一卵性の三つ子、全員が卵膜に包まれて誕生し「最も美しい光景」と写真家(ブラジル)
ブラジル、サンパウロの私立病院で11月7日、一卵性の三つ子が帝王切開で生まれた。3人は女の子で、全員が卵膜に包まれた被膜児だったことから、医師や家族、そしてその瞬間を記録していた写真家を驚かせた。神秘的な赤ちゃんの写真とともに、ブラジルのネットメディア『Crescer』が伝えた。
【写真】卵膜の中に赤ちゃんの足が確認できる。写真家も「立ち会えたことを心から嬉しく思う」と述べていた
11月7日、サンパウロのサン・ルイス・スター産科病院で、アンドリエッリ・ファブリーニさん(Andrielli Fabrini)が一卵性の三つ子を出産した。
アンドリエッリさんは妊娠30週を過ぎた頃、強い陣痛に襲われて入院し、医師は早産を防ぐための治療を開始した。しかし、7日未明に再び陣痛が強まり、帝王切開で出産に至った。
産科のワグナー・ヘルナンデス医師(Dr. Wagner Hernandez)によると、アンドリエッリさんのケースは非常に稀で、三つ子を自然妊娠しただけでなく、胎盤が1つである「一絨毛膜性」で、3人がそれぞれの膜に包まれていた。それでも同医師は「赤ちゃんに負担をかけないよう慎重に取り出す工夫をした」と明かしており、「赤ちゃんは被膜児で、患者は喜んでくれた。出産は大成功だった」と笑顔を見せた。
そしてアンドリエッリさんは三つ子誕生までの軌跡について、次のように話した。
「妊娠6週で最初の超音波検査をした時は、双子と言われました。でも、妊娠8週で三つ子と判明したんです。多胎で早産の可能性もあったから、妊娠中は特別なケアが必要で、私たちは妊娠30週以降での出産を目指していました。3人は妊娠31週で誕生したから、目標を達成できたことを本当に嬉しく思います。」
こうして帝王切開で誕生したのは、カタリーナ・エミちゃん(Catarina Emi)、イザベル・サユリちゃん(Isabel Sayuri)、メリーナ・アヤちゃん(Melina Aya)で、誕生後は新生児集中治療室に入院した。
なお、当時の分娩の様子は、出産シーンの撮影を専門とする写真家レナータ・ベルトリーニさん(Renata Bertolini)が捉えており、どの写真も非常に神秘的である。レナータさんは「被膜児の誕生は、普段目にすることのない羊水の中の様子を直接見る特別な機会だった。あの場に立ち会えたことを心から嬉しく思っています」と明かすと、こう続けた。
「赤ちゃんの一人は、まだ羊水の中にいる時に目を開きました。そして別の子は、卵膜が破れる前に泣いていました。赤ちゃんの誕生を撮影する写真家としては、あれは最も重要な瞬間の一つであり、これまで見てきた中で最も美しい光景でした。」
一方、アンドリエッリさんは「卵膜に包まれて誕生したあの子たちはとても美しく、感動に胸が震えました」と明かし、次のように語った。
「私は子供たちの誕生の瞬間を直接見ることはできなかったため、夫が全てを伝えてくれました。『最初の子、カタリーナが卵膜に包まれて出てきた。彼女は羊水の中で泣いているよ』とね。そして卵膜が破れ、カタリーナの泣き声が聞こえてきた時は胸がいっぱいになり、言葉にならない感情が込み上げました。あの泣き声は一生忘れることはないでしょうし、あの瞬間、私は母になったと心から感じました。」
ちなみに、被膜児は「幸せの帽子を被った子供」を意味する“幸帽児(こうぼうじ)”と呼ばれ、古くから幸運の象徴とされており、今年5月にもブラジルで四つ子の1人が被膜児で誕生し、注目を集めた。
画像は『The Brussels Times 「One in a million: Identical triplets born in Flemish hospital」(Credit: Canva)』『Crescer 「1 em 100 mil: trigêmeas idênticas nascem empelicadas em SP」(Foto: Renata Bertolini)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)