かる写真を撮るようになりました。

―日本でも「環境」について考えさせる写真を撮っておられますよね。

高野さん:日本国内でも、滋賀県の琵琶湖では過去に、藻が異常発生した湖底や、固有種の魚の卵を食べてしまう外来魚ブラックバス(オオクチバス)の生態も撮影しています。高知県内の川では、ウナギやアユが「昔に比べてサイズが小さくなった」と嘆く声を漁師から聞くようになりました。

―(高野さんが撮った作品群を見ながら)1枚1枚にメッセージや物語がありますよね。

高野さん:(写真を見せながら)インド政府観光局の仕事で撮ったゾウの写真があるんです。ゾウが海を泳ぐ姿を水中から撮影したのですが、どういう写真か分かりますか? ゾウたちは木材の運搬を長年担ってきたのですが、雨不足による渇水で苦しむインド政府が森林伐採を禁止し、仕事から解放されました。本来は山中で働くゾウが飼い主と海辺まで下りてきて、水浴びがてら泳いでいるのがこの写真です。

各国の政府観光局などの仕事も多いのですが、近年は、作品の信頼性が評価されて、環境問題に取り組む会社や食の生産者、漁協など企業・団体に写真・映像を提供し、ホームページや広告、商品のパッケージなどに使っていただいています。

身近なのに変化には気づきにくい「水」。写真だけでなく、歌を交えた講演も。音楽でも「大切さを伝えたい」

―写真だけでなく、音楽を交えた講演でも「水」「環境」について伝えられる活動をされています。

高野さん:蛇口をひねると安全な飲み水が得られる日本にいると、実感が湧きにくいと思いますが、地球上の水のほとんどは海水で、人間が飲用に使える水はおよそ0.007%しかありません。

「水」は国境を越えた世界共通の重要テーマなのですが、身近であるがゆえに、多くの人は、その大切さや水をめぐる環境の変化に気づかない。それを写真や映像といったビジュアル(視覚)で伝えていきたいと思っていますし、そうしたことに取り組む企業や団体のお役に立ちたいと考えています。

―ほかにも特技をお持ちだとか。

高野さん:実は音楽も好きで、「水」や「生命」をテーマにした作詞・作曲もしています。今では、自分が撮った写真・映像を上映しながら体験を話し、オリジナル曲をギターで演奏する少しユニークな講演「フォトコンサート」もしています。

―愛知万博でも歌われたそうですね。

高野さん:2003年には世界水フォーラムの大阪会場、2005年には愛知万博「愛・地球博」のホールで演奏しました。写真・映像は視覚に直接訴えることで「文章よりも訴える力が100倍大きい」とも言われますが、歌を加えることで、子どもからお年寄りまで優しくメッセージが伝わります。

政府観光局や企業、漁業者などさまざまな方と今も仕事をしていますが、学校などで講演もしています。世界の海・川・湖を長年見てきて経験を生かして、国内外で子どもたちにも「水の恵み」や「環境」について伝えていきたい。(写真はいずれも高野さん提供)

活動情報

有限会社アクアイメージ

代表:高野弘

住所:大阪府豊中市

業務内容:撮影、取材・執筆、広告・雑誌など向け写真・映像の提供、講演(フォトコンサート)

URL:http://www.aquaimage.co.jp

E-mail: info@aquaimage.co.jp

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