Yahoo! JAPAN

「もっと広めなあかん」浪曲消滅への危機感から定期公演を開催

日刊ゲンダイDIGITAL

京山幸枝若(右)と吉川潮(C)日刊ゲンダイ

【浪曲師・京山幸枝若 大いに語る】#1

「株式会社TOKIO」社長 城島茂の25歳妻・菊池梨沙のインスタにファン騒然!

 この欄に浪曲師が登場するのは初めてである。2代目京山幸枝若は関西の浪曲師団体、浪曲親友協会会長で、「声」「節」「タンカ(語り)」の三拍子そろった名人だ。近年は東京でも独演会を開き、昨年、文化庁芸術祭に参加、見事、大衆芸能部門の大賞を受賞した。そこで、実父であり師匠でもある初代幸枝若のことも含めて大いに語ってもらった。まずは今回の受賞について伺おう。

「5年前から東京で、年2回の独演会をやってまして、『会津の小鉄』という侠客ものの連続読みと、もう1席はお楽しみで、いろいろやらせてもろうとります。受賞した公演では初代の十八番、左甚五郎ものの『千人坊主』をやりました。甚五郎の中では最も節が長くて、しんどいネタなんです」

 東京では、弟子の京山幸太、女流の春野恵子と「浪曲ざんまい」なる定期公演も催している。

「このままやと、浪曲がなくなってしまう。もっと広めなあかん」いう危機感から、大阪で始めた会なんです。毎月第4火曜に、桂ざこば師匠がつくった西成区の動楽亭で開いてます。上がりは全部プールしておいて、それを資金に、お江戸上野広小路亭で定期公演を続けてます。こちらは常に赤字ですから」

 大阪公演で得た売り上げを使ってまで東京でやってくれるのは、浪曲ファンにはありがたい話だ。

「それが去年からコロナ禍でできんようになって、お金を何に使おうかと恵子ちゃんとも相談したところ、ラジオの枠を買って、浪曲を広める番組を作ろうと、ラジオ大阪で『浪花ともあれ浪曲ざんまい』という番組を始め、2年目に入りました。そんな折に芸術祭の大賞を頂いて、弾みがついたと喜んでます。浪曲は残しておかんとね」

 それは会長としての責任感なのか。

「芸人はたいてい自分が社長の個人事業主です。社長が死んだら会社がなくなる。でも、会長となれば、自分のことだけ考えてるわけにもいかん。やはり業界全体のことを考えんと。うちのおやっさん(初代)も7年会長をやってたけど、自分のことだけやから、案の定、死んだとたんに浪曲人気が衰えたということがありました。それではあかんのですわ。私が会長を12年やってるのは後継者がいないからなんです」

 幸枝若の表情が引き締まった。(つづく)

(聞き手・吉川潮)

▽京山幸枝若(きょうやま・こうしわか)本名・福本一光。1954(昭和29)年、兵庫県姫路市出身。73(昭和48)年、父である初代京山幸枝若に弟子入りし福太郎を命名、父譲りの声節で若くして人気者に。2004(平成16)年、「2代目京山幸枝若」を襲名。代表作は「会津の小鉄シリーズ」「左甚五郎シリーズ」など。公益社団法人浪曲親友協会会長。

【関連記事】

おすすめの記事