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井端監督「大学ジャパンの4番打者はプロで活躍」を検証 2014年以降の国際大会で4番を務めた打者の“その後”

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吉田正尚,Ⓒゲッティイメージズ

青山学院大・西川史礁がトップチーム入り

野球日本代表「侍ジャパン」は14日、3月6日と7日に京セラドーム大阪で行われる『カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表』の出場選手を発表した。

昨春のWBC優勝メンバーと昨秋の井端ジャパン初陣『カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023』組が中心となった構成のなかで、ひと際注目を集めたのが現役大学生の4名。今秋のドラフト会議の主役として熱視線を浴びる明治大の遊撃手・宗山塁を筆頭に、投手では関西大の金丸夢斗と愛知工業大の中村優斗、野手では青山学院大・西川史礁もトップチームのメンバー入りを果たした。

井端弘和監督は大学生の選出について「今年のドラフトで(プロに)入ってくる選手であることは間違いない。入ってきてすぐに侍ジャパンに入れるだけの力を持っている」と実力を高く評価したうえで、「この先のWBCや五輪を見据えたところで、学生の間に一度侍のユニフォームを着ておくことも彼らにとってはプラスかなと思った」と招集に至った経緯を説明している。

その後、質疑応答で各選手の特徴や期待することを問われた中で、青学大・西川に関して「3年時から大学ジャパンの4番を任され、飛距離は大学生では抜けた存在。大学ジャパンの4番打者は後にプロに入ってからもみんな活躍しているので、その辺は期待したいと思う」とコメント。昨年の『第44回 日米大学野球選手権大会』では3年生ながら全試合で4番を任され、2大会連続20回目の優勝に貢献した実績を評価した。

そこで気になるのが、井端監督が強調した「大学ジャパンの4番打者」という肩書だ。過去にはどんな選手がいて、どれほどの活躍を見せているのか。ここでは侍ジャパンの公式サイトで確認ができる2014年以降の大学代表の過去の国際大会において、4番を任された選手をピックアップ。その後の活躍を調査してみた。なお、同一大会で4番打者が複数いた場合は、決勝(最終戦)で4番に入った選手を優先してまとめている。


WBCでも4番を務めた吉田正尚

2014年の『第27回 ハーレムベースボールウィーク』で全試合4番を務めたのが、現・ロッテの中村奨吾だ。その年の秋にドラフト1位でロッテから指名を受け、ルーキーイヤーから111試合に出場。今やロッテのキャプテンとしてチームを支えている。

その翌年、『第28回 ユニバーシアード競技大会』では現在MLBのボストン・レッドソックスで活躍する吉田正尚が全試合で4番を務めた。こちらも2015年の秋にドラフト1位でオリックスから指名を受け、1年目と2年目は故障もあってフル稼働とはならなかったが、2018年からはチームの主軸として君臨。2023年から活躍の場をメジャーに移した。

また、そのMLB1年目のシーズン前に行われたWBCにも侍ジャパンの一員として参戦。途中から不振の村上宗隆に代わって4番を任されると、準決勝のメキシコ戦では3点ビハインドの7回にチームを救う起死回生の同点3ラン。世界一奪還に大きく貢献したことは記憶に新しい。

さらに2016年の『第40回日米大学野球選手権大会』では、現・阪神の大山悠輔が同じように全試合に4番として出場。同じように秋のドラフト会議で1位指名を受けており、2014年から2016年までは毎年大学日本代表の4番がドラフト1位指名を受けてプロ入りを果たしている。

卒業から4年でWBCに出場した牧秀悟

2017年は『第41回日米大学野球選手権大会』と『第29回 ユニバーシアード競技大会』の2大会が行われたが、いずれの大会も4番は現・DeNAの楠本泰史が担った。秋のドラフトでは8位指名で、実績的にも前出の3名と比べると見劣りするものの、ここ数年は代打の切り札として存在感を増しているだけに、今季は定位置獲得に期待がかかる。

2018年は『第42回 日米大学野球選手権大会』と『第6回 FISU世界大学野球選手権大会 2018』、『第29回 ハーレムベースボールウィーク』という3つの大会が行われた年。なかでも全勝で12大会ぶり4度目の優勝を収めた『第29回 ハーレムベースボールウィーク』で全試合4番を任されたのが、現・オリックスの頓宮裕真だった。こちらもドラフト2位でプロ入り後は定位置獲得まで苦しむ日々が続いたが、昨季は自身初の規定打席到達を果たし、打率.307で首位打者のタイトルも獲得。ベストナインにも輝くなど、しっかりと頭角を現してきている。

ちなみに、2018年の『第42回 日米大学野球選手権大会』では頓宮のほかに伊藤裕季也(現・楽天)も4番を務めており、『第6回 FISU世界大学野球選手権大会 2018』では当時早稲田大で現在は社会人の東京ガスでプレーする加藤雅樹と、2018年のドラフト2位でヤクルトに入団も自由契約となり、今季はオイシックス新潟アルビレックスBCでプレーする中山翔太が4番を任されていた。

2019年の『第43回 日米大学野球選手権大会』では、現在DeNAの主軸として活躍する牧秀悟が4番を張った。当初は現・ロッテの佐藤都志也が4番を務めるも、1勝1敗で迎えた第3戦から牧が4番へ。負けたら終わりの第4戦でバックスクリーンに叩き込む一発を放ち、最終第5戦でも貴重な追加点となる犠飛で打点をマーク。3大会ぶり19回目の優勝に貢献した。

こちらは当時大学3年だったため、1年後の2020年にドラフト2位でDeNA入り。1年目から137試合に出場して打率.314を記録するなど大活躍を見せると、昨季まで3年連続で20本塁打と30二塁打をマーク。昨年春には侍ジャパントップチームの一員としてWBC優勝も経験している。

昨秋も2名が新たにプロ入り

2020年以降は新型コロナウイルスの影響で国際大会が行われず、大学日本代表の国際大会参加が復活したのは2022年のこと。そこで4番を張った廣瀬隆太と上田希由翔、萩尾匡也の3名はいずれもドラフト指名を受けてプロ入りを果たしている。

2022年のドラフト2位で巨人に入団した萩尾は1年目こそ11試合の出場に終わったものの、ファームでは報知新聞社選定の殊勲賞を受賞したほか、オフに参戦した台湾のウインターリーグでもアピールに成功。今季のブレイク候補として熱い視線を浴びている。

また、上田は昨秋のドラフト1位でロッテから指名を受け、廣瀬もドラフト3位でソフトバンクに入団。1年目からどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみだ。

こうして振り返ってみると、かつて大学ジャパンで4番を任された選手はプロ入りを果たすだけでなく、高確率で一軍を主戦場とするところまで進み、チームの主軸となる選手も多いことがよく分かる。それも西川は大学3年からその重責を担っているのだから、井端監督が大きな期待を寄せるのも自然なことだろう。

トッププロに混じって日の丸と背番号3を背負う重圧は計り知れないが、それらを吹き飛ばすような活躍を見せることができるか。西川史礁の侍ジャパン・トップチームデビューから目が離せない。

【関連記事】
・3月の欧州代表戦に挑む侍ジャパンメンバー発表 明治大・宗山塁、青山学院大・西川史礁ら大学生も4名選出
・『カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表』出場選手と放送予定
・糸井嘉男氏がアジアプロ野球チャンピオンシップ優勝の侍ジャパンに感じた大いなる可能性

記事:SPAIA編集部

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