【新潟県内企業の意識調査】カスハラ、県内企業12.3%が「被害あり」と回答、帝国データバンク新潟支店が発表
「カスタマーハラスメントに関する新潟県内企業の意識調査」帝国データバンク新潟支店発表資料より引用
帝国データバンク新潟支店(新潟市中央区)はこのほど、2024年6月に実施した「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に関する調査結果を公表した。この調査は新潟県内の企業を対象に、直近1年以内のカスハラ被害や企業の対応状況について尋ねたもの。
調査の結果、カスハラ被害を受けたと回答した新潟県内の企業は12.3%で、全国平均(15.7%)を3.4ポイント下回った。調査対象の企業のうち、カスハラ被害が「ない」と回答した企業は64.8%にのぼり、被害を受けた企業の5倍以上に達している。また、被害の有無が「分からない」と回答した企業も23.0%存在した。
業界別にみると、主に個人を相手にする「小売業」で30.0%と最も高い被害率を示し、次いで「サービス業」が20.0%となった。多くの企業が通常の接客を行っていても顧客の気分によって罵倒されることがあるとし、従業員の精神的負担が大きいことが分かる。
カスハラへの対応策に関しては、調査に回答した企業の約半数が何らかの取り組みを行っている。「顧客対応の記録」を導入している企業が18.4%と最も多く、次いで「サポート体制の構築」(9.8%)や「警察・警備会社との連携」(8.6%)などが挙げられた。
一方で、「特に取り組んでいない」と回答した企業も49.6%とほぼ半数に達しており、カスハラ対策は企業間で大きな差があることが浮き彫りになっている。
帝国データバンク新潟支店は、「被害を受けた企業はもとより、受けていない企業においても、従業員の働きやすい環境や円滑な商取引を維持するため、カスハラ対策は必要。セクハラやパワハラのように社会的にカスハラの基準を明確化し、カスハラ防止に向けた気運を高めることが重要といえる」と指摘している。