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たった半年で何が起こったのか?RCサクセションの大爆発を捉えた激熱ライブがついに公開!

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1980年10月20日 テレビ神奈川「ファイティング80’s」RCサクセション ライブ収録日(日本電子工学院ホール)

音楽ファンにとって馴染み深いtvk


2025年はRCサクセションがデビュー55周年を迎える年。歌謡ポップスチャンネルではこれを記念して、4月から3か月連続でRCの名曲コレクションや、忌野清志郎のライブ映像を多数放送する『忌野清志郎55周年大特集』が組まれている。その中でも大変貴重な映像が、6月22日(日)21時より放送される『tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s』だ。

tvkことテレビ神奈川は、神奈川県のローカル局ながら、フォーク、ロック系の音楽番組を数多く放送する、音楽ファンにとっては馴染み深いテレビ局だった。1972年から放送されていた『ヤング・インパルス』、1980年から1983年まで放送された『ファイティング80’s』、1986年から1993年まで続いた『Live TOMATO』では、いずれもキー局の音楽番組ではなかなか見ることができなかったフォーク、ロック、ニューミュージック系アーティストのライブを放送しており、神奈川県民以外のロックファンにとっては垂涎の​​局だったのだ。

人気急上昇期のライブ映像がふんだんに収録


RCサクセションは、tvkの音楽番組には何度も出演している。最初は1972年4月に放送が始まった『ヤング・インパルス』に1年近くレギュラー出演し、その後継番組『ファイティング80's』でも度々熱いステージを繰り広げていた。

1970年にデビューした際はフォークグループだったRCサクセションは、70年代中盤に事務所移籍騒動やメンバー交代などを経て活動休止状態に陥り、1979年からはロック、R&Bへと音楽性、ビジュアル面を大きく変化させた。音楽評論家の吉見祐子らが、1976年にリリースされるも1年で廃盤にされた3枚目のアルバム『シングル・マン』の再発運動を起こし、同時に彼らのライブも注目されるようになる。

そして1980年1月に渋谷のライブハウス屋根裏で4日間連続のコンサートを開催し、同所の動員記録を打ち立てる。ここでようやくその人気に火が付いた。今回、放送される『tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s』には、その人気急上昇期のライブ映像がふんだんに収録されている。

清志郎はお馴染みのスタンドマイクを使ったジャンプも披露


最初に登場する「よォーこそ」は、ライブでのオープニング定番曲。1980年3月20日、日本電子工学院ホールでの収録で、『ファイティング80's』の第1回「迫る!RCロックナイト」として、同年4月4日に放送されたもの。同会場は東京・蒲田の日本工学院専門学校が所有していたホールで、同校の学生は入りやすかったのはもちろん、一般客も当日、同所に行けば無料で観覧できたというから羨ましい話だ。

この時のメンバーは清志郎のほかギターにCHABOこと仲井戸麗市、そして小川銀次、ベースにリンコ・ワッショーこと小林和生、ドラムに新井田耕造、キーボードはGee2wo。清志郎はお馴染みのスタンドマイクを使ったジャンプを披露したり、この年で脱退した小川銀次の速弾きギターソロなど貴重なプレイも聴ける。

RCサクセションブレイク期の勢いに溢れたパフォーマンスと観客の反応


続いては同年10月20日、同じ日本電子工学院ホールでの収録映像だが、わずか半年前の放送では、観客が比較的おとなしく、やや戸惑い気味にRCサクセションのパフォーマンスを眺めていたのに比べ、この日の熱狂度は凄まじく、この半年で何があったのか?と思うほどの大反響ぶりだ。

RCサクセションはちょうど同年4月に久保講堂でのワンマンライブを開催、その際の演奏を録音したライブアルバム『ラプソディー』が6月5日にリリースされ好セールスを記録するなどの後押しもあって、彼らのライブはチケットが即完状態となり、同年12月には初の日本武道館公演も開催している。その渦中でのライブがこの映像で、まさしくRCブレイク期の勢いに溢れたパフォーマンスと観客の反応が刻まれているのだ。

代名詞的なナンバー「雨あがりの夜空に」、シングル発売を1週間前に控えた「トランジスタ・ラジオ」、そして「スローバラード」と大名曲三連発で会場を熱狂に包み込む。この日は梅津和時をはじめとするホーンセクション “ブルーデイ・ホーンズ” が5人編成で加わり、サウンドの厚みが圧倒的に違う。

「キモちE」ではジェームズ・ブラウンばりのパフォーマンス


翌1981年12月10日、横浜文化体育館で行われたライブでは、清志郎のメイクが一段と濃くなり、赤いジャケットにスカーフと、ド派手な衣装もすっかり馴染んでいる。「ステップ!」では、紙テープに絡まりながら寝転んで歌う清志郎の姿が印象的で、特に終盤、サックスの梅津と清志郎が掛け合いで過激なパフォーマンスを繰り広げる様子は必見。

「ダーリン・ミシン」ではスタンディングする観客と、座るよう注意するスタッフの小競り合いが映し出され、まだ “1曲目から総立ち“ が普通ではなかった時代を改めて思い起こさせる。続く「キモちE」の最後、倒れ込んだ清志郎をメンバーが袖に連れ出すという、ジェームズ・ブラウンばりのパフォーマンスも楽しい。

1982年11月14日の、日本電子工学院ホールでのライブ映像では、CHABOのギターをフィーチャーした「エリーゼのために」で、途中からメンバー紹介に歌詞を変えて披露。「つ・き・あ・い・た・い」では清志郎もギターを構えるもののほとんど弾かずにひたすら観客を煽る。観客の女性比率が高くなっており、清志郎のメイクも一層濃厚かつ強烈なインパクト。清志郎がロックスターの枠を超え、時代のアイコンとなっていたことを物語るようだ。

「COVERS」発売中止直前の貴重な映像


番組の後半は『Live TOMATO』からの映像で、一層タイトでソリッドになったサウンドと、メイクも落ち着きパフォーマンスも堂に入った清志郎の姿が印象深い。この中では1987年5月29日、新都市ホールで収録されたライブの、CHABOのソロ曲「GIBSON(CHABO'S BLUES)」のブルージーな演奏とボーカルが素晴らしい。

そして、1988年5月23日に同所で行われたライブでは、問題作「ラヴ・ミー・テンダー」が歌われている。この曲はエルヴィス・プレスリーの曲に、原発問題に言及した日本語詞を乗せたもの。同年6月25日にシングル発売予定だったところ、同年6月9日に、所属する東芝EMIのプロデューサー石坂敬一から清志郎に発売見送りの通達があり、同曲を収録したアルバム『COVERS』ともども発売中止となる。ゆえにこの日の放送は、その決定がなされる直前に披露された貴重映像なのである。

エレキを構えた清志郎が、いつもと違ってシリアスな表情で歌う「ラヴ・ミー・テンダー」は独特の緊張感が映像からも伝わってくるが、間奏で吹くブルースハープの切実な音色と共に、強烈なメッセージ性を放っている。アルバムは後にキティからリリースされたが、発売中止前の演奏がテレビ放送されたのは、おそらくこれだけだろう。

2009年に忌野清志郎が逝去して、もう16年が経つ。だが、今回、改めて当時の映像の数々に触れることで、幾多の新たな発見があることだろう。多様な形で1980年代日本のロックシーンを牽引した "KING OF LIVE" の偉業は、今も全く色褪せることなく、燦然と輝いている。

Information
tvk ライブ帝国Revival RCサクセション 80’s

▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:2025年6月22日(日)よる9時〜
▶︎ オンエア楽曲
♪ よォーこそ
♪ 雨あがりの夜空に
♪ トランジスタ・ラジオ
♪ スローバラード
♪ ガ・ガ・ガ・ガ・ガ
♪ ステップ!
♪ ダーリン・ミシン
♪ キモちE
♪ エリーゼのために
♪ つ・き・あ・い・た・い
♪ 君が僕を知ってる
♪ GIBSON(CHABO’S BLUES)
♪ MIDNIGHT BLUE
♪ ラヴ・ミー・テンダー
♪ ドカドカうるさいR&Rバンド


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