Yahoo! JAPAN

浅間山を臨む坂倉準三の名建築に注目のイタリアン「飯箸邸」がオープン

タイムアウト東京

浅間山を臨む坂倉準三の名建築に注目のイタリアン「飯箸邸」がオープン

東京からのアクセスの良さや洗練されたたたずまいの店舗や施設が多いことから、軽井沢は「東京24区」といわれることもある。この一言を真に受けて、東京の延長線上で楽しめるこなれたスポットを紹介していこうと立ち上げた連載企画がこの「軽井沢は東京24区?」だ。

第9回は、軽井沢から15分ほど西に車で向かったところに、2023年末にオープンしたイタリアン「飯箸邸」を紹介。坂倉準三が等々力に建てた名建築が移築されたもので、当初は「ドメイヌ ドゥ ミクニ」という三國清三によるフレンチが入居していたが、2023年惜しまれれつつも閉店。その跡地にオープンした。

Photo: Kensuke Yamamoto

オーナーの宮部拓也は、代々木の「レガーロ(Regalo)」などでサービスマンとしての経験を積んだ後、独立を検討していたタイミングで同物件にめぐりあい、開業を決めたという。

Photo: Kensuke Yamamoto

外の森の景色が楽しめる個室も用意。家具も坂倉準三がデザインしたものがそのまま使われており、その柔らかなテイストは後から移築したとは思えないほど、木々の中に馴染んでいる。

Photo: Kensuke Yamamoto

シェフは、広尾にあるイタリアンレストラン「リストランテ アクアパッツァ」で長く修行し、腕を磨いた杉本聖也が務める。

Photo: Kensuke Yamamoto

まず印象的だったのが、季節のスペシャルパスタとしてメニューオンされていた「蕗の薹のアッラビアータ」(2600円、以下全て税込み)。フキノトウの苦みが季節感を演出しながらも、トマトソースとの絶妙な組み合わせが舌を楽しませてくれる。

Photo: Kensuke Yamamoto

シェフのいちおしは「金目鯛のアクアパッツア」(3800円)。パリッとした皮目、そして身とだしがたっぷり入ったスープのマリアージュに思わず舌鼓を打つ。

Photo: Kensuke Yamamoto

元々和食の料理人だった飯箸邸スタッフの望月清登が手がける「フライドポテト」(1000円)もまた絶品。冷凍し、一度水分を抜き、その後手で砕いたものを揚げているという手の込んだ一品だ。ジャガイモのうま味が口の中に染み渡る。

Photo: Kensuke Yamamoto

メインは「信州黒毛和牛フィレの炭火焼」(9600円)をチョイス。抜群の火入れによる柔らかな赤身が堪能できる。脂身のないフィレと上質なオリーブオイルの組み合わせの相性の良さに、黒コショウが程よいアクセントに。ぜひ味わってもらいたい一品だ。

コースは1万1000円で、アラカルトでの注文もできる。昼はパスタメインで楽しむのもいいだろう。空間や環境も素晴らしいが、何より料理のセンスが抜群である。

名建築を楽しむ以上に、飯箸邸の食事をこの雰囲気で味わうことが何よりの贅沢だ。ぜひ訪れてみてほしい。

【関連記事】

おすすめの記事