どうやって起こった?バブル景気が起きたカラクリとは!?【眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話】
3:バブル景気はどのようにして起きたのか
日本のバブル景気は1980年代後半に始まり、90年に政府の規制で弾けるまで、4年程度続きました。キッカケは、双子の赤字(経常赤字と財政赤字)に悩む米国が85年9月、NYに招集し88年1月までに120円前後までの2倍の高騰を容認します。日本は急激な円高のせいで輸出産業が大打撃を被り、円高不況に喘ぎます。輸出に頼る製造業は、売上減少を食い止めるべく、徹底した合理化努力へと拍車をかけます。同時に政府・日銀も公定歩合を引き下げ、企業の資金繰りへの支援を行います。その後、日銀の公定歩合引き下げは5回に及び、1987年には当時としての史上最低水準の2.5%まで引き下げました。すでに、86年11月には景気の底入れが確認されていたのに、日銀は対米協調を優先し、低金利政策を執拗に続けたのです。
そして1987年10月19日に起きた米国株価の大暴落「ブラックマンデー」によるドル暴落を阻止すべく、この低金利政策をなんと89年5月まで実に2年3ヵ月も続けました。これにより、世の中にだぶついた資金が過剰流動性を生み、低利の融資を受けた企業は余剰資金でここぞとばかりに「財テク」に奔走しました。円高で国内物価が抑えられる中、株や不動産、絵画や美術品、ゴルフ会員権が異常に暴騰し、「資産インフレ」の状況を呈したのです。国内に溢れた資金は世界へ流れ、欧米ではジャパンマネーによる不動産などの買い占めで顰蹙(ひんしゅく)を買いました。
バブル景気が起きたカラクリ
日本銀行⇒企業
低金利でお金を供給する
→融資を受けた企業は余剰資金で財テク
余剰資金で株式や土地などへ投資⇒株価や土地の価格の上昇で利益を得る⇒利益分をさらに株式や土地などに投資
→多くの企業や個人が投資によって大きな利益を得る
バブル期と呼ばれる好景気
バブル期の日本では、不動産や株式は上がり続けるものであると、多くの人たちが信じていました!
【経済とお金の豆知識】
世界史上で最も有名なバブルが、オランダの「チューリップ・バブル」です。珍しい花をつける球根が爆上がりして、家や土地を担保に借金し、チューリップの先物市場への投機に狂奔して弾けました。
【出典】『眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話』著:神樹兵輔