焼津市の建設会社・橋本組、「えるぼし認定」最上位に 女性活躍推進法に基づく全項目をクリア
橋本組(静岡県焼津市)は12月23日、女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」において、最上位となる認定段階3を取得したと発表した。えるぼし認定の中でも、全ての評価項目を満たす認定段階3は、取得できる企業が限られている。
「えるぼし認定」は、採用、就業継続、労働時間、管理職比率、多様なキャリアコースの5項目について、国が企業の雇用管理体制を多角的に審査する制度である。認定段階3は、これら全ての基準を満たした企業のみが認められる。
建設業界における人材定着の課題
建設業界では、人材の確保と定着が継続的な課題となっている。国土交通省の白書でも、建設業就業者の高齢化や若年層の入職減少が指摘されている。
現場中心の働き方や労働時間の長さなどを背景に、女性や若手人材が定着しにくいとの指摘もある。橋本組においても、こうした業界環境の中で、人材の確保と定着が経営上の課題の一つとなっていた。
制度を「使われる前提」で再設計
同社はこうした課題を踏まえ、人事制度を形式的に整えるのではなく、実際に利用されることを前提とした制度設計と業務の見直しを進めてきた。
短時間勤務正社員制度や在宅勤務、遠隔地勤務といった柔軟な働き方を整備するとともに、業務分担や引き継ぎ方法の見直しを実施。特定の社員に業務負荷が集中しないよう、業務の可視化や役割分担を進めている。
働き方・業務を支える制度と環境整備
同社では、完全週休2日制を実施しているほか、全社員にiPhoneとパソコンを貸与し、社内SNSを活用して情報共有。社内SNSには全社員が日報を投稿し、業務連絡や会社からのお知らせも同システムを通じて配信されている。場所を問わずアクセスできる仕組みとすることで、業務の効率化や円滑なコミュニケーションにつなげているという。
また、全社員が年1回取得できる「クリエイティブ休暇(9連休)」の取得を奨励しているほか、配偶者出産特別休暇、産業医による健康相談、メンタルヘルスケアやハラスメント対策のための相談窓口設置など、働きやすさを支える制度も整備している。社員寮や提携保育園を設けるなど、生活面を支援する取り組みも行っている。
数字で見る女性活躍の現状
その結果、えるぼし制度の対象となる60歳未満の社員230人のうち、女性社員は60人と全体の26%を占める。工務、設計、技術支援などの技術系部門で働く女性は30人にのぼり、女性管理職比率は15.4%となっている。また、育児休業後の職場復帰率は100%を継続している。
「制度は作って終わりではない」現場運用を重視した取り組み
制度の定着に向け、同社では現場での運用や社員の意識づくりにも継続的に取り組んできた。
総務部門エグゼクティブの橋本節子氏は、「制度は作って終わりではなく、現場に根づくまで粘り強く向き合うことが大切だと考えてきた。以前は『建設業だから難しい』という空気もあったが、現在は前向きに制度を活用しようとする動きが広がっている」とコメントしている。
社員のスキルアップと成長を後押し
同社では2019年以降、毎年20人前後の新卒採用を継続しており、現在約280人規模の組織の中で、若手社員の育成と定着に取り組んできた。
資格取得支援にも力を入れており、業務に必要な国家資格を取得した社員には、合格時に奨励金を支給している。奨励金は資格に応じて上限10万円、1級建築士については上限100万円としているほか、取得資格に応じた技術料を毎月の給与に反映している。
橋本組は、今回のえるぼし認定について、これまでの取り組みの積み重ねが評価されたものと受け止めている。今後も、ライフステージに左右されずに働き続けられる職場環境の整備を進め、人材の確保と定着に向けた取り組みを継続していく方針だ。
橋本組の発表の詳細は、公式リリース(PR TIMES)で確認できる。