新興国の高齢化が進むなか、地理的ポテンシャルを秘めている、今後伸びていく国はどこ?【図解 地理と経済の話】
地理的ポテンシャルを秘めている、今後伸びていく国はどこ?【図解 地理と経済の話】
BRICSとこれに続く新興国
21世紀に入り、著しい経済成長を見せた国々があります。ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国で、頭文字をつなげたBRICSの総称で呼ばれています。
いずれも広大な国土と、豊富な天然資源を持つ点が共通しています。人口が多く、労働力が潤沢にある点も重要なポイントでしょう。つまり本来的に持っていたポテンシャルを発揮した結果が、経済成長へとつながったのです。
首脳会議を行うなど連携を強めるBRICS諸国は、2010年代に入ると南アフリカをくわえてBRICSとなりました。そして22024年には、エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)が加盟して計9カ国の巨大な経済圏に。今やBRICSは世界のGDPの約28%、原油生産量の約44%を占めるほどになりました。
ただ、BRICSを牽引してきたブラジル、ロシア、中国の経済がここに来て減速。代わって人件費の安いベトナム、インドネシア、ミャンマーといった東南アジア諸国が台頭してきています。先進国や21世紀初頭の新興国の高齢化が進むなか、これらの国々は平均年齢が若く、市場としての可能性が大きいのも特筆すべき点です。新・新興国として、今後ますます注目すべき国々といえるでしょう。
21世紀初頭の4つの新興国
BRICsはもともと、21世紀初頭に著しい経済成長を見せた4つの新興国の総称。いずれ
も広大な土地に多くの人口を抱え、天然資源も豊富なため外国からの投資が進んだ。
次なる「世界の工場」は東南アジア?
工業化を成し遂げ大量の製品を世界に送り出す輸出大国を「世界の工場」と呼ぶこ
とがある。18~19世紀のイギリス、20世紀のアメリカ、日本、そして現在の中国だ。
次に世界の工場となるのは東南アジア諸国だろうか、あるいはインドだろうか……。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』