認知症改善効果も報告されている「水」。1回に飲むべき量と飲み方を解説
大好きだった祖母が認知症を発症したことをきっかけに、認知症の予防法の普及に生涯をかける決心をしたという山根 一彦さん。医学博士として、認知症専門人材の育成、教材開発に携わってきました。これまで多数の認知症関連書籍の監修・執筆活動を行ってきた山根さんが、著書『OK食材、NG食材もズバリ!認知症を防ぐ最高の食べ方』(KADOKAWA)で伝授しているのは、認知症の最新情報や、認知症を予防、改善するための食材や食べ方です。今回はその中から、認知症リスクを減らすために毎日食べたい食材の食べ方と選び方をご紹介します。
※本記事は山根 一彦著の書籍「OK食材、NG食材もズバリ! 認知症を防ぐ最高の食べ方」から一部抜粋・編集しました。
人が一度に吸収できる水分量は、せいぜい200ミリリットルほど。一般的な湯呑みは、7~8割注いで100ミリリットルほどですので、「湯呑みに軽く2杯」が1回に飲む量の目安。これを1日8回(起きている間は2時間に1回ペース)で飲むのが理想です。
あまりに大量の水を一気に飲むのは危険で、「水中毒」を起こす可能性があります。水中毒を起こすと、低ナトリウム血症に陥り、めまい、頭痛、吐き気などに襲われます。
体内の水分の主な役割は下のとおりです。
体内の水分の主な役割
・体温を保つ。
・体中の細胞の働きを支える。
・栄養分や老廃物を血液中に溶かして運ぶ。
脳内に蓄積して認知症に導くあの老廃物、アミロイドβを洗い流すのも水分の大事な役割です。水分が足りていなければ、アミロイドβも溜まりやすくなります。
驚くべきことに、体内の水分が1~2%減るだけで、認知機能の低下につながるということもわかっています。体重50キログラムの人なら、1~2%とは300~600ミリリットル。ペットボトル1本前後の水が不足するだけで、脳の機能に支障が出るのです。
運動をしたりして、普段よりも余計に汗をかいたときは、さらに多めの水分補給が必要です。汗には塩分が含まれるので、汗をかいたときは塩水がおすすめ。濃度は0.2%(水500ミリリットルに塩1グラム)が目安です。
水分補給には水が一番です。あるいは緑茶を水代わりにしてもいいですが、カフェインが含まれるので飲み方には少し注意が必要です。清涼飲料水やジュース、スポーツドリンクなど、甘み成分が入っているものはNGです。
経口補水液もやめておきましょう。けっこうな量の塩分や糖分が含まれるからです。経口補水液を摂っていいのは、熱中症、発熱、下痢や嘔吐があるときなどの緊急時のみです。
水道水を飲む場合は、塩素や水道管のサビが心配ですので、いったん沸騰させるか、浄水してから飲むのがベターです。
市販のミネラルウォーターを飲む場合は、国産でも外国産でも自分の好みのものを選べばOKです。
水は毎日たっぷり飲むもの。おいしく飲めて、経済的に負担にならないものを選びましょう。
POINT!
水分をじゅうぶんに摂るには「湯呑みに軽く2杯」を2時間おきに。